同時進行!!ウィークリー馬券物語

第66回: 秋華賞(GT)


「こないだのスプリンターズSは目眩がしました」
「ダイタクの逃げ切りだもんな。ピリ人気で1着。単勝、馬連ともに2万台 とぶっ飛んだな。波乱の幕開けといことはこのレースもか」
と、そこに師匠登場。
「波乱かどうかは俺の話しを聞いてから考えろ」
「あっ、師匠。こんちはっす」
「まだ、ピンと来ないがとりあえずGTだからな。では、勝ち馬を教えてやろう」
一同「お願いします」
「熱狂するには程遠い秋の競馬場、寂しすぎる人出と売り上げ減少。もうクラシックシーズンなのに 盛り上がらないこと甚だしい。不況、否それだけではない。季節感の喪失、それが一番大きいかも しれない。そういえば観戦者の中にもいつもの顔が見えない」
「やはりその人も飛んでしまったんでしょうか・・・」
「それでもレディ達のレースには華やかさがある。今を精一杯飾り立てる、今日勝つことだけ がすべて、そんな雰囲気が好きだ。だからこそ波乱万丈の連続。このイベントを最後に、センチメント な季節からの開放。この後、彼女たちには現実が待っている」
(わけわかんねえこと言ってるなあと思う弟子達)
「波瀾万丈ですか」
「というと福留の登場か」
「バカなこと言ってないでちゃんと聞け」
「すいません」
「続きだ。夢があるのは◎マルターズスパーブ。このレースを最後に日本をサヨウナラ、アメリカへの シンデレラロード。出来ればGTの装飾を胸にブリーダーズカップへチャレンジ。勿論、それだけの 実力と期待があるからこそ、その壮大なプランが描けるのだ」
「えっ、マルターズハーブって海外遠征の予定があるんですか」
「知らんかった。さすが師匠、よくご存知で」
「まあな。次だ。桜花賞馬○チアズグレイスがシェイプアップしてきた。距離不安のオークスでも 仕掛け損ねて2着、その実力は折り紙付き。前走はウォーミングアップの足慣らし、威光を示すのは この舞台。山内4姉妹のトップレディとして、本番に女王復権を賭けるぞ」
「やはりGT馬チアズの名が出ましたね」
「ああ。あとはな。忘れな草賞の鮮やかな勝利が印象的な▲グランパドドゥ。美少女には何の 誉め言葉もいらない、その強烈なキャラクターをイメージできれば。距離2000メートル 閃光一線、再びあのシーンの再現。彼女こそ秋のマジカルストーリーがよく似合う」
「母スターバレリーナは4歳秋に強くなりましたよね」
「でも河内の頭の中って菊花賞とブライトの引退でいっぱいじゃないの」
「何言ってんじゃ。ここを好走して弾みをつけるんじゃ」
「失礼しました」
「あと他に注意する馬はいませんか」
「おお。それにしてもだな。今年出走する彼女たちは、ミニスカートと長い脚が眩しい 現代風のイメージだ。去年の彼女たちとは様変わりしている。その典型的代表が △マニックサンデー。少しキレかかった未成熟さが危ない魅力を醸し出してるな。 強さと危うさ、パニックは避けたいけどな」
「ゲンダイ風って?」
「バカヤロー、それじゃ日刊ゲンダイを思い出すじぇねえか」
「一門はみな毎夕読んでますが」
「実は俺も毎夕読んでいるぞ」
「なーんだ、みんな読んでんじゃないですか。ははは」
おそらく読者は、どうせ風俗欄ばっか見てるんだろとお思いでしょう・・・
「よし、じゃあ俺これでな」
一同「はい。失礼します」


(弟子達の会話)
「しかし師匠の本命がマルターズスパーブとは驚いたな。サンデー産駆の チアズを本命にするかと思ってたよ」
「でもマルターズってGV勝ちがあって、たんぱ賞ではルネッサンスとタイム差なしの2着、 トライアルでは2着で、GT馬2頭より先着。実は強いじゃないですか」
「でもだな。そのGV勝ちもたんぱ賞2着も人気薄での逃げ、前走は豊の腕でしょ」
「なるほど、そういえばそうですね。うーん」
「そういえばシルクプリマドンナの名が出なかったな」
「我々でも買える零細小口馬主御用達の馬には印は打ちたくないってことです。 オークスでも無印でしたもんね」
「今年は桜花賞、オークス馬がちゃんとトライアルを叩いてそろって出場。 オークス馬が直行して惨敗というパターンが多かったけどね、今年は違うね。 ドーベル・キョウエイの時のようなオークス馬・桜花賞馬のワンツーかもな」
「いや、それはちょっと違います。あの時ドーベルは古馬GU・オールカマー勝ち。 キョウエイはトライアル楽々逃げ切り勝ち。休み明けでもきっちり勝つのがGT馬です。 今年の2頭は残念ながらあのレベルにはないでしょう。 特にオークスのレースレベルが低かったのが気掛かりです。超スローの前残りで行った馬 の勝ち。3、4着見ればレースのレベルは知れたもんです」
「といいても他になんだろ。ニホンピロスワンはいかにもトライアル馬って感じだな。 トーワトレジャーは去年のブゼンキャンドルのイメージでけっこう人気でちゃってるだろ。 こういうのって本番来ないんだよな。人気がもっとなければ面白いんだけど」
「そうなんですよね。春のレースレベルが低いと見れば、どれが来ても おかしくないようなレースと見れないこともない」
「そうなると困った時のサンデーサイレンスか。サンデーの仔が6頭。サンデー系 ということでグランパドドゥ入れると7頭。 ここで、ぶっつけのバイナリーナ、500万勝ちしかないサファイヤコースト 、1200Mまでしか勝ちのないポンデローザの3頭が消せるな。 で、4頭のボックスでいくか」
「そうなると面白くありません。ぶっつけのバイナリーナはまだしも、 ポンデローザは900万勝ちがあって、前走で重賞も経験済み。札幌で揉まれてきた のもナリタルナパークに似てますので消すのはもったいないです。 あとサファイヤコーストは前走が休み明けの初重賞で惨敗でしたが、その前の6月の 500万の内容が良かったです。阪神2000ですがタイムは忘れな草賞より速かった ですし、抽選を勝ち抜いたツキも見逃せません。6頭のボックスで買い目は多すぎ なら、この2頭ぶんだけ小額にしてみたらどうでしょうか」
「ふーん、そうか。少し買ってみるか。ところでだな。福島遠征がぱっとしなかった もんで、今月下旬に水上温泉で合宿をすると師匠が言ってきたぞ」
「げっ、また遠征ですか」
「遠征ではない。合宿だ」
「土日というと28・29日ですか」
「それがだな、金土の27・28日だ」
「あのー、それって仕事ある日ですよ」
「有給とれってことだ」
「な、なんと。師匠は代休あるからいいですけど」
「これに参加しないと有馬の名簿に載せないらしいぞ」
「うー、そういう手できましたか。こっちにはJRAカードがあります。ゴンドラのチャンスも あります」
「しかし、これ当たらないんだよな」
「そうなんですよ。しかも日本信販って大丈夫なんでしょうか」
「平気だろうよ。JRAがついてるんだから」
「でもあの会社、師匠の怨念がついてますよ」
「うっ。そ、それは俺のクチからは何も言えん」
「私もコメントを控えさせて頂きます」
一同無言になってしまった・・・


(作成10/14)

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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。