同時進行!!ウィークリー馬券物語

第85話: 2003年:第70回東京優駿・日本ダービー(GT)


「あ〜、あ〜」
「どうした?」
「先週のオークスなんですがチューニーから流して買ったんですが間に合わず締切りの憂き目に・・・」
「何!それが当たってれば焼肉食えたじゃねえか」
「ええ、すいません」
そこへ師匠登場。
「よお、お前ら元気か」
「偉大なる師匠様、マンセー!」
「あ痛たたたたぁ」と突然声上げる師匠。
「どうしたんですか?」
「先週はソフトボール大会に出たんだがまだ筋肉痛が抜けん」
「無理しないで下さいよ。大事な体なんですから」と予後不良にならなかっただけマシ だと思う弟子達。
「よ〜しそれじゃ気合入れてダービーの勝ち馬教えてやるぞ!」
一同「マンセー!」
「競馬に携わる者にとって、ダービーは全てに超越するイベントだ。 当然ジョッキーもこのレースだけは勝つこと以外考えない。武豊に最有力馬から騎乗依頼の打診。だがパートナー は不変」
「確かに替わりませんよね」
「ということは!」
「◎サイレントディールが急進化。レース一戦ごとに心身ともに成長してる。 消耗が激しいローテーションを避け、ここ一番に弾ける戦略だ。天才とヒーロー が魅せるクライマックスがダービーで演出されるぞ!」
「豊が2度目のダービー連覇っすか!」
「やはり天才の出番なのか!」と驚く弟子達。
「○スズカドリームは生まれた時からエリート、一味違っていた。馬体を見れば プリンスの風格、激しい気性、リーダーだった。その血が覚醒、状態は急上昇、圧倒的スケールで 王座に挑戦だ」
「ス、スズカドリーム???」怪訝な表情の弟子達。
「お前等のニワトリのような脳味噌では理解できないのはわかる。ただなあ、競馬とはこういう ものなのだよ。ふふふ」
「はあ」と仕方なくうなずく弟子達。
「さて人気の3頭では、潜在能力で▲サクラプレジデントを指名だ」
「やっと2強のウチ1頭が出まししたね」
「やはり桜大統領は強いですよね」と安堵する弟子達。
「でもあの馬達がそれ以下ってことか?」と不安になる。
「まあ、△ネオユニヴァースと△ゼンノロブロイにも敬意を表するが 押さえまでだ」
「はあ・・・」と絶句する弟子達。
「結局、サンデーの血脈の目標は世界進出。このダービーが出発点だ」
ここは師匠に敬意を表して「素晴らしい。偉大なる師匠様、マンセー!」と叫ぶ弟子達。
「ふふふ、ダービーは競馬の祭典だ。この予想のおかげでお前等も人並みに参加できるんだぞ。 ありがたく思え」
「ははあ、ありがとうございます。偉大なる師匠様、マンセー!」とマスゲーム状態の弟子達。
「じゃあ、オレはこれでな」と夜の街に消える師匠。



