「・・・・・誰かいる」

 

帰りは先頭になっていた鈴ちゃんが忍者っぽく僕たちを手で制す、

よく見ると滑り台基地の前に人影が3つ、追い掛け回してきたゾンビ女にしては1人多い。

 

「帰ってきたみたいですねぇ」

 

その声に僕の背筋がゾクゾクッとした!

透き通る、うっとりするような声・・・この声は!

と思い出した瞬間、百合さんが僕の前に立った。

 

「その声は薬袋(みない)さんですわね?ちゃんと約束は守っていただけますか?」

 

後ろから悠ちゃんが僕の耳元でささやく。

 

「・・・決して声は出さないでください」

「は・・・んぐ!」

 

はい、と言おうとした口を塞がれる!

 

「約束は守りますぅ、勇人さまがいらっしゃらない限り撃ちませんからご安心くださぁい」

 

先頭の喋ってきている影は薬袋 乎埜鼓(みない このこ)ちゃん、

なんて可愛くってうっとりするような、胸にキュンキュンくる声なんだ・・・

スタートの体育館で聞いた違和感はこれか、声が心地良すぎてゾクゾクしちゃう。

 

「いったい何の用ですの?情報交換でもしたいのですか?」

「そうですねぇ、丘に4つの人影が見えたので誰か確認しようと思ったのでぇ」

「それはこちらも興味がありますわね、みないさんのお仲間が誰か」

 

一応、百合さんと薬袋さんは協力、というより相互不可侵みたいだな。

それより薬袋さんの声はヤバイ!心地よすぎて腰の力が抜けそうだ、銃はしっかり握っておこう。

 

「あらぁ、ではお互いに仲間を紹介していきましょ」

「いいですわ、でもそれ以上近づかないでくださいませ」

「ではこちらからぁ、天行宮 霞(てんぎょうみや かすみ)さんですぅ」

 

背が高く肩幅のあるシルエットだ。

 

「天行宮です、どうも!学校でうちの劇団のチケットあげたよね?覚えてない?」

「覚えてますわ、結構鍛えてらした方ですわね、みないさん、良いボディガードをお持ちですわね」

「ではぁ、そちらのボディガードを紹介してくださぁい」

「・・・萌葱原 鈴」

「いつも体育でトップだった方ですねぇ、くの一の子孫だとかぁ」

 

お互い仲間を紹介しあってるが、いいのか?僕はどうするんだ!!

任せるしかないか・・・今度は百合さんが尋ねるみたいだ。

 

「天行宮さんと、もうおひと方は、どなたでいらっしゃいますか?」

「なんと!驚かないでくださぁい、あの!今日付けの転校生、禅華 小豆さんですぅ、ぜんかさぁん、どうぞ」

「勇人くんはそっちにいる?いるなら話があるんだけど」

 

禅華さんだ!

僕を助けてくれた禅華さん・・・

あれ?それにしては違和感が・・・口調が少し違う。

暗くて姿がよく見えないから、もうちょっと近づいて・・・

なんとなくうっすらだけど、禅華さんのような気がしないでもなくはない・・・

 

「ではぁ、そちらの残りもお願いしまぁす」

「いいわ、もう1人は佐原悠よ、これでいいわね?」

「もう1人はどなたですかぁ?」

「あら情報交換はイーブンよ、2人教えてもらったから2人教えたわ、もうこれでいいでしょ?」

「そ、それは酷いですぅ!こちらの手の内を全て教えたのにぃ!」

 

ははは、百合さんしっかりしてる、

たのもしいけど、これで引き下がってはくれないだろうなぁ・・・

それより相手に本当に禅華さんがいるならお礼を言いたい、でもまだ口を塞がれたまま・・・

 

「勇人くん?昼間、助けてあげたよね?落し物があるよ」

「!?」

「勇・・・あれ、違うのか、シルエットがセーラー服だもんね」

 

・・・声は確かに禅華さん、でも喋り方がやや違う、ような気がする。

 

「百合さぁん、その女性は誰ですかぁ?」

「秘密ですわ、ただ、わたくしの大事な仲間ですの」

「百合さんの仲間ですかぁ、ではやはり百合さんとはそれなりの仲にぃ?」

「もちろんですわ、さあ、いらして」

「???」

 

百合さんに引っ張られる僕、やっと悠さんの手が外される、

と思ったらおもむろに百合さんが僕の唇に唇を重ねてきたあ!!

