さまよいの記 Vol.2
99.4.1
今日から新出発をする人がいる。気持ちも新たにする人がいる。ガンバレ! 負けるな!
インターネットの文芸賞に応募。最終的に後半を手直しすることはやめた。そのままで行くことにした。メールで送信したあと、夜のお出かけ。風が強い。月がキレイだった。
昨日のサッカーを観ていて思ったのが最後の一念ということだった。最後まで執念を持たなくちゃ、何事も結果は出せない。負けだ。最大の努力はしたのかもしれない。けれどそれでも勝てなかったということは、その努力ではそれが限界だということだ。それ以上の努力をしなければ叶わない。
「やることはやったんだ」
正当な理由かもしれない。けれどそれは遠吠えにしかすぎないのである。
100のことを為したいのなら、100の努力じゃいけない。120でもいけない。1000ほどの努力をなさなければ100にもならないのが現実だ。僕の文章がヘタなのも、つまらん小説を書くのも、それしか努力をしていないからである。まっとうな結果だ。
サッカー選手のラモスは「勝負に引き分けはない。引き分けは負けだ」といっていたことがある。僕もそう思う。引き分けなんぞない。だから勝負なのだ。人生には厳然と勝ちと負けが存在する。そんなに勝負、勝負というなよ、もっと気楽に行こうぜなんていわれるけれど、それは逃げの口実だ。気を張り、頭をフル回転させ、常に前進し、真っ向から真剣に受け止めるからこそ、楽しくなるのだ。楽観主義というのはそういうものだ。
今日は執筆なし。メールを書いて送る。
99.4.3
先日原稿用紙八枚も書いたせいか、頭がふやけてしまって、小説が浮かばない。雑誌を読んだり、小説を読んだりする。最近オンライン小説を読む機会も少なくなってきた。一つは執筆に集中していたこともあるけれど、もう一つは刺激になるような作品に会えないということもある。NOVELSWORLD、NOVELSStation
、その他文芸、個人サイトとぐるりと回ってみたけれど、最近の作品に興味を持たない。
読めば確かにウマイという人は大勢いる。作品の構成や、文章表現は皆さんうまく、勉強にもなる。けれどこちらもそれを受けて一丁書いてやるか、という刺激を持っていない。個人の見解だし、人それぞれ趣向も違うから僕の意見なんぞは参考にもなりはしないけれど。
いくら文章がうまくとも、一流の滑らかな表現だとしても、その作品の核となるものがなければ、それはただの小説という形式で綴られた作文でしかない。文章も、絵も、音楽も、それほど難しいものじゃない。誰にでも出来るものだ。けれど文豪と素人の差、画家と絵を描くのが好きな人の差というものはどこからくるのか。そこがミソなのかもしれない。
ここ最近また本を読んでいる。文庫がほとんどだし、古典ともいうべき小説を読んでいる。それらを読むたびに僕は舌を巻き、唸り、繰り返し読む。読んでいる最中に僕は、ふいに文学の秘密を知る。けれどそれは知っただけでは意味もない。そして原稿に向かってみても、結局はわかってはいない自分に気がつくのである。
いい小説を書きたい。
常に僕はそう思う。それはけして自分の自慰行為ではなく、人に向けた小説だ。小説に逃避してきた人に、陶酔を与えることは僕には出来ない。また現実に戻っていける勇気と希望を与えられる、小説を書きたい。感傷も、観念も、現実ではなんの役にも立ちはしないのである。
昼間から出掛け、Mさんと一緒に歩いたり、話したりと一日過ごした。車で近所を走りながら、久しぶりの充実感を味わう。明日もこういう充実感を味わいたい。
夜帰宅後、小説が浮かばないと思っていたのに、いざキーボートに向かったら書ける、書ける。刺激を受けたからかもしれないな。連載「一五〇センチの地下」を執筆。枚数六枚。
一時半就寝。
99.4.4
一時半に就寝したけれどなかなか寝つけず、結局三時近くまでウダウダと布団の中で起きていた。朝八時に知人に起される。
我が身のいたらなさにうなだれるのみ。猛省。
今日も巨人負け。阪神なんかに2連敗もするなよな。マッタク。
99.4.5
疲労困憊。土日にはしゃぎすぎたのか今日はどっと疲れてしまい、朝起きるのがつらかった。
