北川悦吏子はエッセイストかつい先頃「ロングバケーション」と「愛していると言ってくれ」の北川悦吏子のドラマを続けざまに見てしまったので、勢い余って彼女の本まで読んでしまった。ちょっとどんな文章を書いているのか見てみたかったからだ。 「愛していると言ってくれ」で紘子の幼なじみ役を演じていた岡田浩暉(こうき)との対談について書かれているのが、『ボーイフレンド』である。その他の対談相手は以下のとおり。原田宗典、赤井英和、三谷幸喜、ウッチャン、大多亮、袴田吉彦、宮崎駿、中村正人、安西水丸、小林武史、小田和正、つんく、岩井俊二、金城武でみごとに男性ばかり。 その内容は、テレビ業界で野島伸司は天皇と呼ばれているとか、三谷幸喜はドラマ作りの天才であるとか、北川悦吏子と三谷幸喜と野島伸司の脚本は頭3ページを読んだだけですごいとわかると誉められたとか、テレビに興味のある若者に受けそうな話を並べている。ただ、三谷幸喜には冷たい応対をされたようだ。 ところで『恋のあっちょんぶりけ』なんていうタイトルを許してしまう著者に、?を感じるのは私だけだろうか。中身はみごとに雑文集。こういうニーズがあるということか。 ドラマの作り方はよく知らない。でもプロデューサーの時代といわれて久しいし、企画会議でのディスカッションでストーリーもかなり修正を加えられると聞く。そんな中で脚本家に求められる役割はどんなものだろうか。私は、若い女の子の心をとらえるセリフをひねり出すだけの役割ではないかと思っている。つまり企画があって、役者が先にいて、ストーリーはみんなが考えてくれて、セリフだけを担当するのが北川悦吏子ではないかと。
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