ファンシイダンス



周防正行「ファンシイダンス」を再見。見れば見るほど小津安二郎。ラスト間近、禅問答を行う法戦式の声が小さくなり、寺のあちこちのカットが映し出される。東司が写れば、観客はトイレ掃除のエピソードを思い出す、という仕掛けだ。

周防監督のメジャー第1作なので、キャスティングにどのくらいかかわったのかは不明だが、のちの秀作につながる脇役が光ってる。
修行僧羊羹食って糖尿病(田口浩正)
本木雅弘の短いせりふのキャッチボールが、あまり生きていない。女人のミスキャストのせい。おまけに1989年制作ゆえのバブリー臭が鼻につく。

そこを差し引いても、修行僧の不思議な生態映画を見るのは楽しい。原作のマンガはヒットし、封切り時映画館に人があふれたらしい。

たぶん曹洞宗の道場なんだろうと思いつつ見たところ、ロケ地は金沢市の大乗寺と判明。。かつて板橋興宗が住職をやっていた寺だ。

つぎは「シコふんじゃった。」をもう一度見たい。

(2007-06-19)