アイ・デカールを自作しよう!

「植毛ヘッド」の目、どうする?
 髪型をセットして目を書き込めば自分だけのオリジナルドールが作れる素敵なアイテム「植毛ヘッド」。ノアドロームさんから発売されている物をいくつか買い込んでは来たものの、いざ作ろうとしたときにつまづいたのが「目をどうするか?」です。
 普通なら筆を手に塗料を使って書き込んでいくんでしょうが、絵心の無い私にはちょっと難しそう・・・。
 そのような人のため?にノアドロームさんから「アイ・デカール」(1/6ドール用にデザインされたいくつかの目が印刷されたデカール)が発売されています。が、これでは自分だけのオリジナルっていう感じが、ちょっと薄れてしまいます。
 ならばアイ・デカールを自分で作ってしまおう!というわけです(かなり強引な展開)。


アイ・デカールを自作する
手順
 さて、ではどうやって自作するかですが、パソコンの画像ソフト上で作成した目を、デカールに打ち出して貼ろうと思います。

手順としては
 1 パソコンの画像ソフトで「目」を作成。
 2 クリアデカールにプリンターで印刷。
 3 植毛ヘッドに貼る。
 こんな流れとなります。

 筆を使っての手書きに自信がない私でも、これなら出来そうです。

用意する物
 まずは植毛ヘッドを用意します。今回使用したのは、ノアドロームさんにて購入した、1番のタイプのヘッドです。植毛ヘッド1

 プリンターで印刷することが出来るデカールです。今回使用した物はモデラーズから発売されている「クリアデカール」で、近所の模型専門店にて見つけました。(B5サイズ、2枚入り、定価480円)
 注意しなければいけないのは、印刷するプリンターは「熱転写方式」の物に限られるということです。(メジャーな「インクジェット方式」ではインクがうまく乗らず、印刷できません。)
クリア・デカール

 現在「熱転写方式」のプリンターと言えば、アルプス電気のMDシリーズのことを指すようです。今回印刷に使用したのは、このシリーズの最新機種となる「MD-5000」です。このシリーズの特長の一つとして、特色インクの存在があります。白色、シルバー、ゴールドというそれぞれの特色インクをセットすることでこれらの色が印刷できるのです(機種により使用できない物も有り)。特に白色はアイデカールの製作には欠かせないものです。(以後、印刷についてはこのMD-5000とそのWin95用プリンタドライバーについての説明となります。)MD-5000

いざ!製作
「1 パソコンの画像ソフトで目を作成」
 ここが一番重要で、楽しいところです。パソコンの画像ソフト上で自分の気の済むまで、じっくり編集・調整して、納得のいく目を描く事ができます。
 私はWin95のOSに、標準添付されている画像作成ソフト「ペイント」を使用して作成しました。別にツールは何でもいいので使い慣れた物を使えばいいと思います。
 今回作成したアイデータは適当に作ったものなので完成度も今ひとつ足りないものになってしまいました。しっかりとイメージが固まっているとデータの作成もしやすいと思います。(例えばアニメキャラの○○さんを作ろう!とか)
 データが出来上がったところで(アイ1)これを元に白目の部分のデータ(アイ2)を別に用意しました。
 今回のサンプルではファイル形式をBMPからGIFに変更し、さらに背景を透明色に設定してあります。(印刷時は25%に縮小して印刷しました。)
アイ1
アイ・データ1
アイ2
アイ・データ2

「2 クリアデカールにプリンターで印刷」
 印刷するときはまずこの白目データ(アイ2)を印刷します。印刷するときプリンターのプロパティで、基本設定の「特色印刷」のところをチェックし、ホワイトインクでアンダーコート印刷します。この時用紙の設定のところで、紙送りの「ページ合成」をチェックして、アンダーコート後に用紙が抜けないようにします(用紙が巻き戻って再び印刷できる状態になります)。
 そしてメインデータ(アイ1)をアンダーコートした上に重ねて印刷すればアイ・デカールの完成です。

 (わざわざ白目データを用意しなくてもメインデータをそのまま使ってホワイトインクでアンダーコート処理をしてもいいと思います。ただその方法ではメインデータの印刷時、まつ毛等の細いところがアンダーコートとズレが生じて汚くなることを恐れ今回は別に白目データを用意しました。)
アイ・データ、プリント

「3 植毛ヘッドに貼る」
 デカールを貼る前に髪の毛をセットしておきます(特にお湯パーマをかけるときは当然の事)。
植毛ヘッド2

 いよいよ貼りましょう。輪郭にそって切り出したデカールをピンセットではさんで水に浸します。10秒ほどしたら水から上げてドールヘッドの貼り付け箇所へ近づけ、台紙の上をすべらせながら目的の位置へ乗せます。デカール水に浸した

 とりあえず片目のみ貼ってみた状態。貼ってすぐなら、位置の調整も出来るのであわてず作業します。片目のみ

 そのままでは貼りつけ面の凹凸にうまく馴染まず、デカールの端が浮いてしまったりします(デカール自体、白色インクでアンダーコートした上にさらに重ねて印刷しているので厚くなっています。)。そこで「デカール軟化剤」を使ってデカールを軟らかくしてやります。(破れやすくなるので注意!)
 それでも乾いたときに端が浮いていたりすることがあります。そんなときは「木工用ボンド」を水で薄めたものでデカールの糊(のり)の接着力を補います。
軟化剤軟化剤を塗る


完成して
 デカールが乾けば完成です。今回は髪の毛と眉毛の色が違っていたり、髪の毛のカット&セットも適当で、かなりいいかげんな製作となってしまいました。次回はもっとしっかりとイメージを固めたうえで進めたいと思います。

 このようにアイ・デカールを自作しようと思ったきっかけは、はじめに言ったとおり目を書く自信がなかったからです。実際はパソコンの画像ソフト上でデザインするにしても絵心は必要でして、絵を描くこと自体が下手な私はここでつまづいてしまいました。(もっともビデオ等から直接画像を取り込んで編集するっていう手もありますが。)
 結構手間がかかりるだけでなくプリンターの種類も限られるため、今回のレポートのような方法によりアイ・デカールを自作するメリットは差し引き少ないかもしれません。それでも一つの方法として紹介させていただきました。とにかく自分だけのオリジナルドールが完成したときはうれしいものです。

 この製作レポートについて「ここは、こうやった方がいい」とか、アイ・デカール自作について「もっといい方法がある」など、ご意見・ご感想があればぜひ掲示板へお願いします。
完成!


1999年2月11日 不具合修正(Netscape対応)
1999年1月5日 デカールの貼り方の説明文修正
1998年12月31日 公開

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