いかにもいやらしく唇を押し付けてきて、し、舌まで入ってくるう!!

 

「ふぅん、百合さんがそこまでするということは、やはり女の子なのですねぇ」

 

そ、そういうことか、男嫌いの百合さんがセーラー服のシルエットとキスしてたら、相手は男のはずがない、と!

でも、だからって、こ、こんなキス・・・ようやく離された唇には互いの唾液が糸を引いている、す、すごい舌技だった・・・

 

「これでいいですわね?お互い不干渉の約束ですが全面的に信頼した訳ではありませんわ、お引取り願いますわね」

「わかったぁ、でも最後に1つだけ確認させてぇ・・・」

 

と、何かリュックをごそごそしている薬袋さん、

出したのは・・・香水?いや、口をあけて中に吹きかけてるっぽいから喉の薬か何かかな?

 

「・・・・・んはぁんっ!いやあぁんっ!い、いっちゃううぅぅん!!」

 

その声に耳を貫かれる!

突然張り上げた薬袋さんの喘ぎ声に、瞬時に勃起してしまった僕!!

やばい!とスカートの上から股間を押さえるが、畳み込むかのようにいやらしい声が響いてくる!

 

「勇人さまぁん!!もっと、もっと奥へ、オマ○コに突っ込んでぇ〜!!」

 

生々しい喘ぎ声が鼓膜をくすぐるように振動させ、

充血した股間がたまらなくなる!まずい、こ、これは、

声だけでイッちゃう!耳を塞がないと!でも手を耳にやると股間がぁ!

 

「ふんっ!!」

 

慌てて声のほうへ手裏剣を投げる鈴ちゃん、

それを交わしながらさらに喘ぎ声をエスカレートさせる薬袋さん!!

 

「もっとぉ、もっともっとぉ、トロケちゃうぅ〜〜、出してぇ、中に、オマ○コの中に、白いのいっぱい出してぇ〜〜〜!!」

 

綺麗な声で下品な言葉が響き、僕を異常に興奮させる!

この声がヤバイどころじゃない、本当にイッちゃ・・ううっ、うっ、うっ、う〜〜〜〜〜っっ!!

 

びゅるびゅるびゅるびゅるびゅる〜〜〜〜〜!!

 

「はううううううう〜〜〜っっ!!」

 

スカートの中で大量の射精・・・トランクスがべっとべと・・・

 

「やられてしまいましたわ!」

 

百合さんが慌てて僕を起こそうとするが、

凄まじい射精感で腰が抜けて動けない・・・

 

♪キンコンカンコ〜ン

 

『島内放送ざます、臨時速報ざます、公園で、勇人さん、2回目の射精ざます』

 

ザマス先生のあまり感情の無い合成音声が響き、

僕の豪快な白いおもらしが大々的に宣伝されてしまった・・・!!

 

「やっぱりぃ、学生服の入ったリュックがあったから怪しいと思ったんだぁ」

「ば、ばれてたのですわね!?」

「じゃ、回収させてもらうねぇ」

 

バシュ!バシュ!バシューッ!!

 

一気に撃ち合いとなる公園!

僕も加勢したいけど、ち、力がまるで入らず催淫光線銃を拾えもしない・・・

それを代わりに拾って二丁流で撃ちまくる悠ちゃん

 

「勇人さん、ここはひとまず捨てるしかないようですわ」

「え・・・で、でも、リュックは、荷物がぁ」

「とりあえずはその命、いえその体を守るのが先決ですわ」

「・・・先に連れ出すから」

「ちょ、ちょっと!鈴ちゃん・・・わわわわわ!!」

 

僕を担ぎ上げて大きく跳び上がり茂みの奥へ・・・

そのままあっという間に公園から遠ざかってしまった、

まだ百合さんと悠ちゃんが応戦しているというのに。

 

「だ、だいじょ・・・うぐっ」

「喋らないで・・・舌噛むから」

 

百合さんにお別れも言えず逃げちゃった・・・。

 

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