同時進行!!ウィークリー馬券物語

第92話: 2004年:第71 東京優駿・日本ダービー(GT)



「いやー、やっと師匠らしい予想になりましたね」
「だよな。ダンスインザムード飛ばしてくれたからな」
「それにしても2着のスィープトウショウにはびっくり」
「エンドスィープ産駒でも距離もったもんな。この時期の3歳牝馬に血統はいらんということか」
「距離延びてこその血統、といってもオークスじゃよくぶっとびますからね。とりあえずサンデー買ってれば いいんでしょ」
「ダービーも師匠の予想はサンデーからだろうな」
「でしょうね」
そこへ師匠登場。
一同「マンセー」
「よ、元気にしてるか」
「はい、偉大なる師匠様のおかげです」
「よろしい。じゃあオマエラ、ダービーの勝ち馬教えてやる!」
一同「ハハァ」と土下座状態。
「5月完成された個体に、経験を積み重ねた精神が追いつく。進化中。 今、急成長の◎ハイヤーゲーム、サンデー正規軍総統。府中得意のサウスポー、 驚異的な持ちタイム、ライバルを粉砕」
「おお、ハイヤーゲームが今年のダービー馬っすか!」
「エビショーのガッツポーズが見れるのか!」
「オレはヨシトミ先生のガッツポーズが見たい!」
バシッ!と師匠に殴られるS。
「続き行くぞ」
「ゾス!」
「北の怪物○コスモバルク。状況は厳しいが背負う期待も莫大。変則調教、長距離輸送、暑さへの適応、 出走自体が試練の連続。しかし、勝負に勝つことがヒーローの条件。その迫力が眩しいぞ」
「またしても2着ですか」
「う〜ん、夢はかなわないのか」
「3番手はなんでしょうか」
「▲キングカメハメハ、完璧すぎた勝利の余韻、とてつもない化物。レースの激流を楽に追走。則、豪脚を矯められる 最高の素質。NHKから本番への異色のローテーションも、完璧な仕上げ大爆発だ」
「か、め、は、め、波!」
バシッ!
「そういえば、皐月の本命馬が?」
「SS悪魔軍団長、凶器★ダイワメジャーが惜しいが4番手だ。別生物の巨大な馬体。身体能力は計測不可能のエイリアン級、 問題はメンタルだけだ。超越する素質、だが真っ直ぐ走れるか。暴走自滅とは紙一重だ」
「紙一重っすか」
「レースが見えてきました!」
「まあ、ダービーはダービーだ。勝つ馬を買うか好きな馬を買うか究極の選択だな」
「わかりました」と一同深々と土下座状態。
「じゃあ、俺はこれでな」


