同時進行!!ウィークリー馬券物語

第61回: 優駿牝馬(GT)

「いよいよクラシックも佳境に入りましたね」
「オークスからダービーへ。競馬ファンがもっともワクワクする時期ですね」
「なーに言ってるんだ、お前ら。弟子の分際でクラシックを楽しむなんて100年早いわ」 と師匠登場。
「いや、すいませんでした。未熟者の我々が”競馬を楽しむ”なんて1000年早いでした」
「うむ。その心がけが大切だ」
「それでは大師匠、オークスの勝ち馬を教えて下さい」
「おし。不確定要素が多すぎ、今年のオークスは大混戦という下馬評だ。目移りするが有力馬それぞれが 期待と不安定要素を抱え、どこからでも狙えそうだが死角も隠しもっている。こういう場合は騎手のはの 力量と血統の力強さから買うべきだが、少し考えてみよう」
「そうですかわかりました。我々の頭でもわかるようにおっしゃって下さい」
「ああ、わかってるぜ。まずだな、2つのトライアルレースをもう一回行えば、着順がガラリ 入れ替わる当然だろうし、レベル的には未勝利以下のレースだった。こんな形で押し出された トライアル組の人気馬はまさしく危険。そうなるとクラシックレベルで争われた桜花賞から、 直行する馬達の方が、実力的に信頼度が一番高いし魅力があるはずだ」
「確かに1勝馬だらけのって感じがしましたね」
「しかしだな、もう一捻り。トライアルでは不利があり、桜花賞では遊んでいた◎フューチャサンデー が本命だ。元々女王は我侭なもの、気が向かないとやる気を出さない。だが本気を出せばクイーンカッ プ楽勝の実力があり、サンデーの仔で血統の裏付けも十分だ。本番の今度こそ、直線一気の快勝劇が 見られるはずだ」 「やはり本命はサンデーの仔ですか」
「おお。で、長期休養明けの桜花賞で2着した○マヤノメイビーは強い女だ。状態もその時と は雲泥の差、比べようがないくらい良くなっている。ミスワキの仔なら距離も大丈夫なので彼 女が対抗だ」
「阪神3歳牝馬、桜花賞で見せた脚は良かったですからね」
「ああ。あと桜花賞で地に落ちた▲サイコーキララが侮れない。距離不安があっても個体能力の 高さは特筆ものだ。彼女はマジメさよりも、道中遊び遊び走るズル賢さが必要。変貌した姿が見 られるかだな」
「えっキララに出番ありですか。なんだかんだいっても桜花賞ダントツの一番人気でしたからね。 そういえば一番といえば桜花賞一着のチアズが」
「そう、肝心の桜花賞馬△チアズグレイスはどうかと言えば、今回は人気の上、色気を持ちすぎている 。実力は認めても首の高い走法が気になる。押さえは置くが裏切られる番か」
「なるほど、実力はあっても色気が引っかかりますか。ところで忘れな草賞を好タイムで圧勝した パドドゥはいかがですか」
「△グランパドドゥはスケールの大きさで穴人気だな。首を使わず手先だけで走っている感じだが、 これも押さえておこう。まあ、結局理詰めの答えより好きな彼女と心中したいいてのが本音だがね」
「うーんなるほど、トライアルの勝ちに騙されず桜花賞組が上位ってことですね。ところでその上位 だったシルクプリマドンナが無印ですが」
「お前ら貧乏人にも買える零細小口馬主会社の馬などクラシックに用無しだ」
「これは厳しいお言葉・・・」
「そんな馬券にもならん馬なんか買わずに精進しろ。おおっとおれももう失礼するぜ」
と街に消える師匠。

(弟子達の会話)
「混戦模様のオークスですね」
「うーん、今年の牝馬戦線は1勝馬でも足りるって感じで進んできたからな」
「低いレベルで横一戦って感じですかね」
「まあな」
「それで距離適正とか血統云々が例年より重視されているみたいですね」
「でも、オークスって距離は未経験馬が多いんで論じてもどうしようもないよ。 それにこの時期の牝馬って血統より、この時点での能力、完成度がものいう世界で 血統ってあんまりあてにならないんだよな。もともとオークスに出てきたような馬だから血統が そんな悪いはずがない。そりゃあランク分けはできるけど今の時点ではあまり意味が ないんじゃないの」
「そうかもしれませんね。マイラーでも事足りるってのがオークスですね。実際桜花賞組がそのまま オークスを制覇ってのが多いですからね」
「で、完成度でいうとやはり桜花賞上位組かな」
「そうですね。特に上位4頭ですかね。マヤノ、シルクは距離伸びて良さそうですし、 キララにしても4連勝というのは並みではないですからね。ただ桜花賞馬チアズは首が高い走法が気に なるのは確か。首の高い馬って血統以前の問題で長距離は?がつきますからね。松永ミッキーの2冠と いうのもピンときませんし」
「雨降ってんし、消えるとしたらこの馬かもな」
「別路線では忘れな草賞勝ち馬の好走が目立ちますが」
「今年はグランパドドゥか。父フジキセキに母スターバレリーナ。こりゃ凄いな。 距離も2000を克服、タイムも良かったしね。確かに別路線ではこの馬が強力だな」
「ただ、レース内容は過去の傾向と違ってペースが速かったのでタイムが良かったのも 否めません。忘れな草賞がオークスに直結するのは前半のタイムが遅いからなんですよね。 そのスローの前半を折り合って上がりの競馬で制すってのが本番前にいい経験になるんで すよね。例年オークスは前半スローで、正味マイルの競馬っての多いからですからね」
「まあ、そうはいってもこのメンバーなら印をつけないわけにはいかないな」
「そうですね。結局混戦といっても堅く収まりそうな気がします、この前のマイルカップの ように」
「それより来週はダービーだ。カード会員はこっそり指定席抽選にチャレンジだ」
「いやー、それって倍率高いっすよ。多分5、6倍じゃきかないみたいですよ」
「なるほど勝馬当てるより難しそうだな」
「ところで今年は新潟がないんで福島遠征なんですよね」
「それなんだが、どうやら7月の22日あたりになりそうなんだ」
「そうですか」
「さらにな、7月20日の木曜日が海の日で休みだから、20日から新潟の月岡温泉行って 金曜の夜に福島入りって計画らしいぞ」
「はっ?なんで競馬のない新潟なんですか」
「理由はないが月岡の温泉に浸からないと気が済まないらしい」
「あらら・・・。それより金曜は平日で出勤ですが」
「だから有給とれってことだ」
「そんな無茶な・・・」
師匠に呆れる弟子達であった・・・


(更新5/20)

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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。