私は土屋賢二ではない『われ笑う、ゆえにわれあり』を私が書いたのではと疑われた。名誉にかけてその疑いを晴らそう。 私も読んでみたが、次の章はなかなか楽しい。 あなたも今日から老化が楽しめる著者は、大学で哲学を教えるだけあって、みごとな3段論法を披露している。 お金を払わないと手に入らないものは、無料のものより価値がある。また、恋愛に対する考察はみごとである。 同じことをしても結局は外見で評価が変わってしまうという事実がある。たとえば女が困ったときに助けようとした男がいたとしよう。この同じ行為に対して「親切な人」と言われる男もいれば、「親切ごかしに、つけいろうとしていやらしい」と言われる男もいるのである。この場合、「親切」と「親切ごかし」は、見た目で区別されるのだ。このように論じた後で、同じような例をいくつかあげている。
男にとっては、いくつも思い当たるものがあるだろう。テレビのバラエティよりも、この本のほうがはるかに楽しめた。 なかには、私がウソツキクラブの会員ではないかと思う人もいるだろうが、それもノーである。だいいちこのホームページではうそを書かないことに決めている。でもときどきうそが書きたくて苦しくなることがあることを申し添えておく。
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