ここでは、古式蝋型鋳造法による鋳造風景を、簡単に案内します。


 蝋型鋳造とは、蝋で原型を作り、表面を耐火物等で覆い鋳型を作り焼成して、中の蝋を取り除き、出来た隙間に金属を流し込む鋳造法です。一般的にはロストワックスと言われますが、蝋型鋳造はロストワックス鋳造法で古代から伝わる伝統技法の事を指します。蝋型鋳造のメリットは、原型をほぼ忠実に金属で再現出来るところと自然界に存在する素材で作成することが出来るところです。

 ここで説明させて頂く古式蝋型鋳造法は、蜜蜂の巣を加熱、圧搾して採取する蜜蝋と、松の樹から採取する松脂を調合した蝋を使います。両方を鍋などで加熱して混ぜ合わせ少し冷めたところで良く練り合わせてねかした物を、再びやや熱いめのお湯の中につけて温めると、粘りのある粘土のようになり、これを手でひねったり、予め土で花器などの形に作って置いたものに張り付けて、造形してゆきます。形が完成したら、前回使われた鋳型で、品物を取り出した後の型片を粉砕した物を、用途に分けて篩(ふるい)で分けた物に、山で採れる粘土を混ぜ合わせて土(真土=まね)を作り、蝋で作った造形物の表面を細かい順に、肌真土、中真土、荒真土というように覆ってゆきます。これで鋳型が出来ました。これから先は写真付きで説明させて頂きます。


1.焼成炉
鋳型を「ヤカモト」という耐火物で出来た物を荒真土で積み上げて囲い込みます。

2.炭入れ
焼成炉が出来上がったら、最初に熾した炭をいれて、腕の太さほどある木炭を入れて炉の中を満たしてゆきます。

3.焼成中
炉の上部は、瓦、鉄板などで蓋がして有ります。火の加減は、炉の下に開けられた隙間を、開け閉めして、空気の出入りに調整をして行います。
焼成中は時々、蓋をめくり火加減や炭の量の減り具合を確かめながら4時間ほどかけて約800度で焼成します。

4.溶解炉
メド等とも呼ばれます。中には坩堝と言う物が入っていてこの中に、地金(溶解する金属素材のこと)の銅合金等を入れます。溶解時間はコークスと送風機で2時間程、温度は1200度から1450度程になります。
5.流し込み
焼成し終わった鋳型を取り出して地面に並べて、溶解した金属を流しこみます。

この人物は私です。


6.割り出し
金属を流し終わり、冷めたところで割り出します。ハンマーの横に見えているのが土から顔を出した品物です。土をきれいに取り除き余分な物を取り除いて仕上げてゆき、特殊な酢や酸で表面を発色させて完成です

このページは鋳物師27代長谷川亀右衛門氏の指導で作成しました