同時進行!!ウィークリー馬券物語

第88話: 2003年:第 64 回菊花賞(GT)


「メジャーのワールドシリーズや日本シリーズに3歳牡馬クラシック最終戦菊花賞とまさにスポーツの秋ですね」
「先週には史上2頭目の牝馬3冠も誕生してるしね」
「阪神も3連勝!」
「ということで今週も3冠か」
そこへ師匠登場。「ははは、3冠馬の誕生はオレの予想通りだったな」
弟子一同「偉大なる師匠様、マンセー!」
「強かったな、スティルインラヴは。オレの期待通りだった」
「えっ、師匠の◎てオースミハルカじゃなかったのか???」と唖然とする弟子達。
「今週もオレの予想が実現する。いや予想ではない預言と言っていいだろう」
「ハァー」とぽかーんとする弟子達。
「じゃあ、オレが歴史的瞬間を透視してやる」
弟子一同「師匠様、マンセー!」
「3冠馬誕生のステップ、トライアルの安全運転から本番で弾ける。シナリオ通り、◎ネオユニヴァース 3冠を獲る。ネオが世代最強だから出来る業だ」
「ネオが3冠の偉業達成すっか!」と驚く弟子達。
「ユウイチからミルコ・デムーロへのゴールデンリレー。完璧な強さで勝利をゲットだ」
「ミルコ・・・クロコップ?」
バシ!師匠の左ハイキックが弟子約一名にヒット。
かまわず続ける師匠「○サクラプレジデントも引けをとらない。接戦の皐月賞2着馬。 借りは返す、距離は延びても長距離は騎手次第、武豊が鞍上。ならば京都は得意と言い切る。 勝負どころ一瞬の反応、天才の閃きだ!」
「やはり、豊は外せないっすよね」
「というと次はアレっすか?」
「未知の魅力、最大の上がり馬、蛯名の▲ヴィータローザが菊に参戦。 秘密兵器が直線で真っ向勝負。否、綺麗な走りでは敵わない。挑戦者の眼、この血統は 一発の弾丸、狙撃手の感触だ」
「3番手にヴィータローザっすか!」
「重賞連勝でここもってわけっすね」
「う〜ん、レースが見えてきた」
「あれ、でもアレの名がまだっすよ」
「ふふふ、焦るな、トライアル圧勝の△ゼンノロブロイ、実力十分、鞍上もペリエだ」
「やっと出ましたね」
「えー、でも白三角扱いっすか」と驚く弟子達。
「ふふふ、そう思うのが俗人どもの考えよ。私のような賢者は違うのだよ」
「賢者???」と唖然とする弟子達
かまわず続ける師匠「古馬相手から急遽、菊に方向転換。きな臭い、消える目もあるぞ」
「確かに路線決めるにこんなあやふやでいいかなと思いますね」
「結局、今年は3冠の節目。ライバル打倒はチーム力が決め手だ。これでわかったか俗人どもよ!」
「俗人ってオレら???」と顔見合わせる弟子達。
「あははは、2週連続3冠誕生とはめでたい。レース後は祝宴でもあげてやろう」
「ありがとうございます。師匠様マンセー!」
「まあ今やってもいいんだが、あいにく持ち合わせがなくてな。レース後ってことでな」
「持ち合わせがないのはいつもじゃん!」と思う弟子達。
「師匠様万歳(マンセー!)」
「じゃあ、オレはこれでな」と夜の街に消える師匠。


