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2006年1月1日(日曜日)掲載
12月定例議会が終わりました!
12月1日にはじまった12月定例議会は当初の20日閉会予定を会期延長し、26日に閉会。「男女共同参加推進条例」制定、「葬祭センター条例」全部改正等条例案件6件、「公共施設の指定管理者」指定43件、固定資産是評価審査委員選任同意、補正予算等を可決しました。
「男女共同参加推進条例」は一部委員会修正の上、全会一致で可決
焦点の「男女共同参画推進条例」は、第3条ー基本理念の「妊娠・出産に関し女性の意思が男性の意思と同等に尊重される」(原案)を「女性の意思と男性の意思が同等に尊重される」に一部修正し、残りの原案も含め全会一致で可決しました。
「公共施設の指定管理者」民間公募7団体はじめ管理者を指定
これまで市の外郭団体に管理運営が委ねられてきた公共施設への民間参入となる「指定管理者制度」導入について、民間公募10施設はじめ、現行委託団体を特定して指定管理者とする33施設の計43施設の指定管理者の指定を議決しました。
特に芝生市民プール・老人福祉センター指定管理者候補に関し「市提示額2億2,500万円に対し、1億4,466万円の提案額で本当に十分な管理運営と市民サービス向上が行えるのか」等、市民サービスの向上や指定管理者選定経過の公平性・透明性について多くの質問が出されました。
管理運営経費コスト面だけでなく、市民サービスの観点からもこれから公共施設がどう変わるのかが試されます。
直接請求の「高槻市無防備・平和都市条例」制定は賛成少数で否決
直接請求は「無防備地域宣言運動全国ネットワーク」の運動を受けて、市民有効署名総数12,518に基づき12月9日に条例請求が行われ、会期延長を行って審議が行われました。
委員会審議では「無防備地域を宣言する主体に地方自治体がなりえるのか」「ジュネーブ条約がいう無防備地域を満たす条件(すべての戦闘員・移動兵器・軍用施設の撤去、住民による敵対行動が行われない、軍事行動を支援する活動が行われない等)を地方自治体が国・防衛庁に代わり行使できうるのか」等、条例制定の実効性の疑問が出され、委員会、本会議とも賛成少数で否決されました。
文教市民委員会で「男女共同参画推進条例」、「学童保育室の障害児入室制限の撤廃」を質問
委員会質問・答弁についてはわかりやすいように、項目毎に順番を変え、編集し直しました。
男女共同参画推進条例について
1.「条例」制定の意義は
岡本茂の質問
「男女共同参画条例は社会的・文化的な男女の性差を敵視・否定するもので、行政が市民の個人活動に介入すべきでない」あるいは、「憲法19条(思想および良心の自由はこれを侵してはならない)、21条(集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する)に違反する」との意見が一部にある。
いかに「内心・良心の自由」といえども、人権を尊重し、共に生きる地域社会をつくっていくことは、最低限求められるべき社会規範。
改めて条例制定の必要性について市の見解を求める。
市民協働部の答弁
まだまだ男女間の格差があり、真の男女平等を実現するために男女協働参画基本法制定の経過をふまえ、本市の男女共同参画をすすめる事が求められている。
条例は性差を否定するのもではなく、男女共同参画社会形成を阻害するような固定的役割分担については是正していきたいと考えている。日本の文化を根底から覆すものではない。
岡本茂の質問
条例制定根拠で「日本の文化を根底から覆すものでない」との答弁があったが、私は「日本の文化すべてを受け継いでいい」とは思っていない。プラス面は積極的に活かせばいいが、負の文化は克服していく努力が必要と指摘しておく。
2.条例制定に市民意見はどう反映されたのか
岡本茂の質問
1年半に及ぶ審議を経て条例制定に至った。従来は審議会答申素案を下に、行政がパブリックコメントを実施し行政案策定という方法。今回は審議会がパブリックコメントを実施、しかも審議会自身がその審議をへて答申をまとめた点が特徴だ。その意味で重みのある答申。
そこで三点質問する。
1)パブリックコメント(本年3月17日〜4月28日)の意見総数は。
2)市民意見が答申案にどのように反映されたのか、「修正採用」「記載済み」「趣旨反映」の件数は。
3)本会議質疑でも「今回提案された条例案は答申案と比較して大きく後退しているのではないか」との懸念が出された。この点について、改めて答申条例案文と行政提案条例案文との整合性は。
市民協働部の答弁
1)意見総数288件。期限を超えた等で向こうを含めると300件を超えた。重複を除いた件数としては106件。
2)106件中、「修正採用」10件、「記載済み」14件、「趣旨は生かされている」14件で計38件。