(弟子達の会話)
「ついにダービーですね。先に結論を言っちゃうと皐月の1、2着が抜けている気がするんですが・・・」
「だよな。1、2着は着差なしで3着を3馬身離してるんだからね。前走までの戦績も優秀だし血統上も 距離伸びても問題なし」
「そうですよね」
「じゃあまずネオユニヴァースから。柏木チックに言うと、 皐月賞を1番人気で勝った馬は長い歴史の中で19頭。そのうち故障でダービー不出走馬は3頭で残る 16頭のダービー成績はというと、実に【11・2・2・1】。皐月賞を1番人気で勝った馬は、ダービー 当日の人気に関わらず、勝率69%、連対率81%。セントライトからナリタブライアンまで、史上5頭 の3冠馬が16頭の中の5頭であることはいうまでもない。皐月賞を1番人気の支 持に応えて勝つこと。歴史はすなわち、大変な名馬である可能性が高いことを示してい る、らしいんだな」
「そりゃ凄いですね。さらにここ10年で1800までの距離経験しかなく皐月を勝った馬ってナリタブライアン ぐらいしかいないんですよね。ネオはブラインアン級ですか」
「それはどうかわからんが相当強いのは確かだよね。ヤネもイタリアの若き天才ミルコ・デムーロ。 信頼度は◎だ」
「そうですよね。そのネオと2度接戦を演じたサクラプレジデントも世代トップクラスなのはいうまでも ないですよね。ネオと逆転があればこの馬しかないですね。枠も内枠入りましたし、折り合いつけて直線 勝負ならいけるかもしれません」
「しかし勝春ってのがねえ。勝春が東京得意なのはいいんだけどこの馬自身折り合いにやや難のある馬でGTだからね。 その辺は割引だな」
「ただ、サンデーに母父マルゼンスキーと言えばあのスペシャルウィークと同じ配合ですよ。ダービーで皐月の 借りを返すかもしれませんよ」
「そうか。そこでだな。血統で言うと、ここ10年、勝ち馬の種牡馬ってフサイチコンコルド除くとトニービン、ブライアンズタイム、 サンデーサイレンスの三大種牡馬だけなんだよな。2着見てもビワハヤヒデノのシャルード、ボールドエンペラー のキンググローリアス、ナリタトップロードのサッカーボーイ、シンボリクリスエスのクリスSの4頭のみ。 フサイチが勝ったレースでも2着にサンデーがしっかり入ってる。さらに先の2着馬でもキンググローリアスの 母方にはヘイルトウリーズン−ロベルト系のリアルシャダイ入っているし、シンボリクリスエスの父もロベルト系だ。 今年はトニービン産駆がいないし、ブライアンズタイムは世代間でムラが出るんで今年は厳しそう。 結局サンデーのワンツーかな」
「なるほど、よく調べましたね。一応、母父トニービンならリンカーンがいますね。ただ病み上がりでちょっとキツ そうですね」
「だろうな。その他のサンデー有力組からはどうだ」
「まずゼンノロブロイでしょ」
「藤沢厩舎、ローテーションも昨年のシンボリクリスエスとまったくいっしょ。青葉賞の内容も優秀ととくれば 今年もと期待するよな」
「タイムはシンボリ凌ぎますし」
「ただ、今年の府中は改装明けの超高速馬場でタイムに騙されちゃいかん。最後はヨレて審議対象にもな っているし。この辺は本番でもの凄く不安だな。内容も昨年のシンボリクリスエスの方が直線内を突いて 余力を持って2馬身半離してゴール。シンボリの方が全然上だよ。さらに母父マイニングというのもひっかか るよ。GTではスタミナに不安があるかもしれん。やはり3番手の筆頭がいいところだろ」
「シンボリと比べちゃそうなるかもしれませんね。ただ皐月では1、2着馬以外と勝負付けが 済んでしまっているんでここは別路線に期待ってやつで」
「他にサイレントディールは」
「皐月の敗戦は休み明けとか中山の小回りが苦手とか理由が言えなくもない。ヤネも豊ですし全姉はあのトゥザ ヴィクトリー、休み明け2戦目、広い府中で巻き返しの可能性がないわけでもないです。皐月組で2頭に迫る馬として筆頭はこの馬で しょう」
「豊もこのGT戦線1番人気で外しまくってるけどちょっと可哀想だよな、乗ってる馬そんなに強くないのに豊だか ら過剰に期待されちゃったからね。でもここはどうせ4番人気以降でしょ。思い切った騎乗で見せ場はあるかもな」
「そうかもしれませんね。他のサンデーでは?」
「う〜んリンカーンは病み上がりだし、スズカドリームは底が割れちゃったし、師匠の強力プッシュじゃダメだろ。 まあサンデーはこれだけにして他にいくか。皐月3着のエイシンチャンプはどうだ?」
