ボタン109:レナードの朝(DVD) 2001.4.
少し見るのが遅かったが、これはいい映画だというEmailをいただいたので今回見ることにした。
確かに落ち着いた演出でなかなか良かったが、先にパッチアダムスを見ていたのがまずかった。

 ロビンウイリアムス扮する精神科医(ほとんど臨床経験なし)と無動状態で20年以上経過している嗜眠性脳炎患者のロバートデニーロ(レナード)の物語。内容はパッチアダムスに似ていると言えば似ている。注にあるとおりLDOPA画期的に効くというのがメインになっている。
 
内容やテーマが少し似ているのが気になるところである。ただ、パッチアダムスと違ってこの映画の主人公はかなり内向的で控えめな性格という点でかなり正反対。最後に献身的に協力してくれた看護婦とハッピーエンドになるところがアメリカ映画的。(気づいているのだが好きとは言えないところがパッチアダムスとは違っている)

 当時はLDOPAがかなり高価な薬であったことが映画の中で分かる。
確かにパーキンソン病に対して画期的に症状が改善するのは多くの医師が経験しているところであるが、長期間使っていると効きが悪くなることがあるのも事実である。

 しかしこの映画のように20年も長期間寝たきりの人がある日突然歩き出すというのはどうも理解に苦しむ、やはり筋肉の萎縮もあるだろうし、ある程度リハビリの期間が必要だろう。

注)嗜眠性脳炎
A型脳炎type A encephalitis,エコノモ型脳炎(病)Economo's encephalitis(disease))
 第一次世界大戦中,およびその後10年ぐらいの期間に,インフルエンザの流行中に本症の発生がみられた.臨床的および病理学的所見はウイルス感染に合致するが,起炎ウイルスは一度も検出されたことはない.著しい嗜眠傾向があるが,麻痺,知覚障害,痙攣などの症状はないのが特徴である.20%の死亡率で,生存者には後遺症として高率にパーキンソン病の症状が出た.1930年以降の発生の報告はほとんどない(Constantin Alexander von Economoはオーストリアの神経科医)