3)大きく5点。@国際条約、法律に照らして内容の正確性、A基本理念を掲げる他条例と の表現上のバランス、Bわかりやすい表現に努め、平易な文章にした、C第3条の理念の中で重要なものについて第4条で具体的に触れた、D出来るだけシンプルに不可欠なものでないものについては削除した。
3.条例案は答申案から後退してはいないか
岡本茂の質問
答申案文からの変更について「出来るだけシンプルに」「不可欠でないものについては削除した」とのことだが、4点お聞かせいただきたい。
1)答申案文(前文)「男女共同参画社会実現を市の最重要課題のひとつと位置づけ、関連する取り組みを総合的かつ計画的に推進していくために制定する」とある。
この「最重要課題の一つとして位置づけ」は、パブリックコメントに基づき審議会答申案に新たに補強された(修正採用)内容だが、行政案文では見当たらない。見解は。
2)第3条(基本理念)の「妊娠・出産に関する女性の自己決定権」「女性の判断尊重」について、カイロ国連人口開発会議や国の「男女共同参画計画」でも、リプロ・プロダクティブ・ヘルスライツ(性と生殖にかんする権利)として明記されている。
市は、「妊娠・出産にかんする女性の判断」をどのように考えておられるのか。見解を。
3)第3条(基本理念)2項で、答申案文では「特に男性の参画を保障する制度、環境の整備を図る」とあるが、行政原案にはない。市の見解は。
4)第6条(市の責務)で、答申原案は「市は総合的・計画的に施策を実施する」と同時に「自ら事業者としての責務を果たす」とあるが、行政案では含まれていないが見解は。
市民協働部の答弁
1)「最重要課題」についてだが、条例をつくるという意思表明そのものが、即ち、重要課題として位置付けていることの表れと理解いただきたい。他の理念条例(3条例)でも特にうたっていない。また、「総合的かつ計画的に推進していく」事は当然のことであり、敢えて省略した。
2)行政案「女性の意思が男性の意思と同等に尊重」はカップル・男女が妊娠・出産に関する同一の権利を有しているとの内容を平易に正確にあらわした表現。
3)「特に男性が」の表現については、世間一般には男性に求められているのが圧倒的だが、女性が皆無でもない。「制度・環境を整備する」との表現にその意図は生かされている。
4)次世代育成支援行動計画においても301人以上の事業者として市も計画をつくる義務があり、責務を回避するつもりはない。事業者として当然の事として削除した。
岡本茂の質問
1)1点目については、条例策定そのものが「最重要課題としての認識」と確認。
2)2点目の「妊娠・出産」については、「平易にわかりやすい表現に」と言う答弁であったが、この点については疑問があり保留する。
3)3点目の「男性の参画制度」だが、男性の育児休業の高槻市の取得はゼロ。この実態が今の社会を反映している。率先垂範すべき市役所でさえこうだ。府は、パパクオーター制度を提唱し、父親の半分が育児休業を取得する制度勧奨を行っている。
課題となっているのは男性の育児休業・介護休業。男性が家事・育児・介護に参画する制度を今後重点課題として取り組むよう強く要望しておく。
4)4点目の「市の財政上の措置」は、「必要な推進体制」に含まれているとのこと。
「自らの責務」については、市も事業者として責任を免れるものでないとのことであったが、「次世代育成支援行動計画」では高槻市は301人以上の一般事業者とは別に特別事業者として位置づけられている。一般事業者と同列ではない。特定事業者として率先垂範の市の役割がある。この点も要望しておく。
4.苦情処理委員の構成・機能・権限は
岡本茂の質問
次に、第18条(苦情申し出)について、審議会答申では「市が実施する男女共同参画施策、 または、その形成に影響を及ぼすと考えられる施策について苦情や意見を市長に申し出る事が出来る」、2項で「市長は市から独立した機関(第三者機関)を設け、当該機関の意見を聴き、迅速、適切に処理」、そして「第三者機関は市長に対し助言または勧告することが出来る」と苦情処理委員会の機能・権限まで書かれている。
しかし、条例案文には苦情処理委員会の機能・権限までは記載されていない。
そこでお尋ねする。
独立性を担保するために苦情処理委員の構成、職務、権限、機能はどのように考えているのか。
市民協働部の答弁
詳細は規則で定める予定だが、構成は(弁護士、学者等特別非常勤職)3名以内。苦情処理件数を見極めながら人数等を考えていきたい。
職務については、苦情申し出により求められる意見に対して市長に具申。当然、必要な調査、申し出者や職員へのヒアリング、関係書類チェックが想定される。
岡本茂の質問
別途、構成・機能・権限について規則で定めるについても、条例提案時に苦情処理委員の構成・機能・権限、手続きを定めた規則を出すべき。
規則についてはいつをめどにまとめられるのか。審議会または議会委員会に協議会に示すべきだと考えるがどうか。
市民協働部の答弁
遅くとも1月末には規則をまとめたい。議会、審議会に示す事については基本的に理解する。しかるべく対応したい。
