同時進行!!ウィークリー馬券物語

第65回: スプリンターズステークス(GT)

「ついに秋のGT戦線が開幕ですね」
「それもそうなんだが、初戦にスプリンターズとはね」
「今年から日程が大幅に変わりましたからね」
「菊なんて神戸新聞杯がラストチャンスだもんな。ここから菊ってあんまり繋がって ないんだけど」
「案の定、皐月賞馬もダービー馬も負けちゃいましたね」
「勝ったフサイチソニックって菊には出ないんだろ。距離を延ばして、こういう中距離馬がでない ようにしなきゃ」
「まったくそうですね」
そこへ師匠登場
「よーっ。どうやら夏は越せたようだな。お前らは冬に強すぎるからな」
「いえいえ、夏でも冬でも我々は強くありませんが・・・」
「冬は俺が鍛えてやったろ」
「はあ・・・」
「よし、じゃあスプリンターズSの勝ち馬教えてやる」
「お願いします!」
「どんなに荒れようが所謂GTと名がつくレースは、その結果に対 して納得できる説明がつく。春の高松宮記念と安田記念、人気馬が消え共に万馬券、しかし狙えるレースだった」
「おいおい、外したくせに」と思う弟子達。とはいうものの「なるほど」と師匠に同調する。
「スプリントとマイルの狭間、ほとんど紙一重の実力差。ならばレースの歪みを突ける 馬が強い」
「歪みっすか。さすが師匠」
「ああ。で、人気を背負って勝ちにいくことは、莫大なエネルギーの放出となる。能力値の優位性 も、展開・コースの有利性も、あっという間に消滅。必然的に有力馬達が勝ちを焦れば、表面上の 確率は僅かな可能性が、非尋常的な脚を持つ我関せずの馬が、激走するのは当然だった」
「なるほど、そこで歪みを突くわけっすね」
「そうだ。そこでいきなりGTのスプリンターズS、春の延長線上と見ればもう一丁。 本命は強い6歳牡馬世代の◎キングヘイロー。元々潜在能力はトップクラス。 掛かる気性こそ、逆にスプリント戦で好走出来る必要条件。スピードだけでは 通用しない今の馬場なら、奇麗に差し切れる」
「キングのスプリント戦春秋連覇ですか」
「ああ。相手はやはり○ブラックホーク。その安定したスプリント適性に期待値大。 1200メートルをハイラップで刻めるスピードと最後切れる脚を持ってるだけに、 騎乗し易さは一番だ。それだけにマークは厳しく、全馬を敵に回している状況。勝ちきるのは 難しいかもな」
「昨年のチャンピオンですからね。やはりマークはきついですよね」
「では3番手以降はなんですか」
「フランスとイギリスのGTを制覇した▲アグネスワールドは速い馬だ。 この国際ホースも日本のGTにはまだ手が届かない。もし直線コースのみ、ハイトップのスピードだけ でレースが出来れば圧勝だが、今の中山では難しいのが現状。能力の絶対値で3番手とした」
「スピードだけでは勝てないのがスプリンターズSですからね」
「ああ。あと激震の予感なら前走復活の★シンボリインディが面白い。試行錯誤の連続、新境地 開拓での勝利、これは大きい。勢いに乗せると手がつけられなくなるアメリカン血統。今回勝負 掛りで一番恐い馬だ。」
「昨年のブラックホークもスプリント初挑戦での優勝。ましてシンボリはGT馬ですもんね」
「マイラータイプでも中山1200なら十分勝機があるってことですね」
「お前らもたまにはいいこというじゃねえか」
「いやー、我々も日々精進してます」
「あと忘れちゃならない馬もいる。一昨年の覇者△マイネルラヴも能力的に遜色はない。だが、 勢いがないと勝てないのがスプリント戦。今回は押さえまでだな」
「あのタイキシャトルを負かしたマイネルラヴも、確かに最近は今一歩ってレースが多い ですね」
「ところでセントウルSでブラックホーク、マイネルラヴを破ってレコード勝ちした ビハインドザマスクの名が出てないんでが」
「夏の上がり馬の取捨だが、未完成。まだ厚いGTの壁に跳ね返されると見たぞ」
「まだ顔じゃないよってことですか」
「さすが師匠、手厳しい意見ですね」
「まあな。ま、このレースから秋のGT戦線がスタートいうのもピンと来ないが、 俺の教えを守ってれば馬券は獲れるから安心しろ。お前らいい師匠をもったな。 マラソンの高橋のように、いい師匠に巡り合えば金メダルだって獲れるわけだ。あっ、は、は、は。 じゃあ俺はこれでな」と消え去る師匠。

(弟子達の会話)
「おいおい、最後の言葉はなんだ?」
「金メダルなんとかとか」
「あんな師匠の意見なんか聞いてたら、金メダルどころじゃなくて 本物の”金”が出てくばかりだよ」
「ところでレースはどうでしょうかね?」
「メンバー的には、いいメンバーが揃ったよな」
「そうですね。一応GT馬7頭ですもんね」
「でも日程繰り上げでローテの評価が難しいな」
「普段なら、マイルチャンピオンSを挟んで年末のスプリンターズSへって流れなんですが、 セントウルS1回で本番へですもんね。叩き良化型の馬だと真夏も使わないといけないですか らね。その兼ね合いを見てぶっつけるしかないと判断した陣営もいますね」
「キングヘイローなんて叩き良化型で冬場に強い馬だよな。師匠の本命ということも あり、今回は厳しそうだな」
「可哀相ですがそうでしょうね。そもそも高松宮記念は例年より早い3月開催でしたからね」
「セントウル上位4頭にアグネスの5頭でいいんとちゃうの」
「スギノハヤカゼは雨が降ったら消しですが」
「スギノの前走は良かったな。勝ちに行っての3着。3年前のこのレース、タイキシャトルの2着 したこともあるんだもんな。雨には全く弱いからな。天気しだいだな」
「ブラックホークは1度使われてますからね。今度は前走のような反応の悪さはないと 思います」
「しかし内枠だろ。これじゃ前に行くしかないから、豊・アグネスをマークできない」
「それに按上は本番に弱い横典。さらに外にはマイネルラヴがブラックをマーク。ブラック撃沈か?」
「マイネルラヴが早めに動くピッチは上がりますから後ろから来る馬ってのも有り得ますね」
「シンボリインディなんかも今回は前に行くんじゃないの」
「ユーワファルコン、ジョーディシラオキ、ダイタクヤマトなんかもともと 前にいますが」
「凄いハイペースになるんか」
「そうなると、祐一・ビハインドが矢のように突っ込んでくるでしょうね」
「そうだな。しかしこの1枠1番ってのは厳しいな。名前通りビハインドだよ」
「あちゃ。そのビハインドは師匠の消しという言葉で帳消しになってますので 十分勝機はあるでしょう」
「ところでだな、福島遠征編が書かれてないというクレームが全世界から きているらしいじゃないか」
「ええ、全世界から約1通でした。結局、参加メンバーが少数だったんでネタがなかっただけ なんですが」
「福島じゃ新潟支部のメンバーも来ずらですからね」
「あとだな、JRAの滝本ってのが柔道で金メダル獲ったな」
「これはお目出度いですね。大口寄付をしている師匠もお慶びでしょう」
「しかしJRAってなんで柔道家雇ってるの?」
「そういえば小川直也もJRAでしたね」
「なんでだ?」
「いや、わかんないっす。よし今度師匠に聞いて見よう」
誰かわかる方教えて下さい・・・



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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。