(弟子達の会話)
「昨年と違って見所が多いですね」
「昨年はダービー上位3頭がそろって不出場だったからね。他もぱっとしなかったし。勝ったヒシミ ラクルもまぐれくさかったしね。その後GT2つも勝つとは思わなかったな」
「今年は3冠馬誕生かという目玉にダービー上位3頭がいずれも出走。さらに皐月賞でネオユニヴァ ースを追い詰めたサクラプレジデントや復調したリンカーン、重賞連勝でトライアルを勝ったロサード の全弟ヴィータローザなど脇を固める陣容も豊富です」
「サンデーばっかだね。まあ、仕方ない。では何からいく」
「もちろん3冠がかかったネオからいきましょう」
「春2冠の内容を疑問視する向きも多いね。スローだとか道悪だったとか。タイムもよくないし、着差もそん なにないから印象度が低い。前走ではダービーで2着に退けたゼンノロブロイに千切られた3着。 いくら休み明けでもそりゃないんじゃないって感じだな」
「しかし、前走休み明けが響きながらも本番巻き返したスティルインラブと同じように春に2冠獲るような馬なら キッチリ体調戻して勝ち負けじゃないですか。歴代の3冠馬でさえ秋初戦を勝ったのはシンボリルドルフだけですよ。 あのブライアンでさえ負けてますよ」
「そうなんだよな。前走負けたおかげで陣営も引き締まって好結果というのがパターンだよね。2冠馬が菊出走の 時ってほぼ勝ち負けなんだよな。やっぱ3冠の可能性は高いかな」
「そうだと思います。あと余計だとか言われた宝塚記念の経験はきっと活きると思いますよ。春天以上に古馬トップ クラスが揃ったレースで出遅れ気味ながらも4着と健闘。トップのヒシミラクルとはコンマ3秒、タップダンスシチー とはコンマ1秒ですからね。ペースも緩み無く速いものでしたからね。ネオにとっては初めてキツイレースでしたよ。 でもこの一戦で春の一連の低レベルレースしか経験がないと言われなくて済みます」
「なるほどね。タップは京都大賞典ではヒシミラクルに雪辱したもんな」
「そうは言ってもゼンノロブロイは神戸新聞杯ではネオを千切ってますしね。どうでしょうか」
「本番体調を整えてきたとしてもロブロイを優勢と見るかどうか。このレースの馬券作戦はここにかかってるかな」
「2冠馬のネオは距離は問題ないでしょう。過去のデータが後押ししてます」
「ロブロイだって過去巻き返しの多いダービー2着馬だよ。母父マイニングってのが難だが」
「母父がマイラーで淀の3000は長いという評価ですよね。でも昨今の菊花賞は中距離馬でも十分活躍 できるレースになってしまってますからね。折り合いも鞍上はペリエですから平気でしょう。やっぱり三冠阻止の 筆頭はこの馬でいいですね」
「そうだな。次に豊のサクラプレジデントはどうか」
「叩き2戦目なのに、秋初戦のロブロイに完敗。血統上は距離は持ちますが、折り合いに不安があって距離延びるの はプラスではなさそう。3番手評価も仕方ないですかね」
「元々秋天って言っていたのを、前走でロブロイに完敗して、秋天行ってもロブロイに は勝てないからって感じで菊に矛先を変えた感じもするしね。結局、ロブロイが菊に来ちゃったんだけど」
「まあでも、前走のあのロングスパートは意味深ですよね。京都なら平坦でスピードも落ちないですから。そのまま押し切れ るかどうか試したかもしれませんよ。それに菊は時期が早くなってから夏場を使った馬が着ているんですよね。これもサクラ にとっていい材料ですよ」
「う〜ん、そうかあ。やはり豊だし、怖いから抜けには出来んなあ」
「次にダービー3着、ザッツザプレンティは」
「道悪ならって感じですかね」
「前走が意外だったからね。切れる脚もないし、アンカツが先行押し切りでどう形をつけるかかな」
「父は菊花賞馬のダンスインザダーク。サンデー系の種牡馬でのGT初制覇の期待もありますが、 ここは相手が強いってことで仕方ないでね」
「そうだね」
「次にリンカーンはどうです」
「前走で復調。ダービーも手術明けや道悪ながら実はよく走ってるんだよね。復調したここは怖い一頭だね」
「ただですねえ、京都不得手のトニービンが母父に混じってるんですよね。先週も一番人気のアドマイヤグルーブが やっぱり勝てなかった。確かトニービン産駒で京都のGTで連対したのはマイルCSを勝ったノースフライト、 春天2着のジャングルポケットだけだったような。母父含めても先週のアドグルぐらいですよ」
「府中のトニービンって言うからね。そういや先週も穴人気になってたベストアルバム飛んだな。あれも母父トニービンだな」
「なんか相性ってあるんですかね。でも頑張ってもらいたいですね。藤沢に切られたノリの意地も見たい気がします」
「あと、上がり馬っぽいところでヴィータローザは」
「これまたサンデー系。春は今一でしたがよく成長しましたね。兄ロサードより自在性もありますし。ただ負かした 相手が弱いのも確か。ここは春の上位陣より見劣るとしかいいようがありませんね」
「あくまでヒモ候補ってところだな」
「それに兄姉などからは距離もあいそうに思えませんしね」
「穴っぽいところでマッキーマックスにチャクラあたりか」
「マッキーは春は体調でダメダメでしたからね。体調回復ならひょっとしてって感じですか。 チャクラは長いところ中心に使って京都も合ってるようですし、陣営も菊こそと意気込んでます」
「それぞれ父が菊花賞馬のダンスインザダークとマヤノトップガンか。ただ、2頭とも過去連対ナシの1勝馬。 あまり期待しすぎるのもってなあ」
「そうですね。掲示板載ればヨシとしないといけませんね。ただ、マヤノトップガンって師匠に鬼門ですからねえ」
「おお、思いだすなあ、あの天皇賞」
「あれは中山のボックスシートに一門が集まった時でしたね」
「サクラローレル、マーベラスサンデー、マヤノトップガンの3強対決の春天。師匠にトップガン買わないんですか? と聞いたら『絶対に来ない』と言うからみんなトップガンから買ったんだよな」
「まさに予言でしたね」
「となると、今回もネオとの間になんか入るとしたらチャクラとか、サンデーでも師匠が消しているリンカーンとかかもな」
「うっ、それあるかもしれない」
「いや、待てよ。ひょっとしたら師匠のパワーでネオ自体飛んじゃったりして」
「うわ、それヤバ過ぎ。せっかくの歴史的瞬間がパーですよ!!!」
果たして師匠はネオユニヴァースの3冠を阻止してしまうのか・・・




(作成10/25)

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