同時進行!!ウィークリー馬券物語

第85話: 2003年:第 53回安田記念(GT)


「なんと久々の2冠馬誕生ですよ」
「マトリックスも2作目公開だしな」
「はあ?なんの関係が???」
「だってマトリックスの主人公はネオだよ。勝ったのはネオユニヴァース!なあミスター アンダーソン!」
「アンダーソンってネオと同一人物ですが・・・」
「師匠なら安田記念で勝ったら映画館借り切ってみせてやるぞとかホラ吹くんだろうなあ」
「なんか言いそうですね」
そこへ師匠登場。
「よお、お前ら元気か」
「偉大なる師匠様、マンセー!」
「どうだ、オレの予言した通り2冠馬誕生だ」と師匠。
ぽかーんとする弟子達。「サイレントディールが本命だったじゃないですか」と思う弟子達。
かまわず続ける師匠。「やっぱりオレの見込んだだけのことはあるな。皐月賞で見せた勝負根性を また見せたな。オマエらもいいレースがみれたことを幸せに思えよ」
「アンタ、皐月じゃ印なかったじゃんか!」と思う弟子達。
「よ〜し連勝街道まっしぐらだ!安田記念の勝ち馬教えてやる」
「おけら街道の間違いじゃないか」と耳を疑う弟子達。しかしいつものように一同「マンセー!」
「マイル4戦の◎ミスキャスト。受け継いだ力。血統の奇跡。府中1600はスピードと底力が必要、そし てセンスが不可欠だ。GTの壁も元のクラスに復帰しただけだ。本物の強さを見せるぞ」
「ノースフライトの仔ミスキャストですか!母子で安田制覇とは凄いですね!」
「昨年2着好走、復活○ダンツフレームも本質的にマイラー。スピードと勝負強さが噛み合いクラシ ック級の爆発力だ。新装府中のラスト勝負、ゴール前最加速が勝利への絶対条件だぞ」
「去年の雪辱っすか」「期待しちゃいますよ!」と感嘆の声を上げる弟子達。
「人気の速さ一番ローエングリン。その逃げは稲妻の囁きだ。溜めるのではなく突き放す快走劇 、異次元の世界を一人旅だ。神域のペース、集中マーク関係なし。全世界が敵でも戦えるぞ」
「敵は師匠の印だ!」と弟子達が思いが一つになったのは言うまでもない。
「ローエングリンがついに素質開花っすね」
「しかし、今週もあの男が出ますよね。アレに乗って」
「ふふふ、待ってろ。前走鮮やかな斬れ味△テレグノシス。左回りのレース巧者を狙う撃ちさ。 しかし、自力でローエンを潰しに行くきつい展開は厳しいな」
「なるほど、それで印が落ちるわけですね」
「う〜ん、なるほど」
「ところで、あの馬もようやくGT復帰ですよ」
「そうだな、問題はアグネスデジタルの取捨だ。当日の気配次第で一考だ。神様のオレでも こいつは当日の気配を見てからだ」
「なるほど、師匠がそうおっしゃるぐらいなら我々には到底考えるなど無理でございます」
「当然だ。結局、宴の後のGT、人気馬より穴狙い。非常識の常識だ」
「あんたこそ非常識の塊じゃん」と思う弟子達。しかしいつものように 「偉大なる師匠様、マンセー!マンセー!」
「よろしい、じゃあまたな」と街に消える師匠。


