同時進行!!ウィークリー馬券物語

第68話: マイルチャンピオンシップ(GT)


「なんか難しいレースですね」
「うーん、というより抜けた馬がいないだけだよな」
「そうですね。どれもピンと来ませんが・・・」
そこへ師匠登場。「俺の話しを聞けばピンとくるぜ」
「あ、師匠。ゾスッ!」
「ここんとこ忙しくって話しをしてやれなくて悪かったな。でもこれで借金返済だ」
(「おいおい、師匠の話しを聞かなかったから借金つくってねえぞ」と思う弟子達)
「よろしくお願いします」と弟子一同。
「国際レースと名がつこうが、外国馬の参加がないレース。今現在、日本競馬のステータス はこんなもんなのか。もっとも春のマイル王香港のフェアリーキングプローンが、 現地において日本脳炎みたいな疫病が発生、検疫の都合で断念したこともある。だが、やはり 寂しいな」
「疫病で来日不可とは意外ですね」
「その疫病騒ぎで、逆に12月に香港国際レースを目標においていた馬達が急遽 参戦。この想定外のメンバーが、大混戦の混乱に益々拍車をかけている。何時の間にか 強いマイラーが居なくなり、マイラー路線が小粒化。新旧交代の時期と言えば それまでだが、ヒーローの誕生を見てみたい」
「では、そのヒーローとはどの馬ですか?」
「右回りマイル無敗。◎シンボリインディはまだ伝説を持っている。元々この馬こそ 純粋マイラー。どこまで強くなるかと思われたが、試行錯誤のスランプが続いた。しかし我慢 の末に、ついに復活の兆候。鞍上ペリエで国際色の下、鮮やかに新マイルチャンピオンの誕生だ」
「なるほど完全復活するわけですね」
「ああ、そうだ。相手はこの路線の強豪○ブラックホーク。このスピードと勝負強さ特筆もの。 香港のフェアリーキングプローンをライバル視して、春の敵をマイルCSで果たし、敵地へ乗り込み 止めを刺すという意気込みだった。目論見は空転してしまったが、2個目のGT勲章は是非欲しいとこ ろだ」
「やはり底力ですかね」
「あのう4歳馬はどうですかね」
「ああ、活きのいい4歳馬にも、とてつもない大物がいる。▲ダイタクリーヴァには無限の可能性 がある。思い起こせばあのタイキシャトルが弾けたのもこのレース。前走の敗因は久々と馬体減と はっきりしている。スピード勝負ここが見せ所。奇跡の血統の真の後継者となれるか注目だ」
「なるほど。あとあの馬の名がまだ出てませんが?」
「好走のためには注文も多く、条件が揃わないと厳しいのが★キングヘイロー。しかし実力的に はあっさり勝ってもおかしくはない。もし開き直り直線末脚に全てを賭ければ、一発屋ダンシング ブレーブの血が騒ぐぞ」
「やはりでましたね。我々も期待してます。最強世代代表の意地をまだ見せて欲しいですからね」
「つかみどころがない馬だが強い馬は強いからな。あと、人気上位馬の実力が拮抗しているこのレース。 どれが勝ってもおかしくない。しからば発想の転換。中距離の実力馬△ジョービッグバンが弾ければ 、とんでもない大穴だ」
「ジョービッグバンっすか!さすが師匠目の付け所が違いますね」
「ああ、お前らボンクラ共とは違うからな。これを当ててしっかり借金返済しろよ。じゃあ 俺はこれでな」

