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1.はじめに 一般に都市化された地域は、降雨時の保水性が悪く、地表構造物及び路面に よって不透水化され、遊水池を有していない。このため洪水時における雨水貯留 能力が著しく減少し、過去と同一の降雨量に対しても、その流出時間が過去の場 合と比較して短くなっており、洪水ピ−ク流量が増大し、逆に渇水量が減少する 傾向にある。これは豪雨時における都市浸水災害の増大を引き起こす原因となる。 都市開発等においては、下流河川の整備が行われていない場合には、下流河川の比流量に対応する放流量が規定される。河川改修が行われた河川であって も経済的理由により、10年確率程度の改修が多いため、下流河川の流下能力に 見合う放流量を開発等の条件として義務づけており、この放流量を許容放流量という。 許容放流量を越える水量だけを一時的に貯留して、常に許容放流量以下の水量を流下させ洪水調節を行う都市型洪水調節(整)池の構造と原理について説明 する。この都市型洪水調節池は平成7年特許公報に掲載された。 ※ また、従来の孔開きダム方式の調節池と当該都市型洪水調節池とを比較し経 済効果及び実施例について述べるものとする。 2.都市型洪水調節池の構造と概要 河川または流路の途中に調節桝(調節漕)と、これに隣接する遊水池(貯留槽)を 設ける。調節桝には従来からの方法で洪水調節を行う吐出孔(オリフィス)を設置 する。 この調節桝には、調節桝と遊水池を仕切る隔壁の上部に越流堰を設け隔壁の下部にフラップ板(フラップゲ−ト)付き通水口を設置する。フラップ板は、 上端縁を軸とした招き扉である。 |
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3.原理と作用 |

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(1) A断面(流入量<許容放流量) 調節桝に流入する河川流量の増加過程で、その水位が越流堰より低いとき、 すべての流水はオリフィスを通じて下流へ放流され、フラップ板は調節桝側から の水圧により隔壁側へ押しつけられ、通水口は閉鎖している。 (2) B断面(流入量>許容放流量) 河川流量の増加過程で流入量が許容放流量に近づいたとき、その水位が越流堰を越え許容放流量を越えた流量が遊水池へ流入し始める。この間も調節桝の 水位は遊水池の水位より高いので、フラップ板は閉鎖している。 (3) C断面(流入量=計画最大流量) 流入量が洪水調節計画流量のピ−クを迎えたとき、下流への放流量を許容放 流量と等しくなるように設定する。こうして常にオリフィスを通じて許容放流量を下流へ放流させる。このときのフラップ板は平衡状態にある。 (4) D断面(流入量<許容放流量) 河川流量の減衰過程で、その水位が越流堰より低くなったとき、遊水池の水位 は調節桝より高くなるため、フラップ板は遊水池側から水圧を受け調節桝側へ開 くことにより隔壁の通水口を通じ遊水池の水は調節桝へ排出される。 このようにして当該施設の上流側において許容放流量を越える流出に対し一時的に遊水池に貯留され、下流側河川には常に許容放流量以下の水量を放流 する。その結果、下流側河川沿いの浸水災害が防止される。 |