アジアカップ予選


強行スケジュールの遠征、猛暑のサウジ戦は0−1で敗れ、酸欠のイエメン戦は1−0で勝った。

サウジ戦は急遽テレビ放送されたそうだが、見逃した。イエメン戦は、予想以上のデコボコで、ボールがうまく転がらない。巻はヘッドをはずすし、FWはまだまだ。ロスタイムに我那覇がちょいと合わせて、なんとか勝ちをもぎとった。

坪井までが押し上げてくるのを見ると、いかに前線が頼りないか。足もつらず、ひと安心。アジアレベルなら十分通用する。守りの要として、もっと足(頭も)を磨いてほしい。

少しずつ選手の顔も覚えてきたし、これからが楽しみなチームだ。今はまだ空っぽだからね。

オシムの会見がネットで全部読める。おかげで、こんな分析まで登場。本紙はどうか知らねど、スポーツ新聞のネット記事にろくなものがない。もう完全にネットライターの方が上だ。スポーツ紙は、素材の提供に徹した方が世の中のためかも。スペイン事情も参考に、歯切れ良くいきましょう。

監督の会見も、個別の試合についての話はそれほど聞きたくはない。むしろ、もう少し長いスパンの展望が聞きたい。でも、協会対策もあるので、手の内は見せてもらえないだろうけど。

試合後の会見では、記者たちへの教育的指導を重点的にチェックしようかな。そうなると発言のニュアンスが問題となる。通訳のレベルはどうなのかな。そこが少し心配。


バルカンの指導者たちのネットワークというのがあるそうだ。

このまえのイエメン戦は、仕組まれた苦戦だと主張する人もいる。これからは他人の深読みを読むのも楽しめそう。オシムさんのおかげだな。

詰め将棋にたとえる人もいる。「考えて走る」を次のように言いかえる。
「瞬時に詰めの手を見つけて走る」ことで、けして数学の問題を解くように時間をかけて答えを導き出すというような学生相手のなまぬるい要求ではないはずだ。プロ棋士が短い時間で何千手も読んで次の一手を決めるような、膨大な棋譜の研究や定石の積み重ねをはやく作って持って来いと言っているようなものだ。
ここを選手たちに読ませてあげたい。

ネット解説もずいぶんとハイレベルになってきたなあ。

ついでに、おかしなサッカー用語は使わないでほしい。耳(目)ざわりでしかたない。たとえば「運動量が落ちる」。日本語が不自由なセルジオでさえも「足が止まる」と表現している。

やはり
オシム・ジャパンという表現のおかしさ
ですよね。


アジアカップの予選でイエメンと対戦し、2−0で勝った。オシム監督になってから初の公式試合だ。メンバーは、

GK 川口 能活 ジュビロ磐田
  山岸 範宏 浦和レッズ

DF 三都主 アレサンドロ 浦和レッズ
  坪井 慶介 浦和レッズ
  加地  亮 ガンバ大阪
  田中 マルクス 闘莉王 浦和レッズ
  駒野 友一 サンフレッチェ広島

MF 中村 直志 名古屋グランパスエイト
  羽生 直剛 ジェフユナイテッド千葉
  遠藤 保仁 ガンバ大阪
  鈴木 啓太 浦和レッズ
  阿部 勇樹 ジェフユナイテッド千葉
  山瀬 功治 横浜F・マリノス
  佐藤 勇人 ジェフユナイテッド千葉
  田中 隼磨 横浜F・マリノス
  小林 大悟 大宮アルディージャ
  長谷部 誠 浦和レッズ

FW 巻 誠一郎 ジェフユナイテッド千葉
  我那覇 和樹 川崎フロンターレ
  佐藤 寿人 サンフレッチェ広島
  田中 達也 浦和レッズ
  坂田 大輔 横浜F・マリノス

なじみのない選手もいて、顔と名前を一致させながら観戦。まだ実力はユースレベルだが、後半投入された選手が活躍していた。ロスタイムでゴールを決めた佐藤寿人、はじめて見た羽生の動きも良かった。お気に入りの坪井も足がつらずに90分走っていた。

20本以上シュートしても決まらなかったときは、どうなるかと心配したが、とりあえず2点入ったので可をつけておこう。

オシムは大いに不満だったようで、会見でもいろいろ話していた。
日本のサッカーをもっと強くするためには、もっと走る、もっとアグレッシブなチームをもっと(Jリーグで)増やさなければならない。そのためには、ある部分を犠牲にする必要がある。例えばそれは、プレーのエレガントを犠牲にしなければならない。エレガントであることと、効果的であることは両立しないことが多い。それが両立しているのは、多分バルセロナだけだろう。
なるほど、それで私はバルセロナが好きだったのか。

ワールドカップが終わると、代表の試合などもう見たくもない、というのがこれまでだった。今回は、オシムの発言が楽しみでずっとフォローしてる。親善試合でさえも、半分くらい見てしまった。

最初のメンバー発表が13人だったり、川淵批判のデモがあったり、それでも取材する人にとっては魅力のある監督のようだ。

いずれにしても、1年後どのように成長しているか楽しみな日本代表だ。私にとって何よりもうれしいのは、たとえ入らなくてもどんどんシュートを打ってくれたことで、おかげでやっと認知してもらえた。これで大手を振って代表の試合をこれからも見ることができる。この平安がつづくことを願って、今晩は山の神にどら焼きをお供えするとしよう。