巨匠(231216)

紀伊國屋サザンシアター
劇団民藝公演

1944年、いろんな人が、隠れて避難している旧小学校に、ゲシュタポの将校がやってくる。
鉄道破壊の報復として5人のうちの知識人4人を殺害するといい身分証明書の提示を求める。
老人は、身分証明書には直前の2年間の簿記係と証明がされていたために除外されたが、老人本人は俳優であることを主張する。
それを判断するため、求められて、「リア王」の一場面を演じる。その結果、指揮者に俳優であることを認められ、一人の殺害される
予定の候補者と入れ変わり、銃殺される。
舞台で実際に演じることを希望しつつ機会がないまま、練習は欠かさなかった。
演じる機会を得たことはその通りだが、知識人と認められることが、死につながることを理解していたのだろうか?
自分なら?と考えて思考が止まってしまう。

20数年たった後のとある劇場の控室で演出家と俳優の議論が交わされる。俳優は事件の現場にいて、老人の演技を目撃している。
演じて見せて、演出家は満足するが、俳優は「おきまりの、常識的な、伝統的なもの」と言い、その後で、前期の場面に移る。
演出家は好きなように演じるよう言い残していくが、どのように演じたかは明示されない。
短い時間でしたが、緊張感が続いて、ピリッとした感じが強かったです。

12/17まで

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