「弱くはないんですが・・・。ここは相手が悪いってことで。それなりに走るんで掲示板には載ると は思いますが。ただ、これを軸にするとなると展開のアヤやあの2頭にアクシデント−ミルコが不利受けたり、 勝春が出遅れなど−が起こること期待するという予想ですよね」
「まったくないわけでもないからな。そう予想するなら買えばいいってことだな」
「安定味を買って押さえの一頭ってところですね」
「あとトライアルの勝ち馬マイネルソロモンはどうだ」
「祖母シンボリルドルフ、父トウカイテイオーと父子3代制覇が懸かってます。それも無敗の」
「プリンシパルSは馬場差を考えればタイムも優秀でないし2着とはハナ差の接戦。勝っても内容が イマイチ。さらにオーナーサイドの要請で後藤から四位への乗り替わりもよくわからんよね。連勝して トライアル勝ったのに替えるなんてどうにかしてるよ。そりゃ豊やアンカツに替えるならまだしも四位だもんね」
「後藤は今年GT2連対。それも人気薄での好騎乗ですよ」
「だよな。四位が悪いってわけじゃないけど大舞台前にしてはやな材料だね。馬券は買いづらいな」
「あとトライアルではないんですが、京都新聞杯のマーブルチーフはどうです」
「京都新聞杯からアグネスフライトがダービー勝ってるけど、人気薄でこのレース制した馬はダービー では来てない。ゴール前もダンゴ状態だったしこの組みからは難しいじゃないの」
「そうですね。混戦での万馬券決着ですからね」
「あとタカラシャーディーはどう?毎日杯勝ってるよね」
「毎日杯の中身は良かったんですが青葉賞でロブロイに負けてます」
「ただねえ、もともとクラシックの登録なくて皐月出ずに間があいたんで東京使ってみただけでしょ。 賞金的には足りてるから目イチの仕上げじゃなかったとみれば、権利獲りの懸かったロブロイ相手に0.2秒 は試走としていいんじゃないの」
「なるほど。有馬で穴あけた哲ですしここは一発あるかもしれませんね」
「その他ではなんかあるか」
「雨で浮上ならザッツザプレンティ。たんぱ杯では不良馬場をものともせず4馬身千切っています。 弥生賞は落鉄、皐月はキャリア不足を露呈と年明けはいいいとこないですが、アンカツも今回が2度目。 どうにかしてくれるかもしれません」
「騎手ならデザーモもいるじゃん」
「ゼンノジャンゴですね。バブルガムフェロー産駆ではダービー初めてですね。サンデーに母父ノーザン テーストはGT来ないジンクスありますがサンデーの子にもそのジンクスはあるんでしょうかね」
「まあ、それはわからんがヤネの替わったマイネルソロモンよりは走るだろう。あとなんかあっか?」
「私はマヤノトップガンのファンなんでチャクラを応援します。今回ロベルトの血が入っているのは ラントゥザフリーズとこの馬のみ。ワイド圏で狙ってみようかなと思います」
「ひょっとしたらこの馬えらい運があるかもしれないんだよね」
「そうですね。重賞2着でどうにか間に合ったかと思ったらマイネヌーヴェルの出走表明で19番目になっちゃった んです。でも、ヌーヴェルが予定通り?オークス 惨敗して回避。やったと思ったらブイロッキーがこないだのオープン勝ったんでダービーに出ようとしたんです。 オーナーサイドは出したかった様な話しもあるんですがどうにか回避してくれたんでチャクラが目出度く出走と なったんです」
「まあ厩舎が同じなんで説得出来たのかもな。実を取る為にユニコーンSにしましょうって」
「同厩舎というのも運が良かったですかね」
「まあ、ダービーはお祭りだから好きな馬を買えともいうから好きにすればいいか」
「ところで師匠のソフトボール大会はどうだったんですか」
「今日来たんだから生きていたということだ」
「でも東京ドームでの決勝トーナメントには進めなかったってことですよね」
「あのな、よくよく考えてみろ。ドームはクラシックといっしょなんだ。新馬、条件戦、オープン・重賞と 勝ち進めた者こそドームのグランドに立てるんだ」
「はあ・・・」
「だから新馬、未勝利を勝ちあがれない師匠がドームに行けるわけないだろ」
「はあ。でも新潟支部が参加してるチームは勝っていましたが・・・」
「なんだと!ということはダービーも荒れるってことか???」



(作成5/29)

ホームページに戻る


この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。