同時進行!!ウィークリー馬券物語

第78話: 2001年:東京優駿・日本ダービー(GT)


「ついにダービーですね」
「タキオンがいりゃあな、凄いメンバーだったのに」
「確かにそうっすけど、レベルは例年以上ですからね。楽しみですね」
「何が楽しみだって?それは当ててから言え!」と師匠登場。
弟子一同「ゾスッ!」
「おお、お前ら元気にしてたか」
「ゾスッ!」
「よろしい、じゃあ今年のダービーを教えてやるぞ」
「お願いします」
「日本ダービー外国産馬開放元年。そこに黒船襲来、いかにも出来すぎのストーリーだ。でも NHKマイルカップやはり天才は凄かった。武豊というジョッキーはエンターテイナーだ。 とても届かない位置からあわやと思わせキッチリ勝つ、誰も真似が出来ない」
「やはりクロフネが本命ですか!」
「まあ、はやるな。 このイメージかつて経験したことがある。クロフネの大きなスライドから繰り出すゆったりとした フットワーク、しかし速い。そうだハイセイコーと重なるのだ。そうなるとダービーは大丈夫か。 トライアルで一世一代の脚を使ってしまった反動は」
「えっ、ハイセイコーですか。我々も記録はしてっますが、リアルでは知りません」
「ハイセイコーといえばダービーでは断然人気を裏切ってますね」
「そこでだ。満を持して◎ジャングルポケット出陣。ライバルが次々リタイヤ。タキオン無き後、 戦乱の世を収拾できるのは彼しかいない。綿密なローテーション、府中コースも経験済み。勝ちに来た」
「今年のダービー馬はジャンポケですか!」
「そうだ、この馬だ」
「じゃあ、クロフネは対抗ですか」
「甘い!この未熟者が。実は松田厩舎のボスは○ボーキングだ。 生まれた時から王様、その気性は負けず嫌いの一言。 同様のクロフネがおっとりタイプ?競争能力はともかく当然のごとく仕切っている。同一同厩舎 同馬主ダービー2頭出し、日の出の勢いで大逆転を狙うぞ」
「フサイチコンコルドの半弟で、父はサンデーサイレンス。ダービー馬になって下さいって血統ですね」 「あはは、まあそうかもな。さて問題の馬▲クロフネ、能力上位は確かだが多くの死角を抱えている。 出走権を得るためキツイローテーション。マイルで瞬発力勝負をしてしまった反動から距離不安。 内で包まれるとスライドを伸ばせない走法。天才がどう乗りこなすかが鍵だ」
「なるほど、それで3番手評価なんですね」
「他に何を注意すればいいですか」
「荒れると読めば伏兵は多彩。キャリアは浅いが△プレシャスソングが面白い。距離とコースは スペシャルウィークの従兄弟ならドンピシャ。本格的なクラシック血統の血が騒ぎ先物で買っておこう」
「そういえばスペシャルの従兄弟なんですね」
「俺も買うぞ!」
「もう一頭、サンデーの仔△ダイイチダンヒルも追加。あの若葉Sの脚が使えれば侮れない。 予想はここまで、結局はダービーはダービー。結果はともかく「あーやっぱり」と巷のため息が 聞こえそうだがな。まあ、こんなところだ」
「ありがとうございました」
「じゃあ、俺はこれでな」と夜の街に消える師匠。


(弟子達の会話)
「タキオンのリタイヤは痛いですが、クロフネが順当にでてきて面白いレースに なりそうですね」
「そのクロフネをどう見るかだな」
「同じ月に中2週でGTを連戦、マイルから2400へ。ローテ、距離ともに常識ではキツイ と言わざるを得ません」
「ところがどっこい、豊のあの走りはダービーを意識した走りだし、仕上げも実は余裕残し。 陣営はマイルカップをGTと思っちゃいない。今年まだ3走目だしね。データ的には不利かも 知れないけど、クロフネクラスの馬がマイルカップからダービーに出てないだけ。 今回そのデータが破られる可能性大だよ」
「うう、そう来ましたね。実は私もそう思います。スライドが大きい難点も今回は外枠で大丈夫、 すいすい行けます」
「そうだな。だからクロフネの状態云々より正直な力の比較でどれが勝つかでいいんじゃないか」
「その通りですね。なら有力馬ジャングルポケットをどう見ます」
「まさにダービーを獲るために逆算した使い方だよな。共同通信杯からぶっつけで皐月賞、そして ダービーだからね。体調不良とかじゃなくてこのローテだから、まさにダービー1本だよ」
「あの不利ななか皐月賞は3着ですから。勝ったタキオンがいないここなら勝機十分です。 血統も府中に強いトニービン。先週のオークスに続き今週もGTゲットじゃないでしょうか」
「でもジャンポケの母の父ってヌレイエフ入ってるよ」
「あっ、そうだ。これじゃ距離持たない?」
「素質は高いけど、あのクビの高い走法で2400は長いんじゃないの」
「むむ、確かにクビは高い。ヨレ癖もある。ウィンニングチケット以来勝ってないと いえば勝ってないトニービン産駒。なんか不安になってきました」
「でも、それ以下とも差があるのも確か。十分勝つ可能性はあるよ」
「そうですね。じゃあ皐月賞2着のダンツフレームはどうです」
「一応3強の一角を占めてるわけだよな。連対率100%で安定味は十分。 皐月2着で実力を証明。距離伸びていい、底力があり大一番に強いブライアンズタイム産駒。 ダービーでは河内がタキオンの無念を晴らすかもな」
「そりゃクロフネより出来すぎの話しじゃないですか」
「でも師匠の抜けだ」
「うっ、そりゃ押さえなきゃなりませんね。ところでボーンキングはどうです?」
「ありゃ、トライアル使っちゃったからダメだよ。皐月走ってトライアル走って本番って 勝ってないよ。しかも惨敗してるんだから」
「手厳しいご意見ですね。ではプレシャスソングは?」
「いい走り見せてたけど、ちょっとまだ若さがあるかな。このメンバーではキツイけど将来性は十分、 秋口に期待しよう」
「そうですね。あとアグネスフライトと同タイムで京都新聞杯を勝ったテンザンセイザはどうです?」
「今の京都は高速馬場でタイムは当てにならんけど。それよりトニービン産駒で人気薄の激走、ヤネは幸で万券決着と くればダービーレグノと同じじゃん。本番では来ないんじゃないの」
「実は私はあのレース、テンザンセイザから買ったんですが、エイシンスペンサーが抜けで泣きました」
「あちゃー、エイシンは復調気味だったんだから押さえなきゃだめだよ。しかし穴騎手といえば西は熊沢、東は江田照だけど、 西には幸もいるってことだな」
「あー、反省してます。この反省を活かしてダービーでは押さえます」
「そうすると来ないんだよ」
「うう、やっぱそうですかね」
「まあ、ダービーなんだから好きな馬を買って楽しみやいいよ」
「それって、当たらない言い訳には持って来いですね」
一同「・・・」



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