会社で(無論昼休み)「深夜特急」2巻を読む。こういう旅をいいなあと思う反面、僕は小心者なんで多分だめだろうなあと感じる。でもアジアというのはなんと魅力的な国か。
今年も六月ごろまとめて有給をとって旅に出よう。また青森、今度は津軽方面にでも行ってみようか。それともまた上杉謙信のふるさと、新潟に行こうかな。それとも近場で静岡もいいな。
99.4.6
いまさらだけれど、NATO軍のユーゴスラビアへの空爆はいかなる理由をもってしても行われるべきものではない。断固反対だ。民族紛争だの宗教紛争だの国の威信だのといったものがいかほどの価値があるというのだ。それよりも空爆によってNATO軍もユーゴの人も多くの人が危険にさらされている。人間の命の尊重をまず最優先に考えるべきだ。交渉対話で解決をしてもらいたいと強く願う。そして一刻も早く空爆を中止してほしい。内政干渉といわれればそうかもしれない。けれど一人の人間として、武器を使い、権力を使い、力を使ってことを納めようとする空爆に僕は反対の意を表明する。
今日も執筆なし。「深夜特急」は2巻を読了し、3巻に突入した。巨人戦は雨で中止。
99.4.7
今日は営業で取引先へ行く。天気が良くてドライブ気分だった。
会社に戻ってきて書類を整理。女子社員と少し雑談をしてから帰宅。夜は風が冷たくて寒かった。薄手のコートじゃさすがにこたえた。
巨人はヤクルトに負けた。頼むから勝ってくれ。そんで優勝して長島を辞めさせんでくれ。巨人は長島あっての球団なのだから。
久しぶりにネットを覗いてみる。といっても車関連とコンピューター関連のみ。それとユーゴ空爆のニュースを追う。空爆は継続という報に嘆いた。
夕刻雨が降ったせいか、星が見えた。
99.4.8
今日何気なしに自分のHPのトップを見ていて、重大なミスをしているのに気がついた。”SPECIAL−THANKS”の所に天原由良さんの名前がなかったのだ。慌てて修正をしてアップする。これ別にここで書かないで黙って更新すれば良かったのだけれど、自分のバカさ加減を反省するために書いておく。天原さん、大変に失礼をしました。深くお詫びします。
今日から仕事も始まった。乗り気がしないけど、最初から飛ばすかな。GWをまたぐ仕事だからうっかりすると連休を休めない。
人間何かをするのなら最初から飛ばすに限る。いきなりトップスピードで行かなくては成すべきことが中途半端になってしまう。スタートダッシュは大切だ。どうせ最後のほうは辛く、だらけてしまうのだから。
巨人戦はなし。明日はグループの飲み会。
執筆枚数3枚。
99.4.9
今日は飲み会。2時間だけだったけど、すげえ量を食った。また太ると嘆きながら食べる。それと普段飲みもしないのにウォッカベースのカクテルを一杯(これはカミカゼというやつだった)を飲み、「きついなあ」なんていいつつジントニック、スクリュードライバーを飲み、ビールを2杯。あげくはブルーベリーソーダなるジュースのようなカクテル(これがまたマズイ)を飲んでしまった。
帰宅後酔い冷ましにポカリスエットを飲む。
巨人は大量点をとったくせに逆転負け。そりゃないぞ、いくらなんでも。
99.4.10
今日は散髪。ばっさりと切った。いっつも3ヶ月ほど切りにいかんから大変。午後よりTさんと会い、しばし雑談。夕刻よりMさんも交えて盛り上がる。
明日は大雨だそうで、がっくり。せっかくの週末は雨。
Jリーグでは横浜が勝ち、レッズも勝った。気分がいい。けど城、投げキッスはやめろ。みていて胸くそ悪いぞ。雨で巨人は中止。
悔しいことばかり続く。誤解されること多し。
99.4.11
統一地方選挙。朝から雨。多分異常に低い投票率になるのだろうな。
朝から出掛ける。Kさん、Iクンと会う。
帰宅後選挙速報を見る。東京都知事が決まったけれど、その結果は大いに残念。ああいう人を選んぶ理由がさっぱりわからない。東京は自分の住む町じゃないけれど、ああいう結果が出るのは同じ日本人として悲しいと言わざるをえない。
99.4.14
二十時に会社を出て、帰りに本屋に寄る。帰宅後文学賞応募確認の葉書が来ていた。
それにしてもインターネットでの文芸賞に応募したはいいけど、なにも音沙汰がない。HPも更新されていないし、大丈夫なのか?
