私はできの悪いカウンセラー?



 毎日のように「あー疲れた!」といって帰ってくる人がいる。帰ってくるなりしゃべりまくる。私は、すっかりうなづき人間に変身するのだ。

 たいていは「まったく、もう困ったもんだ」という話が続くことが多い。こっちも聞いているだけではなく、ときどき「ああしてみればー、とか、こうしたらいいんじゃない?」などと、ついよけいなことを言ってしまう。合いの手だけにしておけばいいものを。

 ところで、最近は心の病にかかる人が多いそうだ。かのダイアナさんだって、拒食症に苦しんだ。現代の先進国と呼ばれる国に住む人は、ストレスやトラウマなどが原因で、不思議な行動をとる人が増えている。

 もっとも、私なんて昔から奇怪な行動をとっていたように思う。今にくらべれば時代がのんきだったせいか、心が本当に傷ついたのは、大人になってからだ。

 ところが、今の子どもたちは小さいときから苛酷な環境に置かれている子が多いと聞く。家庭や学校では、いやなことを強制されたり無視されたり、同世代の子からは、仲間はずれにされたりいたぶられたり。そんなことをちょっと想像するだけで、私なんか胃が痛くなってしまう。

 アメリカ映画では、登場人物が精神分析を受けるシーンをよく見かけたけど、日本もついにそういう時代になったのかも。高校生くらいの子どもたちの性の解放や中学生のナイフ所持など、まるでアメリカの追随だ。コンピュータくらいはついていってもいいけど、ピストルなんかはやっぱりごめんだ。アメリカの病が世界に広がっているのじゃないか、という疑いをどうしても持ってしまう。単なる誤解か思い込みであればいいのだが。

(1999-02-22)