書くということネットで文章を書く人がたくさんいるのに、書き方について書かれた本が少ない。小手先のテクニックについて解説した本はあっても、かんじんの文章についての考察がなかったりする。 山川健一『「書ける人」になるブログ文章教室』は、ネットに特化した初の文章論だと思う。ただ、ブログの書籍化を目標にしているので、私には不要なアドバイスが多かった。 1.本音が書かれていること。2とか3は、セルフプロデュースに相当するのだろうが、私はやらない。1と4だけでいい。 「ブログをノートとして活用する」のは、書籍化が目的になってしまったための転倒だ。かの有名教授のブログもこの路線。 「もっとも個別的なものこそが普遍にたどり着く」のだから、ターゲット読者を絞り込めと説く。私は、そんな器用なことはできない。発見したことやおもしろいと思ったことを自分のために書くだけだ。忘れないうちにメモしたものは、未来の自分への手紙となる。今よりも無知だった過去の自分への戒めになることもある。ときには、取り上げた本をほかの人にも読んでほしくて、気持ちが外へ飛んでいく。かなりばらつきのある文章ではあるが、読んだ人がプラスに受けとめてくれれば、もちろんうれしい。 「ブログは、時間軸に沿って書かれるものであり、読者も同じ時間の流れに沿って生きている」から「今」を書くことが大切であると。これは本末転倒。今を書きたいからブログを使うのが本筋だ。 たしかにブログの敷居は低くて、手軽にはじめることができる。文章を書くことに専念できる。しかし、本の感想文をストックする場所としては、Webサイトのほうが使いやすく、見やすい。
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