選挙大好き人間、石川好95年の参議院選挙で神奈川県から立候補し、27万票を集めたけれど落選した石川好の評論集『異論あり』を読んだ。このときの選挙は、投票率が史上最低で、民主主義の危機といわれた。 石川氏は、無党派と呼ばれる政治参加を拒否する人を「中間知識人」として定義し、この人たちが封建的民主主義を温存し、顔のないファシズムへの道を開きかねないと危惧している。 パトロンが有能な政治指導者を育てるのだから、税制を変えて金持ちを守ろうとか、お役人の給料を上げようとかの提案には、私は反対だ。それに対して、「政策の違いは、税金の使い方の違い」、「義務教育で税について教えよう」という主張には賛成。もっとも今の学校や教師に期待はできないが。 また石川氏も言っているように、行革には、新しい国家目標を提示するという側面と、政府のダウンサイジングという側面の2つがある。どちらもスクラップ&ビルドすることを意味する。今の金融改革を見ていても、誰がそれをやるというのだろうか。リーダーが不在なのである。今はとりあえずの応急処置に追われていて、肝心な行革がどっかへ行ってしまった。同じ比重をかけてやるべき仕事なのに。
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