なごり雪



大林宣彦監督「なごり雪」(2001)は、中年クライシスとノスタルジーが合体した映画だ。

奥さんに逃げられ、自殺を決意したところへ1本の電話がかかってくる。そして語られていく28年前の物語。

歌を題材にした映画は数あれど、スカが多い。この作品も先行きを危ぶみつつ、最後まで見てしまった。

大林作品で気になるのは配役だ。「時をかける少女」の原田知世は角川映画ゆえ別として、「転校生」の小林聡美も「さびしんぼう」の富田靖子も、アイドル系ではない。

一方「なごり雪」のヒロイン須藤温子は微妙。その微妙さゆえに、その後めだった活躍がないのかも。年明けにはサトウトシキ監督「ちゃんこ」に出演するので、要注目。

大林は主役に必ずいい男を使う。三浦友和はあたかも監督の分身であるかのよう。フェリーニみたいだな。

親友の28年後が、ベンガルだった。その娘夏帆が長沢まさみ。演技は下手なんだけど、若いんだか大人びてるんだか、よくわからん。そんな微妙さが今の活躍につながっているのかも。「クロスファイア」(2000)でデビューとのことだが、まるで印象に残っていない。

長沢のお父さんは、サッカーの監督なんだね。娘の芸能界入りにあたっては、中山雅史に相談したんだとか。

(2005-12-21)