あっという間に干上がるんじゃないかと思うほど、吸い尽くされるうぅ・・・
精以上に、人間としての生命力を吸われているような気がして恐ろしい・・・
あまりに人知を超えた快感なため、頭の中でバチバチと、神経や細胞が焼き切れる音がするようだ・・・
追いつかなくて頬が膨らんでいる・・・あああ・・・腰がガクガク震えて、それが全身まで廻ってくるぅ・・・
びゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅびゅーーーーーーーーー・・・・・・・・・・ちゅぽんっ♪
「あひ・・・ひ・・・ひやぁ・・・・・あぅ・・・ぅ・・ぅ・・・」
「では女王様に会って・・・まあ、放心なさってるみたいですわね、では後にいたしましょう」
部屋がぐるぐる回っている・・・いや、これは俺の目が回ってるんだろう、
問答無用で吸い取られた・・・これは消毒なんかじゃなく、実は食事なんじゃ・・・?
俺の、人間の口に合いそう・・・スライム焼きとか持ってこなきゃいいけど・・・
それが原因でナデンと戦争だなんて嫌だぞ?あいつの弓は命中率高いからなぁ・・・
「ナデンもこんな、もてなしみたいな事受けてるのかなあ・・・相手はスライムだから無理か」
物欲しそうに指を咥えてこっちを、いや、俺の股間を見てる・・・はっ!
だらりとペニスを出したまま・・・慌ててしまおうにも指先の痺れが抜けず、6回くらい引っ張ってようやくパンツを履いた。
「ミルネは食事を済ませたみたいだけど?私もおすそわけが欲しいわね」
「もう閉じたわ、あとはこうして外周の警備、特にあなたの部屋を重点的にね」
どっちが正しいんだか・・・両方正しいような気がするな、少しずつ逃げたくなってきた。
「秘密・・・アナタはこの国の、私達の最後の希望なんだから、ゆっくりしていってね」
「はい、弱く枯れた土地ですが、水の湧き出るあたりにはこのような根が・・・」
「んー・・・ゴボウかレンコンみたい・・・これはこれで美味しい、かな」
「良かったですわ、竜人族がこれをとても気に入って食べてらしたもので」
「支援物資と一緒に人間のお口に、本当に合うものが届くと思いますので、もう半日お待ちを・・・」
「うん、でも探せば他にもありそうだね、俺も時間があったら自分で探すよ」
水があるっていう事は魚がいてもおかしくは無いんだし・・・と、水を飲み干す。
「では領主様、現在のこの国の状況をご説明させていただきます」
「お願いするよ、それで、ざっと何人くらい生き残っているの?」
「873名です、内195名は怪我や病気、飢餓などでバハーミン国にて保護されています」
「ここからグルールとは別の方向・・・魔族の国で二番目に大きな国ですわ」
「とんでもない!我が国は大戦前、10万人以上の仲間が・・・いえ、それはどこの国も同じでしたわね」
「ああ、魔族に滅ぼされた国もいっぱいあるから・・・今更それを言い合っても仕方が無いから、続けて」
「続いてこの国の自治についてですが、先ほど申した保護されている病人以外は、全てこの街へ集まっていただいています」
「サバトゥスです、サキュバスの国には8つの大きな街があり、その内の1つがここですわ」
「大戦前まではそれぞれの街に領主が、そしてこのサバトゥスには領主とそれらを束ねる女王様がいらっしゃいましたが・・・」
「とんでもない!領主8人中7人、さらに当時の、前女王ヴァファーム様は大戦で破れ、もう・・・」
「生き残っているというよりは・・・ちなみに現女王であるサマームス様が唯一残った領主で、私はその親衛隊長でしたわ」
そして、ふわっ、と持ち上げた!いや、浮き上がった!飛んだのか。
「う、うん、俺もちゃんと挨拶しなきゃ・・・でも、酷い怪我か病気でも?」
「移動しながらお話しましょう、実はサマームス様が残ってらっしゃるのは、大戦に唯一、反対したからですわ」
捕まった獲物みたいな気もしないでもない・・・あれ?今度は地下へ行くようだ。
「かなり深くまで降りるので暴れないでくださいね、普通に死にますよ」
「わ!底が見えない闇の地下・・・地下っていうより、谷?奈落?」
「この城を支える魔力の源ですわ、かつてはそれぞれの領地に、同じように城の地下へ設置されていたのですが・・・」
「人が、いや、サキュバスが少なくなったから、ここに集めたとか?」
「いいえ、大戦の物資徴集で全て無くなってしまいました、魔の大砲を撃つために・・・」
魔法をまさに大砲のように集めて撃つっていう、あれか・・・竜人族の城や、
海に浮かぶ島を一撃で消し飛ばした、とんでもない・・・その大砲に設置されていた、
巨大なブラッドレッドクリスタルを砕けば倒せたんだっけ、ただし、その時の爆発力も多大で、
鳥人族の誰か・・・グリーブだ、彼が自分の命と引き換えに最後の魔法大砲を破壊したんだ、そうか、あれの出所は、この国か。
「私達サキュバスは多大な魔力を持っていますが、それは各地にあるサキュバスクリスタルのお陰・・・」
「あ、そっちではサキュバスクリスタルっていうんだ、じゃあそれが無くなったっていうことは」
「魔力の供給元が無くなる訳ですから、絶えず餌を貪るか、新たにサキュバスクリスタルを造るしかありませんわ」
「どうやって造るんでしょうか?造るっていう事は、掘って出てくるものじゃないって事ですよね」
「それを今からお見せいたしますわ・・・そろそろです・・・あちらですわ」
「ではご覧くださいませ、我がサキュバス国女王、サマームス様でございます」