同時進行!!ウィークリー馬券物語

第59回: 皐月賞(GT)

「クラシックが始まったというのに、ページの更新がされてないとクレームがついてますよ」
「しゃあねーよ。師匠も取りたてが厳しいんで俺達にかまってられないんだからよ」
そこに師匠登場。
「どうした、お前ら。そんな浮かない顔して。光通信の株でも買ってたんか」
「いえいえ、我々にはそんな高価な株は買えませんよ」
「でも、今日は海外では2万円を割り込んでいるぞ」
「もしや、師匠が買ったから暴落したんじゃないだろうか」と思う弟子達。「そうですか。盛者必衰 もはやくなってものですね。でも師匠は常に盛者ですね」
「あはは。お前達とはレベルが違うからな」
「では、師匠。皐月賞の勝ち馬教えて下さい」
「おお。桜も少しづつ散りゆく季節、中山の大一番、4歳牡馬クラシック第一弾が始まるのに、 本当にこれでいいのかという気分だ。強い馬が出走してこそ興味ある面白いレースが繰り広げ られるのだが、外国産馬は出られず、地方馬の出走は条件が厳しく、前評判の高い有力馬は 次々とリタイヤ。果たして今年は最強馬のステークスとして価値があるのか疑問だ」
「うーん、確かにレベルが低いメンバーですね。ここ目一のフサイチゼノンが回避しちゃって 余計感じますね」
「そうだな。しかしだ。ここ数年皐月賞の勝ち負けに絡んだ馬達の傾向をみると、興味深い データとなるぞ。すなわち皐月賞をダービーのステップレースとみる馬は勝ちきれず上位 入選まで、勝馬は本番距離不安でここを全力投球もしくは無欲の馬達だ。そう考えれば、 簡単に馬券のとれるレースだ」
「マジかよ」と思う弟子達。「なにをおっしゃるんですか。師匠にとったらどんなレースも 簡単じゃないですか」
「まあな。一応お前達のレベルで話してやってるからな」
「ありがとうございます。ところで本命はなんですか」
「自信の本命は◎ダイタクリーヴァ。実績は有るが芝1800メートルまでしか距離経験がな く、将来のマイル路線は確定的。そうなると後先無し、ここ一番の大勝負、今日勝たねばGT は取れない」
「確かにローテーションをみるとダービーって感じではないですね」
「で、軸馬が堅ければ相手は薄目が勝負の鉄則。そこで○エリモブライアンが対抗だ。 前走大敗で全く人気がないが、理由は桜花賞馬と同じく走る気を無くしただけ、 実力はきさらぎ賞が証明。巻き返すはずだ」
「なるほど」と弟子一同。
「次に、不利なレースが2度続いた▲ラガーレグルスが単穴だ。まともに走れば走ればたんぱ 杯3歳Sの重勝馬。鞍上の佐藤も今回失敗すれば完全に見捨てられる。ファンに恩返しのラスト チャンスだ」
「そうですね、大久保正調教師はあのブライアンから南井を降ろしたくらいですからね。今まで佐藤 が乗れてたのが不思議ですね」
「今年から阪神に変わった若葉S組はどうですか」
「過去皐月賞といえば、ステップレース若葉S勝馬が栄光を掴むことが多かったな。今年から 阪神にコース変更となったとはいえ、勝者△クリノキングオーが全く無印。これを大穴に押さえる」 「やはり阪神でも若葉組は無視できない訳ですね」
「そういうことだ。あと最後に、傾向としてはいかにもダービー向きの(注)エアシャカールだが、 鞍上は桜花賞大出遅れの豊。気負いの天才ほど狂気の才を発揮しそうで恐いぞ。理性でもわかって いても買ってしまいそうだ」
「天才は忘れなくてもやってくるって感じですね」
「まあ、今年の4歳戦線は低レベルでスタートだが、後々に期待するしかないな。 じゃあ俺はこれでな」と夜の街に消える師匠。

(弟子達の会話)
「なんかぱっとしないメンバーですね」
「3歳時大物と言われたのが、年明け惨敗だもんな。今年の4歳はいったいどうなってるんだ」
「レベルが低いってことにつきますね。外国産も大物って感じのはいないですけど、そこそこ勝っ て内国産がさらに劣勢になっちゃってますね」
「1番人気確実のフサイチゼノンが回避でさらにつまらないメンバーになってしまったな。 ダイタクが人気だけど、クラシックって感じがしない。なんでたんぱ杯行かず、小倉なんだ。 2千も走ったことないし・・・。ブライアンも皐月まで2千は走ったことはなかったけど、 GT馬だからな。スプリングSのタイムは優秀だったけど、パープルエビスと半馬身だろ。 余裕があったといわれてるけど、本番前にあまり感心しない走り方だな」
「そこは私も不安です。特に本番前のトライアルで外からまくって勝ったのが気になります。 トライアルですから、実力差は当然。安全策で外から行っても勝てるでしょう。でも本番では そんな大外からのまくりが決まるのは、余程の実力差か人気薄の大駆けくらいでしょう。豊とか が乗ってるならいいですけど、高橋君ではどうかな。先週の石山君もそれやって本番こけた」
「人気馬で内をついて勝てる騎手が一流なんだよな。今回3枠で思い切った騎乗ができるか。 ダイタクは馬はいいんだから、あとは高橋しだい。彼に金を賭けていいのかどうかだな」
「安定性では豊ですが、エアシャカールは気性が難点。豊は先週も16番のエアで出遅れですからね。 あと、キャリアのなさも引っかかりますね。でも将来性ではメンバー中この馬が一番って感じですし、 ここ負けても上位に入ればダービーが見えてきますね」
「ラガーレグルスはどうかな」
「大久保正厩舎らしく使い詰めですが、クラシック狙ってるって感じでいいと思うんです。 アクシデント抜きにすれば成績は安定してますしね。ただ、チトセオーの子ですよね。 トニービンは中山のGTとは相性悪いんですよね。ウイニングチケットやエアグルーヴ そしてこのチトセオー。孫になってもアドマイヤべガなんかが連に絡まれずに終わってます」
「俺もそれは気になるな。となると人気上位3頭がぶっ飛んでもおかしくないな」
「それは極端ですが、連勝中のアタラクシアやクリノキングオーの可能性もないとは言えませんよ」
「意外に混戦なのかなあ。まあ、上位3頭で決まると思うなら買わないほうがいいかもな。どれが 勝ってもピンとこないもんな」
「ええ、そんなもんでしょう」
「ところでだな、今年は新潟が改装で競馬がないから福島に遠征するらしいぞ」
「ええ、やるんですか。当分ないと思ってたんですが」
「甘いぞ。カード保有者は絶対参加だと言っていたぞ」
「そのカードなんですが、年金生活者のうちの父に頼んで試しに申請してもらったんですが、 作れたらしいですよ」
「つまり無職の年金生活者でもJRAカードの審査が通ったってわけだな」
「でも師匠は・・・」
無言になる弟子達であった。


(更新4/16)

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この物語は、本当のことも書かれておりますが、基本的に フィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません。また関係者?以外 の方が読んでも内容がよく分からないと思います。御質問があればメールをお送り下さい。答えら れる範囲でお答えしたいと思います。