弟子達の会話
「オークスはびっくりでしたが、ここは上位陣が安定していますよ」
「一応4強って話しになってるけど、クラシックの王道を皐月まで無敗で歩んできたのはコスモバルク だけ。ダイワメジャーはまだ真価が問われるし、カメハメハは京成杯で負けてるし、ハイヤーゲームに至っては バルクに3戦3敗。すくなくともハイヤーゲームをそんなに高く評価していいものか」
「それはそうですね。では、とりあえずコスモバルクから」
「戦績、ローテから言って当然勝ち負けのはず。ただねえ、度重なる北海道からの移動、鞍乗五十嵐のダービー 初挑戦など不安要素もあるよね」
「そこらへんが4強扱いされちゃう理由ですよね。例年ならダービーでは絶対逆転!って強く言っていいはずなんですけ どね」
「次にキングカメハメハは」
「毎日杯→マイルカップ→ダービーは同厩舎、同馬主のクロフネといっしょ。松国厩舎じゃこれがクラシックの王道らしいですね」
「種牡馬になった時の価値としてマイルGTに拘っているんだよね。でも、ローテ的にはキツイよな」
「クロフネは負けましたが、皐月からマイルカップともっとキツイローテでタニノギムレットが勝ってますからね。 なんとかなる気もします。まあでも、ギムレットはその後壊れてしまいましたが」
「そういえば、ギム引退だもんな。まあ、負けた時の言い訳に使えるから便利なローテかもな」
「ではローテに目を瞑ると、距離も2千以上で勝ってますし、前走の走りは圧巻。皐月上位の馬に5馬身千切ってレース レコード勝ち。となると相手はバルクかメジャーとなりますね」
「ただ、一応ケチつけると、5馬身といっても皐月全力の馬とですし、タイムは高速馬場のお陰。走りっぷりからマイラーかも? ってことも」
「そう言われますけど、勝った馬が2着馬を選べるわけでもないし、タイムが馬場のお陰としても1着なんですから文句言われる 筋合いはないです。遅いなら文句言って下さいよ」
「なるほどね。まあ、強いということでいいな」
「では次にダイワメジャー」
「皐月時点では1勝馬で盲点になってたな。2戦目のダート戦が凄かったんだけど、次走のダートで気の悪いとこ見せてすっかり 人気落としちゃったよね。スプリングSはキツイ流れを先行して3着に粘ったんだから優秀と思ったけど、まさか皐月で来るとは ね」
「1勝馬でしたからね。中々本命は打てませんよ。師匠もどうせサンデー+スカーレットブーケってことで本命だったんでしょ」
「だろうな。終わってみたら、王道歩んだバルクが負ける相手ってこういう底を見せてない馬ってことだったわけだ」
「でも、ここは真価が問われますね。やっぱりフロックだったノーリーズンタイプかホントは強かったサニーブライアンタイプ かどちらでしょうかね」
「先行有利な高速馬場で外人お得意の先行押し切りってノーリーズンが目に浮かんでしまうけど」
「ですが、今回師匠が4番手に評価を下げていますのでここはひょっとしたら2冠もあるかもしれません」
「なるほど。そりゃ好材料だね」
「次に師匠の本命ハイヤーゲームはどうでしょうか」
「青葉賞を不利を受けながらもの凄いタイムで優勝。東京では3勝2着1回。血統もマンハッタンカフェと似た配合でクラシック にはどんぴしゃ。確かこの中で1番高いサンデー産駒らしい」
「へぇー。だからサンデー軍団の総統なんですね」
「しかし、コスモバルクには3戦3敗。青葉賞勝ち馬も本番では2着まで。前走のタイムは凄いが反動が出る場合もあるかも」
「ですね。まあでも、蛯名もついにダービージョッキー!ってことでいいんじゃないですか」
「他はどうかな」
「皐月からの直行組ではもうぱったしたのはいないですね。先行前残りのレースで先行した馬より上がりが遅い差し馬じゃ ダメでしょ。京都新聞杯は皐月に出たハーツクライ、スズカマンボのワンツー。この2頭いつもいっしょ。負ける時も同じ。 ハーツクライの方が人気がずっと高いですが、スズカとは能力差ないでしょ」
「他路線では、青葉賞の2着ホオキパウェーブはどうかな」
「負けましたが、この馬自身も2分24秒台で走ってますし、ソエの放牧明けを加味すればハイヤーゲームとそんな人気ほど 差があるとは思えないですが。ヤネは岡部でなんとなく3着って場合もあるかも」 「あと、プリンシパルSではピサノクウカイがいるなあ」
「勝ち味に遅かったけどようやく間に合いましたね。藤沢厩舎期待のシェルゲームが出れなかった穴を埋めましたね」
「ローテもキツイし内容もそんな良かった訳じゃないからここでは厳しいのでは」
「でも、藤沢厩舎の人気薄ってけっこう穴あけて怖いんですよね。ヤネも春天で意外にも好走したオリヴァー。先週もこの組み合わせ でトレジャーが2着に来て穴あけてましたよ。そういや馬主もいっしょでしたね」
「外人ってのはあっと言わせるからね。ワイドや3連複のヒモ候補には面白いかも」
「プリンシパル2着のヴンダーはどうです」
「俗にいうトライアル血統のフジキセキ産駒、過去戦績も底が見えてますし本番ではキツイかな」
「でしょうね。とりあえずこんなところでしょうか」
「まあ、ダービーだからね。それに相応しい馬とジョッキーに勝ってもらいたいね」
「そうですね。だから僕はヨシトミ先生に・・・」
バシッ!、ボコッ!バキッ!
ボコボコにされたSであった・・・。



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