2006/07/15(土)


 7/15~16は泊まりで銚子に行ってきました。
 きれいになって帰ってきて、成田山のお守りも装備したうちの子=istでお出かけです。ずっと下を行ったので、町々で軽い渋滞もあったりして、大体片道3時間半くらいかかりました。今回で走行距離7,000kmを突破。

 まずは銚子の先っぽ、犬吠埼を一望できる地球の丸く見える丘展望台へ。
 愛宕山の上に立つこの展望台からは、陸側となる後ろ以外は全部海、ぐるりと水平線が見えるそうです。でも、この日はあいにく曇りで、全体的に靄がかかったような見通しの悪い状況。屏風ヶ浦はかろうじて見えましたが、地球が丸くは見えなかったですねえ。でも、周りが全部海というのは普段あまり体験できない視界で、とても気持ちよかったです。

 ここでまずはチェックインして荷物を置きに。
 ぎょうけい館という旅館に泊まったのですが、海のすぐそばに建っているのです。というか、宿の庭の横はもう磯なので徒歩0分です。素晴らしい。宿の前から磯の岩を歩きながら、犬吠崎灯台まで散歩しました。

 灯台までもなかなかおもしろい景色に出会えます。
 このあたりは海から岩が突き出していて、波が打ち付けているわけですが、有名な東映映画のオープニング画面はこのあたりで撮影されたそうです。どの岩かはっきり明かされてないし、何度か代替わりしているので、そのものズバリかは分かりませんがなんとなくソレっぽいのを見つけて大コーフン。
 あのオープニングと同じように波頭が白くなっているのを見ると、なんかすごく嬉しくなってしまいます。

屏風ヶ浦がかすかに見えました

「東映まんがまつり」好きでした

 犬吠埼灯台は崖の上だし、波打ち際は岩が薄い層状になっていて、非常にゴツゴツとした印象。九十九里浜に比べてすごく荒々しい感じだなー。こういう場所だとは知らなかったのでビックリです。
 あちこちで波が岩にぶつかってしぶきを上げてて、すごくカッコイイ。ずっと見てても飽きないくらいでした。波を眺めたり、岩間の小動物を観察している人で賑わってました。

 それから階段を上って崖の上に行き、犬吠埼灯台へ。見学時間を過ぎてしまっていて中は見られませんでしたが、間近で灯台を見られることはないので、楽しかった。
 灯台の足元の崖はけっこう草が生えていて、時折岩が顔を出す感じ。ポツンポツンと百合が咲いてたりして、独特な景観を作っています。屏風ヶ浦は「東洋のドーバー」と呼ばれていますが、このへんもなんかけっこうイギリスっぽくね?イギリス行ったことないけど。昔本で見たコーンウォールあたりの写真がこんな印象だったかもーと。
 ちょうど霧が濃くなってきて、灯台からは霧笛が鳴っていました。近くで聞くとものすごくウルセー!近くのフェンスとかが共鳴してビリビリなっていました。
 ググってみてびっくりしたんですが、最近は霧笛を鳴らす灯台は少ないそうで。今となっては貴重な霧笛を、ちょうどよく、しかもあんな間近で聞けたのはラッキーでした。

なかなかの景勝です

霧の中の犬吠埼灯台

 けっこうのんびりと犬吠崎を楽しんだので、今日はもう宿へ。
 宿泊したぎょうけい館は創業が明治だとかで、多くの文人も訪れたそうです。建物はさほど新しくはないようですが、清潔感があって良い雰囲気。海のすぐそばに建っているので、全室オーシャンビューです。窓を開けると波の音が聞こえ、窓からは犬吠埼灯台の灯りが見えました。ここに泊まれて良かったー。

 もちろんお風呂もオーシャンビュー。
 露天風呂は狭いものの、海が良く見えます。っつーか、磯を歩いている人から丸見えなんですが!(笑) 下手したら部屋からも見えるぞこりゃ。まあ、あまり気にせず存分に海風と波音を楽しみながら、温泉に浸かってきました。
 特に夜の露天風呂が最高。真っ暗な景色の中、見えるのは灯台の灯り。聞こえるのは霧笛と波の音。まさに別世界でした。

