映画大好き



 ときどきアメリカのボスに説教をたれたくなるけど、「ホワイトハウス」というドラマはよくできている。日本のドラマの水準が低いので、よけいそう感じる。大統領役のマーティン・シーンが薬の副作用でふらふらして出てくるのを見ると、むかし彼が出演した「地獄の黙示録」の1シーンを思い出す。

 その「地獄の黙示録」から筆を起こしているのが『アメリカの秘密』である。サブタイトルの方が内容を正しく表現している。この本では、「ゴッドファーザー」、「ブレードランナー」、「薔薇の名前」、「猿の惑星」を最重要作品としてあげている。クリント・イーストウッド、スパイク・リー、クエンティン・タランティーノをほめあげ、ロバート・レッドフォード、スティーブン・スピルバーグ、「スター・ウォーズ」をけなしている。

 筆者はリバタリアンで、リベラル思想による世界管理すなわちグローバリズムに批判的だ。また本書では、多くの映画を政治思想により格付けしている。

 私は、映画をそういう観点から見るのは、どうも好きになれない。

 そうはいっても、メリル・ストリープ主演の「プレンティ」やジャック・ニコルソン主演の「ホッファ」など、知らない映画の存在を教えてくれた。インデックスもついているので、映画の紹介本として役に立つ。

  • アメリカの秘密 ハリウッド政治映画を読む 副島隆彦 メディアワークス 主婦の友(発売) 1998 NDC778

(2003-02-01)
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