同時進行!!ウィークリー馬券物語

第70話: 朝日杯3歳ステークス(GT)


「いやー、寒くなりましたね」
「ああ、冷えるなあ」
「巷ではボーナスが出始めてますね」
「ボーナスか・・・」 そこへ師匠登場。
「お前ら寒い中元気そうだな」
「ええ、師匠。ゾス!」
「おお。今年の有馬の指定席は葉書とカードのみの発売だからな。 お前達の鍛錬の場所がなくなっちまったな。そういえば今ボーナスの 話ししてたな。よし、俺からお前らに特別ボーナスを出すぞ」
「ええ!!!なんとおっしゃいました。ボーナスっすか!!」
「ああ。その前に朝日杯の勝ち馬教えてやるぞ」
弟子一同「お願いします」
「寒さが一段と厳しくなったこの頃、人気・売上げとも冷え込む競馬。 しかし、JRAはまだましな方、地方競馬の深刻さはその比ではない。 競馬場の存続でさえ危うくなっている所もあり、その影響は必死。 折角国際レベルでいいレースをしても、底辺がこれでは心もとない」
「そうらしいですね。地方はけっこうヤバイとこ多いらしいですね」
「ああ。で、こういう時には救世主、絶大なるスターの誕生がサークルに必要。古くはハイセイコー、 一昔前のオグリキャップ、地方が燃える。熱いハートの草根魂が、中央のエリート達に 一泡吹かせるシーン。大井、笠松に続き、東北の盛岡に芝のGTが狙える逸材が現れた」
「となると本命はあの盛岡のネイティヴハートっすか」
「甘い。そこに勝負師、JRAのエリート藤沢軍団が立ちはだかる。3歳戦を見向きもしない総本山が 来年のクラシックを見据えて本気になっている。1番人気でも平気に調整代わりにレースを 使い、自信をもって送り出す大器◎ウィンラディウス、札幌戦圧勝の再現だ」
「藤沢・岡部の強力ラインが地方馬を蹴散らすわけですね」
「そうだ。地方期待の星○ネイティブヴハートにとって誤算が起きたな。今年の地方の2頭出走予定が、笠松の フジノテンビーが回避。ハイペースの展開を自慢の末脚で斬る予定が連携壊滅。孤独のスターだが、 栄光の勝利以外なにもいらない。実力がファンを引き付け、競馬を活性化させるだろう」
「なるほど」
「限りなく一本勝負と絞りたいがそこは競馬、多数頭の中山では実力通りとは限らず保険が必要。 前走でウィンラディウスを破った▲タガノテイオーが単穴。小柄でも瞬発力が凄く勝負 根性がある。以下血統と勝ち振りがいい△タイムトゥチェンジ、及び連勝中の△エイシンスペンサー まで押さえれば万全か。」
「うーん、レースが見えてきたぞ」
「最後にネイティヴハート相手に逃げ切ったテイエムサウスポーも絶好調だが、距離延長と 目標とされる展開上の不安で消し。でも今年はテイエム勢を嫌って財政は破綻状態、止めを 刺されるかもしれんがな」
「このままテイエムにやられたら競馬がつまんなくなりますからね」 「おお。じゃあ、俺はこれでな」
「あのー、師匠。ボーナスは?」
「ああ、今の話しがボーナスだ。お前らありがたく頂いとけよ。じゃあな」


(弟子達の会話)
「おいおい、そんなことだろうと思ったよ」
「あーあ、やっぱり師匠が我々にボーナスなんかくれる訳ないっすよね」
「どうせボーナスなんて右から左にいっちゃうんだろ」
「あのー、それは我々も同じですが」
「・・・」
「だから、その穴埋めをするため競馬があるんじゃ」
「ですが、師匠のように財政破綻を起こしてる方も多数いらっしゃいますけど」
「その財政のつけを競馬ファンに押しつけようとしている自治体もありますが」
「横浜市だな」
「そうです。今はやりの外形標準課税ってやつです」
「おいおい、控除率が25%ってすでに世界最高らしいんだぞ。さらに税をかける なんて無茶苦茶だよ」
「JRAって競馬施設のある自治体には迷惑料みたいな金払ってるんですよね。 税を払えば堂々と公共サービス受けられることになるんですから、そっちの支払いを 止められてしまう可能性もありますよ」
「競馬ファンに押しつける前に自治体がしっかりリストラしろよなあ」
「まったくそうですよ。控除率をもっと下げてほしいぐらいなのに」
「ところで朝日杯だが」
「近年にない充実したメンバーですね」
「東スポ杯、京成杯の勝ち馬がそろって出場。特別レースでも内容の高かった馬が でてますからね」
「これにデイリー杯勝ち馬がでれば3役揃い踏みだったな」
「で、勝つのはなんですかね」
「上位人気馬はどれが来てもおかしくないな」
「確かに。難しいですね。うーんまたテイエムだったりして」
「またかよって感じになるぞ。しかし師匠の財政破綻はテイエムのせいじゃないよな」
「ええ、あれは自業自得です」
「これは直前まで待って馬券を買おう」
「ところで、今年は有馬の指定席はすべて葉書抽選とカード抽選で、入場者による 抽選はなくなったんですね」
「だから我々はくそ寒いなか徹夜せずにすんでいるんだ」
「いやー、よかったっすよね。来年もこの方式でやってほしいですね。さらに皐月賞の指定もこの方式で」
「おお、そうだよ。そうすれば我々一門もこの悪夢から解放される」
「というと、一門も解散ですか」
心の中で「やったー」と思う弟子達であった。



(作成12/9)

ホームページに戻る


この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。