耳鳴り点数が30−50以上の重症例が対象とされます
TRT療法
耳鳴りとは

耳鳴りは簡単に言えばなにかしらの障害が耳にあるために音が聞こえることをいいますが、たとえば耳垢があれば”がさがさ”という音がする、 これも耳鳴りです。
反対に脳血管障害で”トントン”などという拍動性耳鳴が聞こえる場合もあります。
しかし多くの場合には内耳または後迷路と呼ばれる場所に何かしらの原因がある場合が多いと思われます。このような場合には純音聴力検査で感音難聴が認められます。

特殊な場合には難聴がない耳鳴り(無難聴性耳鳴)の場合もありますが、純音聴力検査では現れないような障害が内耳または後迷路に存在しているだろうと考えています。

また”きんきんする” と訴える患者さんもいます。これはリクルートメント現象といい内耳性難聴の特徴の1つと考えています。

TRT療法は内耳性または後迷路性難聴が原因で耳鳴りがしている場合、無難聴性耳鳴りの場合またリクルートメント現象のため耳が響く 場合に有効とされる治療法です。

多くの耳鳴患者さんは”夜耳鳴りがひどい 昼間は耳鳴りがしない 気にならない” といいます。これは下の図に示すように耳鳴りより大きな雑音(昼間は周囲にいろんな音がしている)が耳鳴りをマスクしているためです。この現象を応用しマスカーという機械もありました。わたしも1−2人の方に使ってみました。

最近 耳鳴をマスクするような大きな音でなく、耳鳴りも聞こえるような少し小さめの音(雑音)を聞くことで、耳鳴り自体を消すのでなく、慣れさせよう 耳鳴りが気にならないようにしよう という治療法が試みられてきたようです。これをTRTといいます。

私の診療所ではピンクノイズを録音したCDを患者さんに渡して聞いてもらっています 若い患者さんでMP3オーデイオの操作ができる方にはこれでピンクノイズを聞いてもらう方法もあります