ジャカジャカに弱い



 90年代の売れっ子ベスト3は、B'z、Mr. Children、Dreams Come Trueである。見事に横文字ばかりが並んでいる。吉本ばななの「キッチン」が若者に受けたのは、大島弓子がいたからだと聞いたことがある。同じように宇多田ヒカルが受け入れられたのも、Dreams Come True、MISIAがいたからではないだろうか。

 一方、ゆずやSomething Elseや19のフォークギター派も健在だ。こちらはすでに日本に定着している音楽と言えよう。それにしてもこれは男だけに引き継がれた伝統なのだろうか。ギターはちょっとかさばるけど、あちこちで手にできるポピュラーな楽器なので、弾ける人がうらやましい。

 初めて「からっぽ」を聞いたときには、ジャカジャカにハーモニカで、こりゃ和製ボブ・ディランかと思ったほどだ。そして彼らは、きっとストリート・ミュージシャン出身だろうと想像した。その予想は正しかった。

 NHKの「トップランナー」(1/14)で初めて二人の話を聞いた。なんとも生真面目な若者なのだ。デビュー前、伊勢崎町のストリートではスターだった。彼らがメジャーになったおかげで、あとに続く人に道を開いた。でもあまり声を張り上げてのどを傷めないかちょっと心配。

 ジャカジャカの権化といえば、ジプシー・キングだろう。ビールのCMで聞いて気に入ってしまいずっと気にしていたのだが、いかんせん私の周囲の人はだれもグループ名を知らなかった。「ミュージックフェア」(1/16)では、CMの曲「Volare」、代表曲「Djobi Djoba」、「Bambaleo」の3曲を聞いて大いに満足した。生ギター5本を文字どおりジャカジャカやってくれる。ついでに手拍子も入るとさらに盛りあがるのだが。ぜひスペインでのライブを放送してほしい。

(2000-01-17)