
「魔法か・・・」
ルリーの隣ではあのうるさいクラスメートが阿呆のように踊り狂っている。
あいつは俺の親友、ぐらいの事を他のクラスメート達に話しているようだ。
「あいつの方を魔法でなんとかしてくれよ・・・」
そんなことを考えながらホームベースを踏んだとき、
遠くからかん高い飛行音が聞こえてきた。
キュイーーーーーーーーン・・・
空からだ、
見上げると丸い点が飛行している。
あまりに上空で何なのかよくわからない。
キーーーーーーーーーーーーーーーーン・・・・・
小さな点は、上空で回っている。
円を描いて旋回いるのだが、その円は次第に小さくなっていく。
まるでうずまきを描いているようだ。
・・・・・うずまき!?
僕はルリーの方を見た。
だが、ベンチにはすでにルリーの姿はない。
小さな点が描いていた円はどんどん小さくなり、
しばらくして静止した。
そこから無数のさらに小さな点が降りてくる。
点はだんだんと大きくなり、
円に見え、そしてさらにはっきりと、なるとに見えてきた。
これはやっぱり・・・うずまき星人だ!!
何百、いや、何千といったうずまき星人が、
パラシュートで降りてくる。
やばい、このままでは学校中がパニックだ、
みんななるとに変えられてしまう!!
「おい、なんか降ってくるぜ」
「なんだあれ?マシュマロか?」
「いや、らっかさんみたいだぜ」
「なるとにも見えるぞ」
「なんか、みんなバズーカみたいなの持ってない?」
「どうしたの?何があったの?火事???」
ルリー、ルリーはどこへ行ったんだ?
僕はあたりを見回した。
「♪ルーリルリー♪」
ルリーの声が再びグラウンドにこだまする。
あたりを見回すと、ルリーはいつのまにかサッカーゴールの上に仁王立ちしていた。
普段のオレンジの服に身を包み、ピンクの魔法のステッキを手にしている。
「魔法少女☆ルリーちゃん参上なのだー♪」
ルリーはその場からジャンプすると、
モーグルの「コサック」を決めながら、地面に着地した。
「うわ、かっこいいー!」
「いいぞいいぞ、コスプレ少女!」
「かわいいぞ、どこのクラスか教えてー!」
「どうしたの?何があったの?火事???」
クラスメートの男どもは、ルリーの登場を喜んでいる。
さっきの調子のいいクラスメートも、盛り上がっていた。
「あの子もかわいいなー、ねぇ瑠璃ちゃん・・・あれ?瑠璃ちゃんは?」
僕にはどう見てもルリーはルリーなのだが、
みんなには瑠璃とルリーは別人に見えるようだ。
「ルーリルリー♪みんな注目ぅ、これからルリーが魔法で光の玉を出して、
空にある的に全部あてるのです☆とくとご覧あそばせなのだー♪」
そう言うとルリーはステッキを振りかざし、
くるくると舞いだした。
「♪マチルダイメルダルーリルリー、
ネスレニッポンッテイツネッスルカラシャメイヘンコウシタノカシラー♪」
呪文を唱えると、魔法のステッキが光を放ち、
ルリーの体を無数の星屑が取り囲む。
「必殺!二プレスマシンガン!!」
ルリーが号令のように叫ぶと、
天に向けたステッキの先から、光りの玉が次々と発射される。
何百、何千とマシンガンのごとく光の玉が連なり、空へ飛んでいく。
それは誘導弾のように、うずまき星人一つ一に当り、強い光とともに消滅する。
百発百中とはこのことだ。
なおも勢い良く光の玉ほステッキの先から天に放たれ、
的確にうずまき星人を強い光とともに消していく。
みんなはそれを花火感覚で見上げている。
「うわー、きれーだなー」
「昼間の花火なんて初めて見たよ」
「引田天功もびっくりのマジックショーだぜ!」
「ねぇ、火事?これってやっぱり火事なの??」
5分もたたないうちに、あれだけ無数に降りてきていたうずまき星人は、
全て消えてしまった。
あとははるか上空にある、点のようなものだけだ。
ルリーは残ったその点に向け、ひたすら光の玉を撃ち続ける。
すると静止していた点は再び轟音をあげ、円を描いて動き出した。
キュイィーーーーーーーーーーーーーーーーン・・・・・
点がだんだん降りて近づいてくる。
それは円と確認でき、さらにそれは円盤のような飛行機だとわかる。
どんどんどんどん近づき、グラウンド全体がその円盤の影で覆われた。
とてつもなく大きなUFO、そのボディーには赤い渦巻模様。
間違いなく、奴等の母船だ。
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