5.男女共同参画推進への今後の取り組みは
岡本茂の質問
最後に二点。
1).条例制定後の施策反映について、条例第13条に「男女共同参画計画の策定等」とあるが、現行「男女共同参画プラン」は2003年〜1012年の10カ年計画であり、先にプランがあって、後、条例が出来るという関係。
「プラン」との整合性に関わり、中間見直しの時期に条例趣旨をどう反映させていくが課題だが、考え方は。
2)本会議でも「リプロ・プロダクティブ・ヘルスライツ」等の問題が、市民的に十分認識されているかの議論があった。
今回の男女共同参画条例も現段階の男女共同参画社会の水準を示した条例。「さらに先を進んで」という事を望みたいが、残念ながら今日の実態を反映している。
「DV法」にしてみも、かっては「夫婦喧嘩は犬も喰わぬ」と言われ、民事不介入が当たり前のごとく扱われた社会が永く続いたが、今日では「男性の女性に対する家庭内暴力は人権侵害」と規程されるに至った。
人権の水準はどんどん上がっていく。今後、社会の進展の中で逆にこの条例を改正する社会を私達が、議会も行政・市民も含め、つくっていく事が求められる。
理事者含め、今回の制定を男女共同参画社会実現へのスタートラインにしていく決意は。
市民協働部の答弁
1)「プラン」に基づく施策については、審議会およびパブリックコメントでも様々な意見をいただいている。平成19年度末をもって現行「プラン」中間見直しとなるので、18年度中ごろから19年度前半にかけて見直し作業を行いたい。
助役の答弁
2)指摘の点含め、今後、施策展開とあわせ状況変化を見極めながら、真摯に対応していきたい。
学童保育室への障害児入室制限条項を撤廃すべき!
1、学童保育室の待機状況について
岡本茂の質問
1)本年度学童保育室の入室人数は。
2)現在の学童保育室待機児童数とその内障害児の待機人数は。
社会教育部の答弁
1)本年11月末現在で入室児童数は42室計1,933人。
2)待機児童数は46人、内、障害児は6人。
2.障害児入室制限の根拠を問う
岡本茂の質問
1)障害児の待機児童6名に関わって、1保育室定員45名(臨時定員60名)中、一学童保育室あたり障害児入室人数は4名以内と制限していると聞いたが事実か。
2)事実とすれば、何を根拠に制限しているのか。条例か、規則か、要綱なのか。
社会教育部の答弁
障害児受け入れ人数の根拠は「高槻市学童保育における障害児保育実施要綱」に基づいており、1保育室4名の枠を設けている。
3.入室制限を定めた「要綱」は差別要綱ではないか
岡本茂の質問
実施要綱で4名と定めているとの事だがその根拠は。
社会教育部の答弁
学童保育事業は、両親の就労による留守家庭支援、保護者の適切な監護を受けられない低学年児童の健全育成を目的として開始した事業であり、この目的の範囲内でノーマライゼーションの考え方に基づき全室で85名の障害児の積極的受け入れを行っている。
定員については健常児と障害児がともに成長していくためには、それにふさわしい環境、集団の規模に配慮する必要があり、適切な保育環境を維持する観点から定員枠を設けている。
岡本茂の質問
逆に尋ねるが、障害児が入室する事で良好で適切な保育環境に支障をきたすということか。
社会教育部の答弁
健常児とともに成長していくために、それにふさわしい保育環境が必要。それ以外に、物理的なキャパシティの問題もあり、一定枠を設けざるを得ない。
4.入室制限を定めた「要綱」撤廃の意思は
岡本茂の質問
集団生活が困難と障害児の参加を拒否した青少年課所管のアドベンチャーウオークの反省・総括をどうふまえているのか。市教委は、本会議で人権侵害と謝罪したはず。アドベンチャーウオークの反省を踏まえてもなお、この制限条項は必要と考えておられるのか。
.要綱そのものが差別条項ではないのか。
(ここで審議が中断に)
委員長から「差別条項との指摘があるが、検討の意思についての答弁を!」の指摘
社会教委部の答弁
昭和54年の学童保育室条例制定以来、障害児の種別・程度を問わず、現に養護学校からも16名入室いただいている。きわめて先進的な障害児の取り組み?をやってきた。ノーマライゼーションの実現に取り組んできた。
人的、施設的な面での課題として一定の制限を加えざるを得ない。民生部所管の保育所でも…。
(「それでは答弁にならない」の声が出て、またまた休憩に。
社会教育部長、次長、青少年課長の3人が答弁調整のための協議。後、委員会再開)
社会教育部長の答弁
4名枠の問題だが、実態として厳しいものがあるが、人数枠については再度、要綱等を検討し実態に合わせた形で入室を検討していきたい。
5.再度、市教委としての決意を聞く
岡本茂の質問
幼稚園では障害児の入園枠を設けているのか。
市教委管理部の答弁
幼稚園では、特に障害枠は設けていない。
岡本茂の質問
同じ市教委でなぜ対応が異なるのか。今後の検討に向けて教育長の決意を聞きたい。
教育長の答弁
御指摘いただいた点、今後十分に検討していきたい。