誓いの魔球



ワールドカップ・ドイツ大会で採用された新しいボールは、ふしぎな弾道を描くので話題になった。川口はボールが一瞬消えたと証言している。その謎が超高速ビデオカメラで解明された。

NHK「サッカー新ボール軌道の謎に迫る」によれば、ボールを回転させずに蹴ると、カルマン渦が発生しやすくなり、それに引っぱられてボールの軌道が変化する。とくにロングシュートで顕著になる。新幹線の横揺れも同じ原理で起こるそうだ。剥離点などという専門用語も出てきて、学校で見せられた科学映画みたい。

ディフェンスは、無回転シュートを打てる選手にロングシュートを打たせてはいけない。それでも打ってくるだろうから、キーパーは魔球に対応しなくてはいけない。そのヒントは「アタックナンバーワン」にあるのか、あるいは「巨人の星」か。

フジテレビ「日本サッカー再生計画」という番組もあった。サッカーといえば、バカ騒ぎと決まっていたようなものだ。こういう内容では、コアなファンや評論家が口角泡を飛ばしてしゃべりまくるのが関の山だ。しかしこの番組は違った。風間八宏の次世代育成の取り組みなどを紹介するまじめなものだった。

それを見ていて、やはり小野伸二とかは例外的な選手だったんだなあと実感した。小学生のころからアイディアを育てる練習をしていかないと、伸びないんだと思った。ユースでは水沼二世が活躍してるし、まだ中学生の風間二世もいつかは頭角をあらわすだろう。ひさびさに明るい話題でうれしかった。

(2006-12-10)