頭の中から元気になる『海馬』では、脳の専門家である池谷裕二氏の胸をかりて、糸井重里が言いたい放題である。 海馬、扁桃体、側坐核などの専門用語が出てくるが、糸井の突っ込みによりとてもわかりやすい本に仕上がっている。13時間にわたる対談を4つの章にまとめ、各章には前ふりとまとめがついている。池谷氏のあとがきでは、キーワードが太字になっているし、親切この上ない編集ぶりである。 「脳の本質は、ものとものとを結びつけること」:なるほど。こうやってみると、本書は実用書でもあり、めげそうな心を励ましてくれる本でもある。この際、"励起本"とでも名づけておこうか。
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