134:バーチカル・リミット(ビデオ) 2001.8.01
 医学的にはまったくめちゃくちゃな映画だった。K2位の高さにいるとすぐに全員が高山病になるのか?高地肺水腫(高山病)に副腎皮質ステロイドだけを使用したり、特効薬だと言ったり。
 おまけに『デキサメサゾン』と英語で言っているのに字幕は『抗炎症剤』と表示されていた。せめて『ステロイド』と字幕に書いてほしかった。
 インパ紛争の話が途中で伏線としてあったり、ニトログリセリンが出てきたり(なんで軍事基地にニトロがあるのか?)まるで地獄の報酬の焼き直しのようだ。
しかし、特撮がうまくなって、どれが本当に山の上でやっているのかまったく分からない。これには感心する。
 妹を助けるために何人も死んでいくということに対してかなりあっけらかんとしているのはあまりにもアメリカ的。
 登山映画ではK2の方が良かった。ただK2は最後がいい加減で中だるみになってしまったのが残念。
参考)高山病の治療
 薬物療法として,アミノフィリンの静注(20%ブドウ糖液とアミノフィリン1Aを混ぜて)を4〜6時間ごとに繰り返す.同時に利尿薬(フロセミド)を適宜使用する(3錠分3/日,または静注など).不安感が強い場合で安静が保たれない場合は,モルヒネ1/2Aを使って様子をみてもよい.アセタゾラミド(ダイアモックス)も有効とされる(250mgを6時間ごと服用).ジギタリスは心筋が低酸素状態にあるので中毒を起こしやすく,注意が必要である.
この治療を十分に行うとともに,副腎皮質ステロイド薬の大量投与を試みることもある。