739:番外 2011.07.10
『小道具考』 府医ニュース 2011.07.06 『本日休診』より
※息抜きにおもしろい記事があったので引用
映画の話ばかりですみません。
映画のワンシーンのちょっとした小道具に、作品を際立たせる効果があります。
カメラです。
俳優さんたちが操るレンズが光るのです。

潜水艦の映画『U・ボート』の主人公、ヴェルナー少尉が手にするのがライカVaです。

ライカVa(英語版フリー百科事典Wikipediaより引用)
これはマリンライカと言い、第三帝国海軍御用達の特注品、海鷲の刻印が入っています。
他にも、軍用ライカには陸軍用、空軍用があって、後者にはLuftwaffen Eigentumの刻印があります。
面白いことに、ドーバー海峡をはさんで対時する英軍も独製ライカを使っていたのです。

潜水艦の邦画『ローレイ』で時岡纏軍医大尉が操るのはVfです。

ライカVf(フリー百科事典Wikipediaより引用)
f型は戦後の上市なので映画が描く昭和20年には現存していないはず(細かいことを言うと嫌われる)ですが。
狭い潜水艦内での撮影用に広角レンズが装着されています。
ボディー内蔵のファインダーは標準レンズのみの対応なので、カメラの上{軍艦部といいます)に広角用のファインダーが後付けされています。
正面からそのファインダー超しに、國村隼の瞬きする様子が観てとれます。
妙にリアルだ。

『スパイ・ゾルゲ』のウヒアルト・ゾルゲが鞄の底から取り出すカメラもライカVaです。
2.26事件当時、このa型カメラは日本に輸入されている可能性は少ないはず(細かいことにこだわるのはいけません)です。
まさにエスピオナージにうってつけのコンパクトカメラでした。
イアン・グレンの操る沈胴式のエルマー5センチレンズが光ります。

ライカの末裔が登場する『ステルス』という、
戦闘機の映画です。主人公ベン・ギャノン大尉の愛用カメラはM6TTLです。

ライカM6(TTLはこの機種でTTL測光が付いた機種)
レンズはノクチルックス50ミリf1.0、とんでもない高級品です。
近未来の時代設定ですが、カメラは四半世紀前のものです。 (冬)

『Uボート』予告編
出演: ユルゲン・プロホノフ, ヘルベルト・グレーネマイヤー
監督: ヴォルフガンク・ペーターゼン
DVD発売日: 2005/01/26
時間: 209 分

『ローレライ』予告編
出演: 役所広司, 妻夫木聡, 柳葉敏郎
監督: 樋口真嗣
販売元: ポニーキャニオン
DVD発売日: 2006/07/19
時間: 128 分
(※小道具には凝ったようだが、コミック調の内容で個人的には好きな映画ではない)

『ステルス』予告編
(※アニメ感覚の映画だった。米映画なら見れるが日本映画ではとても見れたものには出来ないだろう)
出演: ジョシュ・ルーカス, ジェイミー・フォックス, ジェシカ・ビール
監督: ロブ・コーエン
販売元: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
DVD発売日: 2010/04/16
時間: 121 分
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