781:番外 2012.03 |
《映画三本》 府医ニュース 2012.2 『本日休診』より転載 (かなり映画好きの方ようですね・・・・) |
昨年末の話題作から、『1911』『RAILWAYS愛を伝えられない大人たちへ』『連合艦隊司令長官 山本五十六』を選んで辛口評です。 まずは辛亥革命が題材のジャッキー・チェン100作目の金字塔『1911』。 中国建国の父、孫文と配下の責興を描いた作品。 満族と漠族との閲ぎ合いでなくとも、西太后の清王朝を倒すという時代背景が触れられておらず、中国史に疎い小筆には理解困難でした。 究極は青天白日旗の青を、人民色の赤に替えているのは見事というべきでしょうか。 ウソも百回つけば本当になる流儀を象徴するかのようですね。 そもそも国民党政府って、マオの仇敵じゃなくって? いえいえ、敵の敵は味方です。 『レイルウェイズ』。映画の三要素は本、画へ声と相場が決まっています。 本とは脚本、画はカメラワーク、声は演技と音楽です(提唱者は小筆)。 素材が富山地方鉄道ならば、銀嶺織りなす立山連峰のスカイラインを期待したものの、どんよりした画だけでした。 定年過ぎて運転する姿は、電鉄会社のお手伝いをする小筆ならずとも不自然。 レイルウェイズと題するなら、もっと運転士さんの地道な勤務を描きましょう。一方で主人公の奥さんの看護活動ばかりが強調されすぎ。ユーミンの主題歌が流れるエンドクレジットの富山県看護協会に合点。 ところで30年もブランクのあるナースを雇う会員諸公、いらっしゃいますかァ? 最後に『山本五十六』。義正氏を出した時点で海軍善玉説のスタンスが明瞭。 でも石油を求めて南部仏印進駐を促したのは海軍さんだったような。 そこで陸軍悪玉説の史家にお伺いしたい。 「軍部」 って何処ですか。陸軍省、参謀本部、関東軍ですか。 その実態不明の軍部だけが開戦へと主導したのですか。 作中、新聞もその片棒担ぎですと。 激しく同意します。 衆愚政治は今に至るも世の習い。 |