磯から見たぎょうけい館の本館

昔使われていた宿の生簀も見えます

 さてお楽しみの夕食。海のそばなので、当然海の幸たっぷりのごちそうです。
 嬉しいのは、温泉宿でよくあるような食べきれないほどの量ではなく、量は比較的抑え目に、それより質で勝負、という料理を出してくれること。とはいえそれでも十分多いんですが。おなかを空かせて臨んだので、どれも美味しくいただけて、食べ終わった後も苦しくなることなく楽しめました。
 特に良かったのは、きんめだいの三種変わり揚げ。頭、骨まで食べられるほどパリッと揚げられていて、抹茶塩との相性も最高です。

 それから、このあたりの郷土料理のなめろうを別に注文していただきました。
 今回いただいたのはアジのなめろう。アジにネギ、味噌などを加えてたたきにしたものです。元々アジのたたきは大好きですが、これはムチャクチャ美味えぇっ!何もつけないでそのままでもイけます。わさび醤油をちょっとたらしてももちろんグー。こりゃご飯何杯でもいけますよ!つか、日本酒飲めないワタシでも、これは酒に合いそうだと思いました。
 これを焼いたものもいただきましたが、高級ツミレみたいな感じでこれまた美味い。
 いやー、千葉に住んでいながら、こういう郷土料理があるもとは知りませんでした。

 房総さいこーぅ!

つみれ汁、デザートもついてます

なめろう

2006/07/16(日)


 銚子旅行二日目。
 まずは宿の朝ごはん。さすが海沿い、朝から素晴らしい海の幸を堪能できました!秋刀魚の開きがもう絶品。ふわっとした身で、脂も乗ってて実にジューシー。ほんとに開きか?塩焼きなんじゃないか?と言うくらい美味しかったです。
 今回はお土産に買えなかったけど、やっぱ海沿いの町で味わえる魚は美味いなあ!

 さて最初に行ったのは犬吠埼マリンパーク。犬吠埼灯台のすぐそばに建つ水族館です。
 それほど大きいわけではないし、展示が整理されてない部分もありますが、珍しい魚も多くて楽しいです。特に最近は「おいでよ どうぶつの森」で釣りまくってる魚の実物が見られたので大コーフン。ピラルクとかガーとか日本にいない魚も釣れてしまうので、水槽を見ながら「おー、こいつ釣った釣った!」とか「あー、こいつまだ釣れてないんだよなー」とか大はしゃぎです。知らない人が聞いたら、どんな釣り名人だよ、って感じですね。
 でもスズキとかアジとかさほど珍しくない魚でも、「どうぶつの森」のおかげで非常に楽しんで見ることが出来ました。「こいつ売っても安いんだよなー!」みたいな感じで。

コイツら売ると良い金になるんだ

スズキ。またお前かー?

 屋外展示スペースには、フンボルトペンギン、イルカ、ゴマフアザラシがいます。
 フンボルトペンギン可愛かったー!暑さにもそこそこ強いらしく、元気にヨタヨタと歩いている姿がとってもキュートでした。大人になるときに毛が生え変わる種らしく、生え変わり途中で汚いと言うかボサボサっとした感じになってるのが余計に可愛い。
 それほど水の中に入ることなく、ずっとヨタヨタ動き回ってるので、どんだけ見てても飽きないです。「どうぶつの森」のうちの村にもペンギンなお気に入り村人がいるので、かなり親近感をが沸きました。

 村人との交流や釣果を楽しんだ後はもう一つのお楽しみ。イルカッ!ショーッ!
 イルカショーは多分初体験なのですが、期待していた以上に楽しめました。ひねりを加えたりしながら高くジャンプしたりするたび、思わず歓声が上がってしまいます。ワタシたちは後ろのほうの席で見たんですが、最前列はすごいですなあ!イルカが着水するたびかなり水が跳ねてきてました。事前に渡された水避けシートでガードしてるとあんまりショーが見えなさそうだけど、それはそれで楽しそう。ちゃんと着替えと覚悟があるときは最前列鑑賞に挑戦したいと思います。
 イルカくんたちは、他にもボールをヘディングしたり、輪を鼻で受け取ったり。こういうのはよくやられてるけど(それでも思わず声が出た)、両手というかヒレで箱を掴んだまま立ち泳ぎ状態で運ぶのには驚きました。ほんとにいろんなことができるんだなあ!
 水に転げ落ちたりするおバカなペンギンも可愛いいけど、こういう利口な子もすごく可愛い!ショー終了後にお客様に挨拶、ということでヒレや尻尾をパタパタさせてバイバイしてる様も無茶苦茶キュートでした。