少しばかりゲームをして、テレビを眺める。
ユーゴ空爆でミサイルの誤爆があったと報道されている。NATO軍の謝罪が映されていたけれど、数十人の民間人が死亡したんだぞ、謝罪だけで済む問題か? これ以外にだって被害はあるはずだ。人間の命がミサイル2発であっと言う間に亡くなる。これは戦争だから仕方ないなんて言い訳は通用しない。立派な犯罪だし、殺人だ。民間人も軍人も政治家もない。一人でも人が死んだのならそれは殺人だ。撃った人間はどんな理由があるにせよ、殺人者だ。
早く空爆が終わることを僕は心の底から望んでいる。
今日は執筆ナシ。もう寝ることにする。
99.4.16
さしたる興味もなかったけれど、NHKのトップランナーを見た。GPレーサーの原田哲也が出ていた。バイクってわからんけれど、原田だけは知っていた。で、非常に話は面白かったのだけれど、やっぱり司会がよくない。誰だ、大江千里なんて司会に選んだのは。しかもなんでまだ続けているんじゃい。そのうちゲストにはあの平野啓一郎が出る。見れたらみるかな。
小説を書くことを知っている知人に何度も同じことを聞かれている。
「あの平野はどうなのよ」
僕は基本的に何度も同じ質問をされることが嫌いである。だからこの質問はいい加減聞き飽きている。だからもう答えるのはメンドウなので、ここに書いておく。
書きたいことを書くのに一番大事なものを忘れている作家。しかもそれに気がついていない。
確かに頭もいいし、文章もウマイ。けれどそれだけじゃ小説は書けないし読まれん。
名前は残すだろうけど、作品は残せないタイプ。
今日は中日に巨人は負けた。段々あほらしくなってくる。
仲良しごっこも人生の先輩のようなアドバイスも僕は嫌いだ。本当の同志が一人、欲しい。
99.4.17
仕事休み。取り立ててすることなし。昼から少し散歩をしようと思い、一時間ほど歩き回る。最近ご無沙汰であったお店を冷やかしに行くも、さしたるモノもない。昼飯を買って自宅で昼食。
昼過ぎから読書。そしてゲームを少々。
夕方にTくんと久しぶりに会い、お茶をする。旅行でのおみやげを貰う。感謝。
夜、Iさん、Tさん、Nさんと会う。しばし懇談。帰宅後寝ようとしたけれどなかなか寝つけず、テレビを眺める。夜2時過ぎ就寝。
99.4.18
昼過ぎまで寝てしまう。昼食をとった後、小説を執筆。てんで進まない。
夕方より出掛け、夜十時すぎ帰宅。野球の結果を見て風呂に入る。
とりたてて面白いことなし。執筆枚数一枚。
99.4.19
かったるい月曜日。仕事は順調。担当者との打ち合わせもスムーズに進んでいる。
コソボ情勢は相変わらず空爆が続いている。隣国のイタリアはNATOの空爆には参加していないそうで、もっぱら援助をしている。地理的状況や政治的状況はなんでも日本と北朝鮮の関係に似通っていると某テレビのアナウンサーが言っておった。
それよりもアメリカやNATOは地上部隊まで派遣しようとしているらしい。
何度も書くが、これは絶対に異常だ。
人殺しを賛成するやつの気がしれん。政治や国が一体なんだというのだ。それよりも人間の命のほうがはるかに大事ではないか。
早く空爆をやめてほしい。NATOもアメリカもユーゴもない。早く空爆をやめて、一人でも多くの人間を助けてほしい。
99.4.20
頭に来ることが多い一日だった。
99.4.21
会社を今日は早めに出る。といっても二十時近かったけど。
帰宅後I君と会う。
I君と別れてからしばらく夜の散歩をして家に戻る。巨人は大量得点で勝った。気分がいい。
相変わらずインターネットでの文芸賞の更新はされていない。締め切りをとうにすぎて半月も経っている。賞の発表は五月とあったけれど、大丈夫なのかなあ。
いい加減あきれる。
ま、今月中に何もなかったら応募した小説は自分のHPにアップさせよう。
執筆枚数3枚
99.4.22
仕事で非常に不愉快なことあり。久々にキレる。あまりに疲労感が強いので今日は残業をしなかった。帰宅後テレビを眺めるも面白いものなし。車で出掛けるかと思い、ちょっと散歩に出た。
僕の家から車で二十分も行かないところに開発中のニュータウンがある。気が向くと僕はいつもそこに行ってただグルグル回る。人工的な街灯で彩られた街並には、人間の息づかいが微塵も感じられない。確かにそこには人が住んでいるのだけれど、ないのである。そんな街にいると刺激がなくてつまらないのだけれど、不思議とそこに行くと僕は小説のアイディアや一行の文章がひらめくことがある。今日は小説を書く意欲を見つけた。
ニュースで佐渡のトキセンターにいる、つがいの中国のトキがたまごを産んだと報道していた。純粋な日本のトキではないにしろ、卵が産まれたのはいいニュースだ。
