さまよいの記 2000.5
2000.5.1
五月といえばGW。GWといえば休みが貰えるか不安だな(笑)。
今日は仕事の納品日。時間もないので今日中に返事を頂くことになっていた。しかしまあ、担当者が最初の打ち合わせで言うのを忘れたということが多すぎて、修正の多いこと。その話が出るたびにキレそうになる。おいおい、もっとキチンとしてくれよ。
結局GW明けにもう一度納品することになり、じっくり時間をかけて(本人の意志とは関係なかった)修正をする。これまた残業。
帰宅後同僚のIからメール。返事を出す。
2000.5.3
温泉に行こうかと考え、朝から宿捜し(無謀)。結局見つからず、諦める。しかし○○民宿組合の愛想のないこと。客商売なんだからもっと愛想良くしなよ。カチンとくる。
夕方温泉に行かなかったからということで、某百貨店の中華料理店に行って夕飯を食べる。しかしここの店はおいしかった。飲茶もチャーハンもおいしかった。シャレた店内でもある。どこか教えてほしい方はメールくれ(笑)。ただし女性に限る(嘘)。
家でつまらない巨人の試合を見てると熊本にいるNくんから電話。久しぶりなんていうと今日結婚をしたということ。自分のことのように嬉しく思う。是非熊本に挨拶に行きたいけど、どうかなあ。行くタイミングがないんだよな。でもほんとおめでとう。
部屋のデッキが壊れているのでリビングのデッキで兄と見る。
ジャッキー・チェンの『Who am I?』だけど、まあお金のかかっていること。でもこれは面白かった。ジャッキーファンである僕は満足です。
2000.5.4
せっかく天気もいいし、ヒマなので、ドライブがてら壊れたビデオデッキの後継機を買いに行く。十年持ったデッキで、気に入ってたのだけど、仕方なし。10台限りのBS内蔵ビデオデッキがヒッジョーに安く出ていたので、即購入。そのあとプラプラとドライブして帰宅。せっかくだからというわけでビデオを借りに行く。借りたのは『刑法第39条』、『ゴージャス』、『MATRIX』
『刑法第39条』は日本映画。多重人格者の殺人を巡る法廷もの。出演者が実に豪華で「この俳優は上手いなあ」と唸る役者がそろっていて実に良かった。テレビでやるといらない感情表現や説明描写なんかが入るけど、これは足りないくらいに削ぎ落としている。出てくる人物の感情や背景を排除しているから物語を一本道で追える。それがいいか悪いかは別問題だけど。ただ前半がひどくつまらないのはどうしたものか。久しぶりに良かった。ただし同じ監督の『黒い家』は見る気はしない。
『ゴージャス』はジャッキー・チェンの最新作第二弾。はっきりいってつまらない。困っちゃうくらいである。『Who〜』が良かっただけにがっくりくる。面白いことは面白いけど、ジャッキーじゃなくてもいいんじゃないかなあ。トニー・レオンは良かったけど。
巷で噂の『MATRIX』は70点。確かに面白いんだけど、ストーリー的には一昔前のアイディアだし、日本の漫画やSFで使い古されたものだから、ピンと来ない。ただ映像の手法は良い。最後の方が頂けない。オタクと呼ばれる人やゲーム好きな子供たちが、コンピューターの中でヒーローになって戦うというものが具現化されてる。しかしアメリカってこういうものを作らせたら天下一品だな。
2000.5.5
夜Yの部屋にお邪魔して、CDを落とす。そのあと色んな話で盛り上がり、帰宅は深夜二時すぎ。
どっと疲れがでる。明日は仕事。行きたくねえなあ(愚痴)。
2000.5.6
実につまらない一日。仕事は捗ったけれど、これといった面白さもなし。帰宅後野球を見るも途中で飽きて、いつものコースをループドライブ。ここ数日車に乗れてるのか、運転が気持ちいい。
2000.5.8
GW明けの仕事。会社で雑談をしたときに言われたけど、僕はどうやら普段淡々と話をする人間らしい。自分ではそんなに抑揚のない人間だと思ってなかったから、意外に思う。確かに最近よく考えがよく分からないだの、表情に出ないだの言われる。いつも冷静に話している(らしい)。ちょっと考えたけど、確かにそうかもしれない。ここ5、6年で僕は全然喋らなくなった。人の話を遮ってまで喋っていた。これが良いことか、悪いことか。クールな人になりたいと思ってるけど、他人から見ると僕はクールな人みたいだ。