毛がもしゃもしゃです

見事なジャンプ。スピン付き

 泳ぐ魚たちを愛でた後は、食べる魚!ということで、お次は水産物即売センター・ウォッセ21へ。隣接するポートタワーからはぐるりと銚子を見渡せます。
 ウォッセ21内はさすがに美味しそうな魚が並んでいます。しかもどれもお安い模様。量が多いのと、すぐには持って帰れないので今回は断念。今回はウォッセ21内のお店でお昼をいただいて楽しむことにしました。
 2階のレストランはテレビで紹介されたことがあるからか、なかなかの行列。なので、1階の狭めのお店に入りました。ワタシは海鮮丼をチョイス。\2,000弱と少々お高めですが、ボリュームたっぷり。美味しいお刺身がドカドカ乗ってて絶品でした。

 二日目のメインはイルカウォッチングなのですが、それまで時間があります。そんじゃ銚子マリーナで金持ちたちのヨットでも見物するかーと思って行ってみたら、ちょうどきんめだいまつりというのが行われてました。
 ちょうどこういうお祭りが行われるというのは知ってたけど、銚子マリーナでやってるとは思わなかったので驚いた。出店が並ぶ中、中央に舞台が設けられ、吉幾三さんのものまねタレントのステージが行われてました。そんな感じで完全に地元の人が楽しむためのお祭りというノリ。
 きんめいだいの名を冠しているけど、端の方のテント内にきんめだいの水槽があるくらいでした。どっかできんめだい食べられるかと思ったんだけどなー。残念。

ボリュームたっぷりの海鮮丼

きんめだいまつり

 きんめだいまつりを一通り見て、お金持ちさん達のヨットを眺めながら、その先の海水浴場へ。気温も高くてすっかり夏の雰囲気で、海水浴を楽しむ人で賑わってました。
 その海水浴場の向こうには、「東洋のドーヴァー」とも称される屏風ヶ浦が見えます。屏風ヶ浦は切り立った崖なので、上から見てもなんだか分かりません。とはいえ下からも簡単に見れるわけでもなさそうだったので、ここから見られたのは良かった。
 海越しだし距離も少々遠かったけど、独特な景観で素晴らしい。上に風力発電の風車が見えてるのも、なんだか異国感覚すら感じられて良かったです。

 お次は銚子マリーナから車で少し行ったところにある犬岩へ。
 義経が東北に逃げる最中、やむなく愛犬を置き去りにした…というエピソードがあるんだとか。案内表示もなくて、ちょっと路地に入った先の駐車場の裏、という感じのところにあり、分かりにくかったです。適当にアタリを付けて行ってみたら、突堤の横にいきなりドドンとあったので驚いた。
 かなり大きいですが、角度によってはちゃんと犬の形に見えます。いかにも日本の犬って感じの姿で可愛いなあ。荒波に洗われながらたたずむ姿は、確かに主人を想う忠犬という雰囲気を醸し出していますねえ。

東洋のドーヴァー・屏風ヶ浦

ちゃんと犬の形しててカワイイ

 予め予約していたイルカウォッチングの受付開始まで少し時間があったので、銚子電鉄の外川駅まで散歩。海から外川駅まではけっこうな坂道です。しかも道が狭い。でも、いかにも漁師町という感じの家や船宿があったりして、なかなか風情がありました。
 そうして着いた外川駅は、良ーい雰囲気のローカル線の駅。待合室で座っていると、ただ駅長さんとお喋りに来ただけの地元のお祖母さんがいたりして、なんとも素敵な別世界感。
 やってきた銚子電鉄も臙脂の車体がキュートで雰囲気にピッタリ。車体は古いし、時間もかかるんだろうけど、実に愛らしくて良いですね。今回は時間の関係で乗ることは出来なかったけど、今度来たらぜひ乗ってみたいなあ。
 お土産に外川駅の入場券を買いました。硬券で、裏には昔の銚子電鉄の車体が描かれています。

