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★ルリーとネルオフの魔女っ子コラム・第九回★
〜さかぽよすの魔法使いサリーについて〜
どうも、ルリーちゃんに召還された、「魔法使いサリー」大ファ
ンの さかぽよす です。
今回は私が日本初の魔女っ子アニメ、「魔法使いサリー」の魅力
を語ってみたいと思います。
●可愛い魔女がやって来た・初代
「魔法使いサリー」は昭和41年に始まった日本初の「女の子を主
人公にしたアニメ」であり、尚且つ日本初の「魔女っ子アニメ」と
もなったのです。
日本のアニメは昭和38年に始まったけれど、昭和41年になるまで、
女の子こそ登場すれど、「女の子が主人公のアニメ」と言うのはな
かった。「魔法使いサリー」の狙いは、実はそこだった。今でこそ
「女の子が主人公のアニメ」は当たり前かのように存在するけれど、
正に「コロンブスの卵」的発想だったに違いない。
だが、その内容は、純粋に女の子向けのようなメルヘンチックと
言うものではなく、恋愛物語とはほとんど無縁、当初はドタバタコ
メディーが多用され、当時の男の子でも恥ずかしがらず十分楽しめ
る内容であった。そして後半では「努力すれば必ず報われる」「社
会のこんな所が悪い」など、社会風刺、示唆に富んだ物語などが多
用され、涙した人も多い。具体的には、「死」を取り上げた37話
「東京まんが通り」、外国人差別と心の友情の話を描いた60話「ポ
ニーの花園」、病死する前の少女に一人の少年がぬいぐるみを通じ
て思いやる84話「みにくい人形」など、現代でも十分通用する物語
は少なくない。
●素敵な夢を見てね・2代目
度重なる再放送も影響してか、知名度は抜群に高い「魔法使いサ
リー」が平成元年にリバイバルで復活した。当時リバイバルルーム
だったこともあり、「魔法使いサリー」はその真打ち的存在ともな
った。当然昔のままではない。「昔のままだったら昔の作品を再放
送すれば良い」、2代目の「魔法使いサリー」も幾分現代的に改め
られた。これに不満な方は少なくないが、よっちゃんの父のタクシ
ー運転手をそのままにしたとか、初代を見て来た方たち対する一定
の配慮もあった。
2代目の制作に際し、横山光輝氏からは「子供たちに夢を与えら
れる作品を」と言う要請があり、それが2代目の全体的な雰囲気を
決定づけた。当時はバブル全盛期で、金が心より優先した「冷たい」
時代であり、アニメでも、品がないとか、乱暴な表現の作品が台頭
していた。そんな中、「ほのぼのとした、暖かい作品」そして「み
んなが知っている我等のサリーちゃん」と言うことで、これも多く
の、特に「母と娘」の世代で支持された。
2代目の特徴としては、一見メルヘンチックが主体で社会風刺な
どが影を潜めたように思える。しかし、実は当時の社会問題を間接
的に映し出しており、「直接セリフなどで言ってしまわない、視聴
者に考えさせる」物語であった。それにより、言葉がまだよく分か
らない幼い子供でも、心のどこかに刻み込めるものがあるだろう。
●今も脈々と
2代目の終了から久しいが、実はこの2代目、「美少女戦士セー
ラームーン」や「おジャ魔女どれみ」などに強い影響を残している。
2代目のサリーちゃんはリズミカルであったが、その路線が「戦
う美少女」の「セーラームーン」を産んだとも言えよう。作画につ
いても、2代目「サリー」の影響が随所に見られる。
また、良く見ると「おジャ魔女どれみ」の魔女見習い服。特にど
れみちゃんが、色と言い雰囲気と言い、2代目サリーちゃんに似て
いませんか? 実は「おジャ魔女どれみ」のキャラデザである馬越
嘉彦氏は「魔法使いサリー(2代目)」の原画を香川久氏(「神風
怪盗ジャンヌ」キャラデザ等、また「サリー」では香川氏が作画監
督も兼任)と共にやっており、馬越氏にとっては、おそらくその影
響がデザインにも出て来たのだろう。
「どれみ」の主人公にしても、物語に関しても、歴代の東映魔女
っ子作品、特に「魔法使いサリー(初代、2代目共)」の影響が出
ているのではなかろうか。確かにサリーちゃんはしっかり者、どれ
みちゃんはドジと言う所が異なるが、真摯であることなど共通点も
多い。時代は変われど、「魔法使いサリー」の精神は受け継がれる
のである。
以上。
文責・さかぽよす
次回はルリーがRPG風魔女っ子アニメについて語りますぅ♪