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居酒屋東西

北九州・関西・東京と呑みごこちを比べると やはり北九州というか

九州次に関西で 東京 特に郊外は難しいと言うことになります。

これはひとえに会社でお酒をおぼえたのが姫路と北九州ということも

あると思います。

徳利とお調子

まず関東で引っかかるのはお銚子と徳利です。

殆どが菊正・大関・黄桜のマークがついています。ついていない普通の徳利の

お店はやや高めの御値段になります。

九州は特に北部はいたるところに窯があります。

遠賀から鞍手の裏山には小さな窯元があり伊万里・唐津に繋がっています。

従って一合枡にコップを入れて注ぐのが最低のところ 基本的にぐい飲みを選び

徳利は当然店ごとに品格を持って揃っています。

関西でもあまり菊正の徳利がお膝元でも出てくる事はございません。

ところが東京は殆どが大関とか日本盛のマーク入りです。

時に白雪の一合ガラス瓶がでてきますがこれは正一合の証かも知れません。

すし屋でも同じです。東京の文化度は低いのでしょうか。

きちんと徳利がでてぐい飲みがでてくると基本的に高くなります。 

四谷荒木町界隈で、そこそこの店でも大関や菊正が出てくることがあります。

やはりこれは陶器や磁器が九州のように安くないからでしょう。

板場との距離

次に板さんとの距離 これは正に西高東低ならず西近東遠と思います。

関東の場合カウンターがあっても取次ぎは店員さんで 遠く

近くてもお馴染みさんだけです。

恐らく人が多くて、かまっていられないのが実情かも知れません。

ところが西に進むと初めてでも声をかけてくれます。

隅に常連さん カウンタ10人程度 机か小上がり2卓程度であれば、

新しい客ほど親父の近くとなります。カウンターが詰まっていても

ふりの見知らぬお客がきたら よほど人相が悪くない限り常連さんが気

を利かして席を空けてくれます。

何故って今度この地に来た時 この店でいい気持ちになってまた来て

欲しいのです。地方にはそんな思いやりがある気がします。

大阪含めて外に対して開放的です。

ある意味では人が少なく新しい客を取り込む必要性があるのでしょう。

関東は特に東京近郊は逆に常連がカウンターを独占して、 

新人の入る余地がありません。

特に古い馴染みさんほど中心的に、女将や板さんと話して、

俺はここの特別客だと言った感じになるのが、古くから開けて

(昭和で発展完了)今後の発展の余地がない郊外の居酒屋のようです。

後背地があってそこに新しい人が入り出入りが激しいとそうは

行かないので開放的になります。

私の住んでる市川は閉塞的な最たるもので、実際に新しいお客が来て

店の気分が変わるより、変わらない方がやり易いということです。

そんな訳で振りの客が来ない前提で出来上がっているので、

1回入って気まずい思いをして二度と行かなくなる訳です。

ある時やっと馴染みになったママが、新しい客が来て店の雰囲気が壊れるのは

いやだと言われた記憶があります。そう言えば隣の人に話しかけたら店員から注意されました。

都内の方がその意味では距離は遠くても開放的です。

魚はどうでしょうか。

これは味では西高東低値段はその逆と言うべきか、

生魚特に青魚が少ないのが関東です。

関西は結構 福井や若狭からいい肴が多少高めでも入ってきます。

北新地あたりでは少し高めでも、

本町界隈や北の中津に行けばそこそこの値段で旨い魚にありつけます。

南は当たり外れに差があり、心斎橋は北新地と変わりません。

大阪の北は御堂筋を挟んで特に曽根新道との交差点で北東側と

南東側で大きな差があるので要注意です。

北東側で外れの無いのが寿司屋が並ぶ横丁で、

比較的混んでる店に入ることです。

南東側は北新地なので、旨く床店を見つけることです

(銀座と同じで少なくなって来てますが)

九州は四面海どこに行っても地の魚があります。

北九州あたりは朝から昼漁をしてその魚を食べさせる居酒屋が戸畑や八幡

にはあります。近所の市場でそこそこの値段で春から夏は鯵・鰯 冬は鯖

安くて、身が締まって美味しい魚ばかりです。

烏賊も剣先烏賊の活き造り等が一寸したところでありつけます。

時に馬面などが手に入るので、どこの居酒屋でもそれなりの青魚に有りつけます。

だからまずい魚を食った例がありません。塩鯖焼なんぞ見かけることはありません。

東京の居酒屋は基本的に烏賊・蛸・鮪です。

青魚は鰯丸干し 鯵開き ほっけあたり

小料理 割烹の領域になる 荒木町・神楽坂界隈は居酒屋と言ってもなかなか

旨い魚は無く、値段も高くなります。

やはり江戸はコハダに限ると思います。つまり江戸前の魚で良いのです。

ところで最近発見したのですが 6-7月の九十九里の鰯は小さいのですが油がのって旨く

南房総の梅雨鰯と言うのだそうです。
是非一度食べてみてください。