 そうこうするうち時間になったので、イルカウォッチングの受付を済ませ、再び銚子マリーナへ。ここに、今回乗る船=フリッパー号が停泊しています。
 今の季節は近海でのウォッチング。観察するのは小形のイルカ、スナメリです。
 港を出ると、乗客もデッキに出てスナメリの探索。分け前を狙って群がる鳥たちを目安に、スナメリの群れを探します。スナメリはバンドウイルカのように高くジャンプしたり船と併走したりすることがないため見つけにくいようですが、それでもけっこうたくさん見ることができました!
 船の人の放送による案内に従ってそっちの方向を見てると、呼吸をするために時折スナメリくんたちがひょこっと頭を覗かせます。まず頭の上が見え、それから頭を水の中に戻すと背中が見え、海中に戻っていく…という感じ。距離的には遠いけど、グレーの色とか、表面のつやのある感じがよく分かります。
 水族館で見たことはあっても、自然の海で生活している姿を見るのは初めてなので、すごく感動してしまいました。そしてなにより、自然の海を肌で感じられたのは嬉しかった。潮の変わり目ってほんとにあるんだー、潮が変わると水面の質感まで変わるんだーと、船からの体験は驚きの連続です。スナメリたちと共生するかのように、餌を求めて海面スレスレを自由に飛び回っている鳥たちの姿を見られたのも嬉しかったです。

銚子電鉄。可愛いですね

フリッパー号

 生きた海をたっぷりと全身で感じ、おなかいっぱい状態で戻ってきました。そしてそろそろ銚子ともお別れです。
 来る途中でチラッとだけ見た風力発電の風車を、最後に観に行きました。観光施設なワケでなく、ほんとに発電するためのものなので、案内も特にありません。車上から見える姿を頼りに適当にそっちのほうに向かい、小道を入り込んで、ようやく間近に見ることができました。
 ちょうど霧が濃くなって、けっこう近くにあるはずなのにあまりよく見えない状態になってしまいました。でも、霧の中にかすかに浮かび上がる羽がぐぉんぐぉんと音を上げて回っている様は、神秘的にすら見えてかえって良かったです。
 風車といえば『マクロスプラス』で印象的に使われていたのが思い出されます(ワタシは)。作中に出てきたものとは大きさも数も違いますが、頭の中でテーマ曲の「VOICES」を流しながら、情緒ある風景をたっぷり楽しんできました。

 そんなわけで、天気に完全には恵まれたとは言えない銚子旅行でしたが、濃密に楽しめた二日間でした。帰りもずっと下を通ったんですが、疲れもあって眠くなったので途中休憩もして、帰宅は夜中になりました。

 さて今回のお土産ー。
 まずはぬれ煎餅です。銚子にはヒゲタなどの古くからの醤油屋さんがあるからか、ぬれ煎餅が名物な模様です。
 ワタシは元々ぬれ煎餅が好きでよく食べてるんですが、こんなに美味いのを食べたのは初めてだ!適度な堅さが残っており、カリカリに焼いた美味しいお餅のような感じです。よく醤油が染み込んでいて風味が絶品。醤油の美味しさがものすごく感じられます。これはクセになる。地元にあるデパートとか、ちょっと高めの食材を扱ってるスーパーにも置いてあるようなので、また食べたいな。

頭の中で「VOICES」が流れてました

醤油の香りが絶品です

 それからポートタワーで購入した、干物ストラップと耳かき。銚子の他の観光スポットでも売られてているようです。魚所の銚子っぽいしということで。
 デキが良いです。美味そうだなあ。

 続いては、こちらも他の場所でも売られているものですが、犬吠埼マリンパークで購入したまめもっこりボールペン。実際にそういう造形になっているインパクトに負けて手を出してしまいました。なんとも言えない目付きが最高です。
 調べてみてビックリしたんですが、他の観光地にも同様のキャラがあるシリーズものなんだとか。元祖は「まりもっこり」だそうです。

乾物たち。良くできてます

まめもっこり。もっこりて

 というわけで一泊二日の銚子行でしたが、非常に密度の濃い、充実した旅でした。
 おかげで行ってから書き上げるまでに一月近くかかっちゃったし、写真も多過ぎるほどになっちゃった。

 同じ県内なのに今まで行ったことがなかったのがもったいなく思うほど、楽しい観光地でした。魚も美味しいし、温泉にも浸かれて、すっかり別世界にトリップ。最近のストレスもリフレッシュできました。


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