☆セイレーン魔の歌声☆

 

「これが、最後の水、か?」

 

船が沈んでもう1ヶ月、

他の救命ボートに乗ったみんなはもう助かったのだろうか?

だったら飛行機や船の1つや2つは見えていいものなのだが、

よりによって俺1人だけがこのボートに乗るなんて・・・・・。

食料はまだ山ほどあるが、肝心の水がどういう訳が少なく、

ついには尽きようとしている・・・雨水ははっきり言って期待できない、

雨が降れば波が立って海水と混ざってしまうから・・・

今は外に出ている月に向かって無事、救出される事を祈るのみだ。

 

「月よ、私を守ってくれ・・・」

 

と思ったら雲で月が隠れた、星たちも・・・また闇が俺を覆う、

ボートの中で寝るしかないか・・・だけど眠れない、水が底を尽きた恐怖、

聞きなれた波音は子守り歌にはならない、波の揺れはゆりかごにはならない、

死への恐怖だけが、刻一刻と近づいているよう・・かといって他にできる事はない、

ガタガタと震えるしか・・・ん?何か聞こえる?波音以外の何かが・・・

これは、歌?耳を澄ます、波音に紛れて聞こえてくるのは・・歌声?

ま、まさか・・ボートの中にラジオかカセットが?それが何かの拍子で・・

いや、外からだ!救命ボートから外へ顔を出す、真っ暗闇を見回すと・・・

 

「明かりだ!」

 

助かった!弱々しい明かりが見える!

そこから声が・・・歌声が聞こえる!?た、助かった!

 

「おーーーーーい!」

 

ありったけの声をあげ、オールを出してこぐ!

明かりに近づいていく・・歌声がだんだん大きくなってくる!

綺麗な声だ、うっとりするような・・・それよりちゃんとあそこにつかなくては意味がない!

海で遭難して何十回・何百回も船や飛行機を見ながら気づかれなかったという話を聞いている、

必死になってオールをこぐ!ボートは明かりに吸い寄せられるように真っ直ぐ進む!

まるで引っ張られるかのように・・うう!股間がズキズキ勃起してる!そんなに興奮してる!助かるから・・

聞こえてくる美声に興奮する俺、綺麗なソプラノ・・・明かりがどんどんどんどん近づいて・・・

 

「船だ!!」

 

で、でも、おかしい!?

普通の船の明かりではなく、

なんというか船全体がぼーっと蛍光塗料のように青白く、

しかも近づいてよくわかるが、相当痛んでいる・・・

穴だらけでマストも傾いて、まるで幽霊船のよう、

でも人は結構いるぞ、しかも女性・・は、裸!?

裸の女性が何十人も船に乗って歌を・・・青白い美しい女性たちだ、

全身が濡れ光った・・・この人離れした、いや、人を超えた美しさは・・・

 

「これは、噂で聞いた海の魔物・セイレーン!?」

 

美しい歌声で船を引き寄せ、

珊瑚礁などに難破させ、乗っている男の精を吸い尽くすという・・

手招きしてる・・足招きしてるのまで・・・綺麗な長い手足だ・・

しまった!逃げなくては!オールで今度は逆の方向に漕ぐ!

しかし、船はずるずるとセイレーン達の方へ、さらに速度をあげて!

うう、俺の頭もぼーっとして、オールを持つ手に力が・・・

歌声が脳を犯してくるみたいだあ・・どんどんどんどん難破船の方へ引き寄せられ・・・

船横に大きな穴が開いている!そこに救命ボートごと吸い込まれる・・

ああ、綺麗な歌声が俺を、俺をさらに勃起させるう!たまらない、甘い甘い歌声・・・

船の中も青白く光っていて・・・救命ボートが船内の傾いている床についた・・・

取り付かれたようにそこへ上がる俺を待ち受けていたのは・・・

 

「♪〜♪〜♪〜」

 

ああ、綺麗な歌声のセイレーン達・・

青白い肌、青い濡れた髪、青白く大きな胸、青白い股間・・・

5人・6人と寄ってきた、不気味に微笑みながら・・

真っ白な舌で青い唇を舌なめずりしてるのもいれば、

割れ目をすでに指で擦っている奴、白い乳首をピーンと人間以上に立たせている奴、

上下の口から涎を垂れ流している奴・・さらに奥から何人も次々と・・

危険だ!この魔物が危ないのが本能的にわかる!だが脳と体が歌声に支配されて・・・

とっ、とろけて・・・あああああ、セイレーンの青白い手が伸びてくるう、

俺の体に・・駄目だ!逃げなきゃ!でも、逃げられない、彼女たちの手が、俺にいいい!!!

 

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