(弟子達の会話)
「借金返さなきゃならないのは師匠じゃないですかね」
「そごうじゃないが、貸すほうも悪い」
「そ、そ、それは私に言ってるわけですね」
「そうだ。知合いに30万も貸すなんてイカン。返せなくなったら友達でもなんでもなくなる。 どうせどこかに行っちまったんだろ」
「うっ、その通りどこか行方不明です。被害者は私だけではないですが。その人 日興証券で債券オプションのディーラーとかやってたKって人ですよ」
「オプションってアルミとかカーナビか?」
「それは今は標準装備が普通・・・、じゃなくてディリバティブです。数学バンバン 使うやつです。その人東京理科大出てんすよ」
「じゃあ飲むと暴れるのか」
「それは理科大卒のM君のこと指しいってるようですが・・・。その人はほとんど飲めないんんですが、 ブローカーの接待攻勢で人生が変わったようです。なんか誰かに煎れ込んじゃったみたいです」
「で、今なにやってるんだ、その人」
「それがわかればこっちも苦労しません。あっ、でも水商売のネエちゃん にお熱を上げちゃうってFさんに似てますね。」
「バカヤロー!俺は貢いだりせんぞ。新潟の連中に誤解されるようなことは言わないように」
「新潟の方々が一番肯いていたりして」
「なんか、言ったか?」
「いえいえ、何も」
「ああ、でも、いいなあ接待。師匠もたまには弟子達に接待でもしろよっていいたいよ」
「多分、いつも話し聞かせてやってるんだから俺を接待しろって言うでしょうね」
「まあな。ところでこのレース何から入るか難しいな」
「マイルCSなのにマイル路線の馬があんまり見当たらない。スプリンター勢かマイル超の路線が 間とって、これって感じで出ているみたいですね」
「近走復活のシンボリもそう。マイラーなのにマイル路線を歩んでない。休み明けで2千の札幌記念 をつかったり、一気に距離短縮してスプリンターズSに出すなんてわけがわからん。 京成杯AH勝ちはメンバーが手薄、スワンS2着は前が止まらない京都の高速馬場での 前残り。雨で走らなくなった馬多数。マイネルマックスが1分20秒台で3着。時計と着順に 騙すされちゃいかんな」
「ブラックホークはどうですかね。このメンバーならってことで人気に推されていますが、 安田記念の失速は、もはやマイルは長い印象を受けますね。1400までと見ます」
「ここを獲りに来るなら最低マイルは使わないと。やはり最大の目標はスプリンターズSで ここを挟んで香港のつもりだったけど、香港がなくなったんで急遽ここを最終目標にせざるを 得なくなった。調教は凄い時計だったけど、もともと走る馬なんでキツクやる必要はない。だが、 急遽最終目標をここに変えざるを得なくなったため普段より強目にやってしまったため時計が出た。 この普段と違う調整は本番にどう影響するか心配されるよ」
「ダイタクリーヴァはいいと思いますが。もともと距離はマイル程度が合っているでしょう」
「ここ10年の4歳馬の連対馬は、メイショウテゾロを除くと古馬混合のオープン勝ち馬かGT馬 のみ。前走の富士Sを勝ってればすんなり本命でもいいんだけど。体重大幅減で走った反動も 考えないと。この状態でよくやったって声が多いけど、ゴール前ヨレヨレだったからね。それに ダイワカーリアンの逃げを内の経済コースを走って捕まえられず、3着とは頂けない。でも 皐月2着の実績もあるしこのメンバーなら連対圏にあるって言える」
「とういうとエイシンプレストン、ヤマカツスズランは連対圏にあると言えますね」
「まあ、メイショウテゾロが連対したぐらいだからな。4歳3頭は普通に考えればいいんじゃない。 ヤマカツは展開がきつそうだけどね」
「キングヘイローいかがですかね。展開は向きそうと言われてますが」
「ホントよくわからん馬だよ。惨敗の後、好走とか。安田記念で日本馬最先着馬だし、昨年の 2着馬だから消すわけにもいかない。 ただ、昨年は勢いがあったな。 毎日王冠も秋天も着順の割には良く走っていてタイムも出ていたよね」
「ただ、ローテから見るとスプリンターズSをぶっつけにしてスワンSを使ってきたんですから ここ目標とはっきりしてます」
「なるほどね。あとダイタクはダイタクでもヤマトはどうだ」
「こんどこそ、来ないってやつですかね。スワンSの実況の時、 『ダイタクヤマト、GTに続いてGUも制覇!』って、おいおいGTに失礼じゃないかって 笑ってしまいましたよ」
「同じ2枠にはダイワカーリアンもいます。陣営がここ目標にって言ってきてますし。 けっこうなメンバーで勝ってきてますからね。それに大和カーリアンにダイタク大和。 2枠の大和馬券ってどうですか」
「それって大和證券と大和生命のようなもんだな」
「しかしまたダイタクヤマトが勝ったらサニーブライアンのダービーの時のように フロックでもなんでもない!なんて言われるんでしょうね」
「もう人気になってるから今度は来ないだろう」
「そうですね。それにしても寒くなってきましたね」
「あと1ヶ月で有馬の抽選だぞ」
「またですか・・・。ここだけの話しですが、秋天はカード抽選が当たったんで 指定で見てしまいました」
「なに、松島菜々子見たのか」
「小さくですが、生松島見てしまいました」
「しかしよく当たったな。GTだと4、5倍はあるからな。有馬だともっと行くだろうな」
「ええ。有馬のカード抽選が当たったら師匠に内緒で、弟子達で行っちゃいましょう」
「おお、そうしよう。師匠には内緒でな」
よからぬ謀反を企てる弟子達であった。




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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。