同時進行!!ウィークリー馬券物語

第60回: 天皇賞・春(GT)

「またまた3強対決ですね、師匠」
「そうだな。5歳3強の前評判が高すぎて馬券的にはまったく面白くなく、 今年の天皇賞は見るレースだと、そんな雰囲気が漂ってるな。確かに最近のJRAは 凋落が激しく、入場人員と売り上げは落ちるばかりだ。その上につまらないレースを みせられたら、これはどうしようもなく素人のファンは離れていくだろう」
「確かに今年に入っても、売り上げの落ち込みが止まりませんね。堅いレースじゃ、 GTしかやらない一見さんから金は巻き上げられないですからね」
「ああ。しかし、我々プロの目からみると」
「ええ、プロ?誰がプロなんだ」と困惑した表情をする弟子達。かまわず続ける師匠。
「今回の天皇賞は非常に興味のあるレースだ。出走頭数がどんどん減り紛れが少なく、実力差 がはっきりとでやすいため、今後の勢力分野が明確に明示されるはず。これは馬の力だけでなく、 即ちど陣営の調教方法と調整技術が勝っているかの戦いでもあるぞ」
「なるほど。単なる馬の勝ち負けではなく、その裏まで読んでいるんですね」
「さすが、師匠」と驚愕?の弟子達。
「まあ、お前ら俗人どもとは違うからな。で、だ。4歳クラシックロードを戦ってきた 正統派オペラオーとトップロードVSデビューが遅く昨秋以降急激に力をつけてきた上り馬 ラスカルとの比較も、5歳になりサラブレッドとして完成したとき、どちらが強くなる のか非常に興味深い」
「師匠、焦らさないで3強のうちどれが勝つのか早く教えて下さい」
「まあ、焦るな。4歳春の時点で完成度が高く常に安心してみてられた◎ナリタトップロード が、直接のライバルであるオペラオーにまさかの3連敗で評判が落ちている。しかし本番は今回の 天皇賞。馬体のピークをここに合わせ、名前は要らない実を取るだけ。平坦フラットの京都 の直線ならば、早め抜け出し菊花賞の再現だ」
「本命はトップロードですか。では対抗はオペラオー、ラスカルどちらなんですか」
「○ラスカルスズカの最終調教が意外におとなしかったな。挑戦者なのだから他を圧倒するぐらい の時計を出してもよかったかもな。だが、勝つチャンスは十分あるため長丁場を意識してのこと なら、鞍上の豊マジックを加味すると侮れない存在で逆転もあるかもな」
「また豊かって感じもしますけど、天才ですからね。対抗がラスカルならオペラオーは3番手評価 ですか」
「今年に入ってからの成長度と馬体の充実度ではオペラオーが一番だ。トライアル2連勝の ステップで勢いもある。でも、それだけでは勝てないのがGT。順調さの反面、こころの隙がどこ かであるはずで、3強で敢えて消すならこの馬だ。実際去年のスペシャルウィークのような 凄みがない」
「えーっ!オペラオーを消すんですか。うーん、さすがプロの予想ですね。1番人気消しなんて 我々には予想もつきませんでした」
「ははは、そうだろうな。あとはシルバーコレクター・スティゴールドに賭ける方が面白いかもな」
「GTだろうがなんだろうが2着に来ますからね」
「まあな。ま、俺の言った通り堅いレースでも裏をよく読んで勉強しろよな。 いつもタダで俺の話しを聞けるなんてお前達幸せものなんだからな」
「分かりました」と弟子一同。
「じゃあ俺はこれでな」と夜の街に消えた師匠。

(弟子達の会話)
「馬券的には面白くないけど、どれが勝つか興味はつきないな」
「そうですね。実績でテイエム、ナリタ。でもラスカルも潜在能力に豊の能力をプラス すれば同等の評価できますね」
「人気通り軸ならテイエムだろ。3歳時以外は大崩れしてないし。前走ではラスカル、ナリタに 完勝してるし。血統でも適正が一番だろ」
「でも、使いすぎって感じもありますが。名より実を取りに行ってステーヤーズSを使って負け たら中1週で有馬なんですよね。そして年明け2戦。勝ってはいますが、カイバ食いが悪いって 話しもありますよ」
「でも、調教も良かったし、前走でやや勝負あったって感じだから陣営もなんか不安がないのが 不安なんであんなこといったんじゃないの」
「まあ、そうかも知れませんね。もう1頭のGT馬ナリタはどうでしょうか。春天に強い菊花賞 馬。舞台が京都に替ればチャンスありでいいと思いますよ」
「そうなんだよな。京都なら菊を勝ったようにテイエムを負かす可能性は強いと思うんだけど、 渡辺がどう乗るかだな。マークされてもいいから先行して押し切れるかだよ。後ろから行って 勝てないのはここ2戦でわかったから、前に行くんだろうけど中途半端なら、テイエムどころじゃ なくラスカルにも負けるかもな」
「渡辺しだいって注文つきですかね。その点まったく注文のない男・豊が乗るラスカルはどう ですかね」
「実績は確かに劣りますけど、差は感じられませんよね。菊3着、阪神大賞典でナリタに先着 ですからね。豊がヤネならもう安心。なんたって平成の盾男ですからね」
「しかし気になるのは、豊って3番人気では急に連対率悪くなるんだよな。そういえばマーベラス サンデーの時も3番人気だっけ。3強対決、3番人気、GT未勝利馬、血統上も不安と なんかそっくりだな」
「でもそん時の相手は田原にノリですから、今回とはレベルが違い過ぎますよ」
「まあ、そうだな。そういえばそのとき師匠ってマヤノトップガン要らない、消しだって 自信を持って言ってたな」
「今回も自信を持って1頭消してる馬がいますね。それも強いのを」
「おお、というとやはりテイエムが不動の本命ってわけだ」
「そういうことですね。なんだ裏なんか読まなくたって楽しめるレースじゃないですか」


(更新4/30)

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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。