同時進行!!ウィークリー馬券物語

第64回: 宝塚記念(GT)

「いやあ、前期のGTシリーズもこれでフィナーレですね」
「順当な結果が多いと言えば多かったな」
「このレースも堅そうなレースですね」
「なーに、堅いかどうかは俺が決める」とここで師匠登場。
「ゾスッ!」と弟子一同。
「おお、じゃあ宝塚記念の勝ち馬を教えてやるぞ」
「お願いします」
「テイエムオペラオーが一人勝ちだった春の古馬ロード最終戦、ドリームレース宝塚記念 を前に新5歳3強のうちナリタトップロードがリタイヤ。天皇賞までの3戦、過酷なレース とローテーションゆえ放電状態、ガス欠になった。とすれば、断然の1番人気馬に不安がよ ぎるぞ」
「不安?ですか」
「ああ。天皇賞の成績が直結しやすい宝塚記念とはいえ、今回もテイエム&ラスカルの ワンツーフィニッシュは考え難い。立ちはだかるののは怪物◎グラスワンダー。惨敗が続こうが 叩き3戦目、GT神話の底力は圧倒的。しかもグランプリ4連覇のため、鞍上を蛯名にスイッチ するなり振り構わぬ背水の陣。復活グラスワンダーが本命だ」
「やはりただ者ではない怪物グラスが本命ですか」
「おお。相手もフレッシュな別路線組、5歳○マチカネキンノホシが本格化した。もともとスケールが 大きな走りは、藤沢軍団の同期GT馬スティンガーやシンボリインディより上と評価されていた逸材 だ。その証拠に秋の凱旋門賞にも登録済み。シアトルスルー血統の真の伝承者だ」
「対抗はマチカネなんですか。ではテイエムは」
「そこでだ。この点、春の頂点を極めた▲テイエムオペラオーの力をもってしても、激戦続きで余力が 残っているかが疑問。長距離のスローペース瞬発力勝負を制してきた馬が、澱みないハイペースに行き成り 対応できるかも疑問だ。実力と危険の狭間で単穴の評価、消えれば今回」
「えっ、消える!?」驚く弟子達。
「ああ、そうだ。いずれにしろ今回の宝塚記念は不安要素一杯の危険なレース。そこでこういう時 頼りになるのが武豊。人気先行でも中距離ベストの△ラスカルスズカは押さえる必要がある。金鯱賞 の敗因は左回りと極端なペースの違いに対応出来なかったこと。天才に同じミスはない」
「なるほどやっぱり頼りになるのは豊ですか。あと他には?」
「そして、馬券ではなく夢を買うなら7歳馬の(注)スティゴールド。この馬こそドリームレース に相応しい人気者。負けつづけて28戦、しかし相手は歴代のスーパースターばかり。 それが前走2年8ヶ月ぶりの歓喜の勝利。地方騎手アンカツとの異色のコンビで大爆発の予感 がするぞ。まあ、こんなところだ」
「なるほど。レースが見えてきました」
「グラスの復活をしっかり目に焼き付けておくんだぞ。じゃあ俺はこれでな」と街に消える師匠。

(弟子達の会話)
「グラスが復活するかどうかに賭けるしかないレースだな」
「そうですね。テイエムが連を外すとは考えづらいですからね。かといって負かすとしたらグラス ほどの馬しかいないでしょうね」
「じゃあグラスが飛んだらなにがくるかな」
「それならテイエムから師匠のあげた馬に流せばいいんじゃないですか」
「おお、もう結論がでちまったじゃないか」
「ええ、でもいつもこんなもんじゃないですか」
「そういえば日曜は選挙だぞ。ちゃんと投票してから競馬に行こう。読者のみなさんも」
「でも、誰に入れようか迷ってます。どこもパッとしませんしね」
「じゃあ師匠の名前でも書くか」
「それいいっすね。師匠が総理大臣になったらこの国はどうなりますかね」
「・・・」
「そういうことは考えないでおきましょう」
「ところで来月は福島遠征だぞ。新潟支部からも多数参戦するらしいぞ」
「今年は盛大に宴会できますかね」
「毎年晩飯で終わってるからな」
「で、2次会はどこですかね」
「近くのスナックだろ。ひょっとして福島にも、すみれがあったりして」
「やめて下さい。それは人生の汚点です。汚点と言えば熱海ですが、ウィンズ誘致には失敗 したようです」
「もう、どうでもいい。俺はもう一生熱海には行く気はしないからな」
「でも熱海にウィンズ出来たら楽しいじゃないですか。新幹線で行って温泉浸かって競馬 なんておつですよ。石和もいいんですが、内陸なんで食事がイマイチですからね」
「でも胡散くささなら石和だな。我々一門にはあってるかもな」
「うーん、それは否定できませんね」
「で、やっぱり秋には石和か」
「今年こそ勝って大宴会したいですね」
「おお」
”今年こそ”と言って大宴会をしたことのない一門であった・・・。


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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。