「まったくあのホテルむかつかなあ、絶対身なりで断ったよ・・・」
「うーん、歩いているうちに寂しい所へ来ちゃったなあ、ホテル街から外れちゃったかな?」
そうつぶやきながらも、なんとなく引き返す気になれずそのまま歩いていると・・・
ホテルの中はシンプルで綺麗ながら薄暗く、フロントには1人の長身女性が立っていた。
「いらっしゃいませ」「あの、予約してないんだけど部屋あいてますか?」「少々お待ちください」
「ご用意できます」「じゃあ、お願いします」「はい、403号室になります」
食事を待つ・・・僕の隣のテーブルでは2人の親子が食事中だ、母と娘、ゴージャスな母に小学4・5年ぐらいの娘・・・ こんな遅くによく起きていられるものだ、おいしそうに食べている・・・母親と目が合った!
「こんばんわ、お兄さんお一人?」「は、はい、こんばんわ」「ここのステーキはおいしいですわよ」
きれいな人だ、胸が上半分出ているような服・・・すごい色気だ・・・でも子持ち・・・少女もよく見ると可愛い。
「ほら綾香も挨拶しなさい」「・・・こんばんわ」「こんばんわ、眠くない?」「うん・・・」
なんて話していると僕の前にも食事が来た、紫のソースの分厚いステーキ、これが本当に1000円!? 食べよう・・・もぐもぐ・・・うまい!このソースが実に濃厚で、とにかくおいしい!!
「ふふ、お若いですわね」「・・・おいしそう」「綾香、我慢しなさい、あとで、ね」「・・・はぁい」
・・・ふう、もうたいらげちゃった・・・紅いワインを飲み干す・・・ぷはぁ!ごちそうさま!
「食事も早いですわね」「はい、本当においしいステーキでした、では失礼します」「・・・あとで、ね」
あとで、って・・・意味ありげにウィンクされてしまった・・・はは、部屋に戻ろう・・・
「1000円になります」「あれ?消費税は?」「・・・サービスです」
ドアがノックされた、こんな時間に誰だろう?ひょっとして・・・と、ドアを開けると、そこには・・・
「ど、どうしてここが?」「隣、私の部屋なんですのよ、丁度部屋に入られるのを見て・・・」「そうですか、そ、それで何か?」
「実はお願いがあって・・・」「お願いですか?」「はい、実は・・・」
「・・・娘を預かってほしいんですの」「えっ、娘さんをですか?」「はい、ちょっと部屋に置いておけなくて・・・」
「お礼はしますわ、お願いできるかしら?」「は、はあ、いつまでですか?」「そうですわね、できれば朝まで・・・ほら綾香」「お願いします・・・」
うーん、どうしよう・・・でもこんな美人のお願い、断れないや。
「いいですよ、でもベット1つしかないけど・・・どうしましょう」「あら、添い寝してくださるんですか?綾香、よかったわね」「うん・・・」
「わかりました、丁度セミダブルベッドだし、お預かりします」「ありがとう・・・ちゅっ」
「では綾香をよろしくお願いしますね」「はい」「綾香、おやすみ」「おやすみなさい、ママ・・・」
綾香ちゃんを僕の部屋に入れ、自分の部屋へ戻る叔母様・・・部屋に置いておけないって、どういう事だろう?