ニュースといえばサッカーのユース日本代表が悲願のベスト4になったと思ったら、決勝にまで進んでしまった。諸外国はユースに興味はないらしく、2軍選手が多いらしいけれど、それでもいいじゃないか。ここで日本をアピールしてほしい(いや、もう十分過ぎるかな?)。2002年が楽しみだな。
昨日書いた3枚が恥ずかしい出来だったので削除。
99.4.23
今日は雨。週末はここの所雨が多い。困ったものだ。
ホンダから新しい車のカタログが来た。ネットで請求していたものだ。さっそく飽きもせずに眺める。いいよな、これ。オレなら色はこれで内装は・・・などとついつい考える。お金がないんだよな。
この車、S2000というオープンカーで、予約受付をメールで知っていたけれど、なんでも発表したその日に買ったとしても納車は十ヶ月後だそうな。僕のクルマでさえ3ヶ月だったぞ。
将来欲しいクルマの一つではあるな。
先日、ジャストシステムから発表された「一太郎」のJavaバージョン、「一太郎Ark」のβ版をダウンロードしてきた。僕が一番注目しているものだったのでさっそく試そうとしたら起動しない。はて? と思いJavaの環境が整っていないのかと思うが、確かあるはずなのだ。でも起動しない。てんでわからん。誰かかわる人がいたら教えてくれ。使いたいんだけどな。
執筆は4作品を少しづつ。今年中にHPで発表予定(六月頃かな?)の短編2本をそれぞれ3枚。来年の文芸賞応募作品は書いてあるものを修正。HP連載中の小説を2枚書いた。相変わらずのペース。
これ見るとHPへ来る人は「なんだ浅井はずいぶんと執筆がおせえな」と思われるかもしれない。確かにそうかもしれないけれど、普通これくらいだろう。そう思っている。そうそう十枚も二十枚も書けるもんじゃない。そんなことしたら(あくまで僕は)頭がふやけてしまい、思考が低下。小説の味が薄くなってしまう。一日の枚数は少ないけれど、毎日続けたらそりゃそれなりの枚数になるんだぞ、と自己弁護をしておく。
99.4.24
昼過ぎまで惰眠をむさぼる。頭がガンガンする。遅い昼食を取ったあと、ばあちゃんと母の買い物につきあう。二人が買い物をしているあいだ、パソコンの店でLANの周辺機器を物色。それとJavaとOS関連の書籍を立ち読みする。
夜十時ごろからクルマでドライブ。雨と風がひどかったけれど、心は穏やかになった。
99.4.25
今日も惰眠をむさぼる。昼は自分でスパゲティを作り、食べる。そのあと天気もいいから散歩をして汗をかく。本屋で紀行文の本を買う。最近はこういう類いの本ばかり読んでいる。
アメリカで若者の銃乱射事件があった。死傷者はかなりの数だと報道され、大きな問題となっている。けど、よくよく考えてみたまえ。コソボじゃもっと多くの人が大義名分のもとで殺されているんだぞ。本当にアメリカという国はわからん。
99.4.28
仕事中にもう一本急ぎの仕事が入り、大いに困った。さらに人の手伝いをしてしまい、残業してしまった。帰宅の途中で本屋によって、クルマの雑誌を買った。
このクルマ雑誌、僕は長年買い続けているけれど、最近はあんまり面白くなくなってきた。特にあの田中康夫と浅田とかいう大学の教授だか助教授だかの対談はひどい。なんであんなもの連載しているのかと思う。週刊誌を小馬鹿にしたり、政治家をおちょくるようなことを書いて、読者に頷かせようというのだろうか。でもあんなやりかた、所詮は3流週刊誌と同じだ。あほらしい。
巨人逆転負け。ハラが立つ。9点も取っておいて負けるなよな。
最近良く思うのだけれど、人を誉める人が少なくなったように思う。人を誉めることが上手に出来ない人を僕は信用しない。辛口なことを言うことは簡単だ。でも誉めることを言うのは非常に難しい。誉めるというのは無論おべっかではない。タイミングのいい、相手のためになる誉め方が出来る人というのは、人間関係を大切にし、人格が出来ている人なのであろう。僕はそういう人間じゃないから、誉め方が上手な人がウラヤマシイ。
明日からGW。縁もゆかりもない連休がはじまる。ここ3年間はGWも夏休みもなかったけれど、今年は少しは休めそうだ。また惰眠をむさぼるかな。
99.4.30
今月ももう終わり。早い。
また今日仕事でキレる。あまりに仕事の割り振りのいい加減さに上司に喧嘩を売る。今日は誰も近づいてこなかった。そないなら仕事持ってくんな。女子社員にまで「浅井さんは仕事しすぎじゃないですか?」と言われてるやんけ。そんなに頭がよく出来ているわけじゃないから、どうなってもしらんぞ。と久々に愚痴を連発しておく。
まったく素晴らしき日々である。
今日のNHKのトップランナーに平野啓一郎が出ていた。途中から見たけれど、やっぱり益子直美と大江千里は司会に向かんな。せっかく面白い話が出たのに、中途半端に切れてしまって、「おいおいもっとそこ突っ込めよ」と画面に突っ込んでしまった。
小説のタイトルが一つようやく決まった。これで一本書ける。
明日から五月。GWは小説を書くことにあてよう。
つづく