レンちゃんはいつもすまなそうに、拾ってきた子犬のように、 俺の横におとなしく座っていて、時には甘えてじゃれてくる・・・ 時がたつにつれ、俺とレンちゃんは打ち解けだし、すっかり仲良くなっていった。 「あーん、また負けちゃったぁ〜」 「駄目だよ、角ばっか気にしてちゃ、全部でいくつひっくり返したかなんだから」 「やっぱりかなわないよぉ・・・でもぉ、もう1回するぅ」 「よし、今度はハンデつけてあげるよ!」 「ううん、このままでいい・・・じゃあいくねぇ・・・」 レンちゃんは俺といろんなゲームで遊びたがる、 しかしそれらは全て俺の方が優位になるようなゲームばかり・・・ 結果、レンちゃんが俺に勝つというのはごく希なんだけど・・・・・ 「・・・・・か、勝っちゃったぁ」 「レンちゃんすごいすごい、大逆転! 「ち、違うゲームしようよぉ」 「どうしたんだい?急に」 「こ、これぇ、あきちゃった・・・」 さっさと板と石をしまうレンちゃん。 「次はぁ、このカードゲームぅ」 「ごめん、ちょっと疲れたから・・・休ませて」 「あっ・・・じゃあ、折鶴作ってるねぇ」 俺の胸の上で折り紙を折るレンちゃん、 横の千羽鶴も、もうすぐ千・・・全てレンちゃん一人で・・・ レンちゃんは明るく振る舞いながらも、どこか暗そうに言う。 「はやくよくなるといいなぁ〜・・・」

ミルちゃんはよく仔猫のように俺のベットに潜り込んでは、 かいがいしく世話をやいてくれたり、おしゃべりをしてくれたり・・・ 最近では毎日、大戦の時につけていたという日記を読んで聞かせてくれている。 「おにいちゃん、ダイアラスでの戦い、覚えてるぅ?」 「ダイアラス・・・ああ、俺が囮になった作戦の時の・・・」 「あの時、お姉様ったら大変だったんだからぁ・・・んっとねえ・・・ 囮になったおにぃちゃんをセルフ様は見捨てるしかないと言うとお姉様は、 急に立ち上がって『とても良い策がある、ここは私たちに任せてもらいたい』と言い切った、 セルフ様はお姉様の真剣な剣幕に納得して私はお姉様たちと別れたんだけど・・・ どんな案なのぉ?と聞いたらお姉様ったら『さあ、どうしようか・・・』って、必死になって考えてた、 きっと案もないのに愛するおにぃちゃんを助けるためにぃ・・・結局助けれたんだけど、お姉様、 いつもはどんな事があっても冷静なのに・・・やっぱり愛する人には考えるより行動なのね」 「そ、そんな事が・・・!?」 「うん、他にもまだまだあるよぉ、んっとねえ・・・」 ミルちゃんの日記には、ハプニカ様が俺を愛していたという記録が、 克明に記されているようで、それを毎日聞くたびに、恥ずかしくなったり、 むずがゆくなったり、また、はじめて知らされた事実に深く感謝したり・・・ 「おにいちゃん、どうしたの?」 「ご、ごめん、もう眠くなってきちゃった・・・」 「じゃあ、ミルの胸で寝てねぇ」 そっと僕の顔を小さな胸で抱きつくミルちゃん・・・ 「ありがとう・・・」 「おにぃちゃぁん、ミルに甘えてねぇ」 「はは・・・」 ミルちゃんの幼い胸に包まれる感覚・・・ こうして少女に甘えるという感覚がたまらなく心地よい・・・ 大人なハプニカ様に甘えられ、子供のミルちゃんに甘える俺・・・ たまにはこういうアンバランスな感じも、ものすごく良いもんだな・・・ ・・・たまにどころか、いつもでもいいかも・・・そう、この先、ずっと・・・・・

ハプニカ様も激務の中、暇を見つけては俺に毎日会いに来てくれる、 そしてまさに恋人同士のような時間を過ごす、まるでハプニカ様が今まで我慢してきた、 女らしさ、そして少女らしさを解放したかのように・・・やさしく微笑みながら・・・ 「痛くないか?」 「大丈夫です・・・あ、今、ガリッと大きい音が・・・」 「ん・・・耳掃除はたまにやらぬとな」 「ハプニカ様の膝枕・・・すごくいいです」 「そうか?筋肉でゴツゴツしてないか心配だが」 「とんでもない、とってもやわらかいです・・・」 「・・・大きいのがとれたぞ・・・ふふふ・・・ 「よ、喜んでます? 「ああ、幸せだぞ・・・さ、次は逆だ」

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