ついには尽きようとしている・・・雨水ははっきり言って期待できない、
今は外に出ている月に向かって無事、救出される事を祈るのみだ。
ボートの中で寝るしかないか・・・だけど眠れない、水が底を尽きた恐怖、
聞きなれた波音は子守り歌にはならない、波の揺れはゆりかごにはならない、
死への恐怖だけが、刻一刻と近づいているよう・・かといって他にできる事はない、
ガタガタと震えるしか・・・ん?何か聞こえる?波音以外の何かが・・・
これは、歌?耳を澄ます、波音に紛れて聞こえてくるのは・・歌声?
ま、まさか・・ボートの中にラジオかカセットが?それが何かの拍子で・・
いや、外からだ!救命ボートから外へ顔を出す、真っ暗闇を見回すと・・・
綺麗な声だ、うっとりするような・・・それよりちゃんとあそこにつかなくては意味がない!
海で遭難して何十回・何百回も船や飛行機を見ながら気づかれなかったという話を聞いている、
必死になってオールをこぐ!ボートは明かりに吸い寄せられるように真っ直ぐ進む!
まるで引っ張られるかのように・・うう!股間がズキズキ勃起してる!そんなに興奮してる!助かるから・・
聞こえてくる美声に興奮する俺、綺麗なソプラノ・・・明かりがどんどんどんどん近づいて・・・
裸の女性が何十人も船に乗って歌を・・・青白い美しい女性たちだ、
全身が濡れ光った・・・この人離れした、いや、人を超えた美しさは・・・
珊瑚礁などに難破させ、乗っている男の精を吸い尽くすという・・
手招きしてる・・足招きしてるのまで・・・綺麗な長い手足だ・・
しかし、船はずるずるとセイレーン達の方へ、さらに速度をあげて!
歌声が脳を犯してくるみたいだあ・・どんどんどんどん難破船の方へ引き寄せられ・・・
船横に大きな穴が開いている!そこに救命ボートごと吸い込まれる・・
ああ、綺麗な歌声が俺を、俺をさらに勃起させるう!たまらない、甘い甘い歌声・・・
船の中も青白く光っていて・・・救命ボートが船内の傾いている床についた・・・
割れ目をすでに指で擦っている奴、白い乳首をピーンと人間以上に立たせている奴、
上下の口から涎を垂れ流している奴・・さらに奥から何人も次々と・・
危険だ!この魔物が危ないのが本能的にわかる!だが脳と体が歌声に支配されて・・・
とっ、とろけて・・・あああああ、セイレーンの青白い手が伸びてくるう、
俺の体に・・駄目だ!逃げなきゃ!でも、逃げられない、彼女たちの手が、俺にいいい!!!