(弟子達の会話)
「なんだかんだ言ってもけっこうメンバーそろいましたね」
「そうだな。一時は手薄なマイル路線とか言われたもんな」
「テレグノシスは東京で復活しましたし、昨年の2着馬ダンツフレームも健在。実績ならナンバーワンの アグネスデジタルも間に合いましたし、ローエングリンも軌道にのってきましたし。ミスキャストもようやく 素質開花といったところでしょうか」
「じゃあまずテレグノシスから」
「前走の京王杯で完全復活。良馬場の府中ならこれぐらい当たり前だよといった感じでしたね」
「それまでは馬場に泣いていたからね。コースもやはり府中が合ってるんだな。さすがトニービン産駒だ」
「さらに斤量も1キロ減。勝浦の騎乗停止でヤネもデムーロに乗り替わり。もう勝って下さいと言わんばかりです」
「でも考えてみると、マイルカップの勝ち馬って安田記念で連絡みもないよね」
「あっ、そういえばそうですね。マイルカップ勝ち馬で安田記念に出場した馬はタイキフォーチューン、シーキングザパール、 シンボリインディ、イーグルカフェの4頭いますね。えーと、このうち最高はシーキングの3着ですね。意外によくないん ですね」
「テレグノシスには嫌なデータだけど、最近はクラシックがマル外に開放されるようになったし内国産も距離適性を考えてマ イルカップを目指すように体系が整備されてきたからあんまり関係ないんじゃないの。素直に前走の内容を評価して今週も ミルコに◎だね」
「次にローエングリンはどうですかな」
「ここは相手も揃ってるし逃げとなるとキツいかな」
「今では番手に控えての競馬も出来ますし、緩急もつけられるようになってきました。最近の成績も持ちタイムも優秀ですし、 ついに本格化したという感じですね。ここは仮柵の取れた内側をすいすいと行ってしまうかもしれませんよ」
「確かにそうかもな。後ろからいくテレグノシスが外に持ち出して届かないってこともあるかもな」
「ダンツフレームはどうよ」
「昨年の秋は体調不良でしたが今春は戻りましたね。中一週続きの変則なローテーションですが叩き良化型ですから丁度良いか もしれません」
「ホント変な使い方だよな。マイラーズC→春天→新潟大賞典ってなんだこりゃだよ。どこが目標なんだがよくわからんよな。 マイラーズCが出だしだったから安田狙いかと思ったら春天出してくるし、直行すると思ったら新潟挟むしね」
「なかなか太めが解消しなかったんで新潟使ったみたいですね。確かに苦し紛れ的なローテかもしれませんがこれぐらい がこの馬にはあってるかもしれませんよ。ここは去年の雪辱に期待します」
「まあ、このローテをどう見るかで取捨が決まるな」
「次にアグネスデジタルはどうです。実績ならメンバー中ナンバーワンです」
「一年以上の休み明け一叩きでGT。メンバーもそろってるし常識的には厳しそうだけど、実績に期待してってとこかな」 「そうですよね。実績より調子って人は買わなきゃいい。勝ったらやっぱりGT馬で諦めましょう」
「次にミスキャストはどうだ。師匠の本命だ」
「それが最大のネガティブ要因です。まあ、それは置いといて、ようやく出てきたって感じですよね。父サンデーサイレンス、 母ノースフライトの良血。デビュー3戦目には皐月賞に出た素質馬。しかしダービー前に故障。 それからが苦しい時期が長かったですが、ようやく良くなってきましたね。体調さえ戻ればここでもって期待を持たせてく れますよね」
「オレも期待はすごくしてるんだが、師匠が本命の上、ヤネがミキオってのがねえ」
「しょうがないですね。それも運命です」
「あと気になるところではミレニアムバイオはどうかな」
「昨年のこのレースでは3着と健闘しましたがその後屈腱炎で休養。よく戻ってきましたよね。 ただ、前走の休み明け4着はしょうがないとして、ここでどうなんでしょう」
「調教はいいらしいけど実戦でどこまでかな。ヤネも祐一だからね。馬場の悪い外回して届かずっての もあり得るかも」
「さらに、いい内に馬群がが密集するから後ろから行く馬はつらいかもしれませんね」
「そうなるとテレグノシスもヤバイじゃん」
「いや、意外にも先行するかもしれませんよ。大外枠で馬場のいい内を取るには先にいっちゃうしかないですからね。 実は第二集団あたりの先頭にはいたりして」
「それはイカンな。新東京コースの4角はコーナーが緩くなった分馬郡がバラけなくなって ごちゃつくんだよ。そうなると不利受けたり内が開かずに出れないってのがけっこうあるんだ」
「う〜んそこはミルコに期待しましょう。少なくともボールドブライアンのヨシトミよりはいいでしょ」
「前走は期待通り期待裏切ってくれたからな。今回人気なくしてるから来るかもしれん。怖いぞ」
「一応関東のリーディングジョッキーですからね。リーディングといえば豊を忘れてませんか」
「アドマイヤマックスか。サンデーに母父ノーザンテーストってのはGT来ないってジンクスがあるね」
「それを言うなら師匠の印のないサンデーは怖いってジンクスもあります。こうなりゃミスキャスト から師匠の印のないサンデー産駒でも買っておけばいいかもしれません。ということでミスキャストから ハレルヤサンデー、アドマイヤマックス、ローズバド、ミレニアムバイオ、ビリーヴに流しておきますか」
「こりゃつくね。つーか師匠にしちゃ珍しくサンデーに流してないぞ。ここはサンデーのボックスにして おこう。ハレルヤとかローズバドがくれば焼肉どころじゃないぞ!!!」
「そりゃいいですね。これで我々も栄養つけることが出来ます!!!」
と喜ぶ弟子達であった。
ちなみに、弟子達はもう栄養の必要ない体形である。



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