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居酒屋の探し方

最近居酒屋がとみに少なくなっています。

暖簾をくぐって戸を開けると、カウンター4-5席 奥に小上がりか、

4人がけの机が2,3卓で、親父と神さん二人でやっている 

馴染みの客がカウンタの奥の隅に、小上がりで近所の馴染みのが集って

の類は少なくなってます。

最近流行の吉田類さんは酒場放浪記とし奇しくも居酒屋放浪記としていません。

この意味は結構大きいと思います。

居酒屋は酒場の分類に含まれますが、

酒場は居酒屋より意味が広いと思います。

酒場における板場と客の距離と居酒屋での同じ距離の差ですが、

居酒屋は板場でお客をすべて把握しているのが条件で 

酒場は把握するのが好ましい程度と考えられます。

 

ある本で見ましたが、山本嘉次郎さんと言う風流人が“いい居酒屋の条件”は

“古くて小奇麗な一戸建てのこじんまりした店”とあります。

古いということは長く続いていて信用があるお客が付いていることです。 

次に一戸建ては持ち家で古いので家賃や借金の心配は無く 

家賃が料理に上乗せされません。

小奇麗は店を大事にしていると言うことです。

しかしこの条件で探すのは都内・その近郊では至難の業です。

まず1戸建が飲み屋で見つかりません。

都心および近郊は、再開発が進み飲み屋のある駅前や繁華街が

大型のビルに置き換えられ、前在った小さな店は移転か

置き換えられたビルに入り込むことになります。

このような事情でこじんまりとした一軒屋が存在自体が難しい状況です。

バブル崩壊後徐々に安定して都心が見直され 

下層部店舗・上層部マンションの再開発建設の促進されてます。

銀座・日本橋・神田・新橋界隈の特に銀座のここ数年の変化は激しいものです。

郊外の駅前も同様な傾向があり、理想的な居酒屋が消えてしまっているに

等しいと思われます。

 

しかもこの手の居酒屋は初めて入る場合結構勇気がいります。

近所のお馴染みさんばかりで上手く入り込める余地があるかどうか

の不安があります。これらの困難を乗り越えて居酒屋を探す訳です。

1戸建てが難しいとすれば残る条件を整理すると

こじんまりとして、長く続いているようだが

小奇麗さが暖簾や戸に現れているのが条件になります。

こじんまりはお客が板場での掌握にかかり、長く続いている感じは

経営の安定とお客の信用であり、小奇麗は店を大事にしていることです。

この条件にするとそこそこ見つかるものです。

次に夫婦ないし家族経営の居酒屋は昼には定食メニューでやっているところが

結構多くあります。また落ち着きたい居酒屋は勤め先の近所・家の近く・

仕事や何かの関係で良く行く場所ないしはその経由地で

自宅との距離が困難でない土地勘のあるところと限定されますので、

何かの折にまず昼飯をやっていれば入ることです。

店の感じ・親父・女将の雰囲気・値段のレベル等基礎情報が取れるのと

親父・女将に顔を覚えてもらう利点があります。

夜酒飲みに行けば“あらお酒呑まれるのですか”

と席に円滑に着くことができます。

 

出張等で旅先で土地勘の無いところでは大阪や京都のような大都市は

別として美味しいものを食べたくなります。

そこで居酒屋から少しレベルを上げて小料理してはいいのかと思います。

こじんまりとして一戸建ての小奇麗なの基準でいけるはずです。

地方であればそんなに高いことは無いでしょう。

こじんまりの良さは板場と近いということです。

大勢入る酒場では比較的日本全国均一化されてきています。

板さんと話が出来なくても土地の雰囲気がわかる店を探すことです。

一戸建ては難しくても、こじんまりで小奇麗は見つかるはずです。

繁華街の通りから少し横にそれたほうが、良いと思います。

地方は駅前より繁華街が離れている場合があります。

よほどの田舎で無い限り地方都市の駅近くは画一化されて来ている気がします。

繁華街の中心から10分程度横道にそれて少し入ったところです。

意外と住宅街に入ってもひょっこり見つかるものです。

東京の近郊は別として、地方は一見でもあっさり溶け込めるものです。

多少古めのほうが好いと思います。

 

探し方のコツですが、どうも王道無い様です。ともかく飛び込みの場数を

増やすことで、徐々に感が出来てくるようです。

新規の店を積極的に開発することと思います。

ただテレビや雑誌で出てくる店は総じて高めで、

期待はずれです。やはり自分の足を使って歩いて探し当て

手と舌で味を確かめ、金を払って納得の良く店を見つける 

そして見つけたときの満足感ではないでしょうか。

其処に居酒屋探しの原点があると思います。

深川富岡八幡界隈