2000.5.9
ネットで知り合った人たちと会う。いわゆるオフ会というやつ。男だけであったせいか気楽に、そして突っ込んだ話をした。久しぶりに小説への想いというものを話した。気がついたら、僕の周りには小説のことを真剣に話すことの出来る人はいなくなっていた。だから余計にこの日は嬉しかった。
帰宅後そのうれしさも手伝って、なかなか寝つけなかった。
2000.5.10
今日は会社の同期のI、上司のOさんと三人で野球観戦。小学校以来で、仕事中もソワソワしっぱなし(コドモ)。フレックスで、少し早めに横浜スタジアムに行く。応援バットと食べ物を買って、いざ観戦。この日は色々な学校の修学旅行の生徒サンがいた。僕らの隣は山形県の天童から来た中学生たち。みんな一生懸命応援して、はしゃいで、実に楽しそうだった。僕は寒くて鼻水をすすりながらの観戦。試合は延長にまでもつれ、夜十時に決着。修学旅行生がいたから、ホームランが出たら良かったな。そしたら良い思い出になっただろうな。
会社まで戻って、スクーターで帰宅。ニュースも見ることなく、爆睡。
2000.5.14
昼よりKさん、Sさんらと会う。Kさんたちが話している間、Kさんの息子さんと遊ぶ。しかし、子供の体力にかなうわけもなく、ヘトヘトになってしまった。子供っていうのは無限の可能性を秘めていて、溢れるほどの好奇心を持っている。正直ウラヤマシイ限り。かわいいよなあ。連れて帰りたいぐらい(アブナイって)。その後皆さんと別れて、帰宅。眠気に襲われ、ベッドに寝ッ転がろうとしたら,ヒロキ君より電話。Mと三人でお茶。めでたい話があったのだけれど、ここに書くわけにもいかず。しかし、友人の幸せをウラヤマシイと思うよりさきに、嬉しく思う。
夜、食事を済ませて野球を見るも、まぶたは重くなり、ウトウト。目が醒めると野球は終わって、映画になっていた。風呂に入ると眠気も醒めてしまい、ネットのオークションを眺める。
2000.5.20
一週間仕事三昧だったせいもあって、昼まで寝る(いつものこと)。起きると雨。溜息。する事もないので車で気分転換。ただしこれといった面白いことなし。夕刻帰宅。ふいに部屋を片付け、パソコンの周りをキレイにしようと思いたち、がさがさと掃除。本や書類、書きかけの小説などが山のように出てきて途方にくれる。そのあとヒロキ君とオイキムチ君(共にHNね)と会う約束をし、慌てて部屋の掃除をやっつけて、某ファミリーレストランで食事。色々な雑談をして、お互い年をとったなあと確認。十二時帰宅。
2000.5.21
昼より大田区蒲田に用事があり出掛ける。人生は色々。様々なカタチを成している。その深遠さに触れ、神妙になる。約十年ぶりの梅屋敷界隈はほんの少し、変わっていた。帰宅途中に買い物をし、今日は食事を作る。ざるうどん、きのこのバターソテー、ばら肉のバター炒め。うどんが茹ですぎて失敗。次こそはと心に期する。
その後、Kさんより電話。ちょっとばかり悶着を起こしてしまう。いけないクセ。非常に腹も立ったし、口調もきつくなった。それは反省するばかり。電話って顔が見えないから余計きつく聞こえてしまうのかもしれない。意見の相違、ぶつけあいは別段悪いことと思わないので気にしないけど、さすがにへこむ。
風呂に入ってからF1を観戦。巨人は負けた。
2000.5.22
一週間の始まり。どうにも気になる事があり、知人へメールをしたが、一向に返事ナシ。たった一言でもいいから返事をしてほしい。届いたのか、届かないのかわからないではないか。帰宅後、Iさんより昨日Kさんとのことで話あり。がっかり。すべてにおいてがっかりである。
僕には親友は一人もいない。
2000.5.23
しかし、可愛げというのは一体なんであろう。人間関係の中で僕は曖昧模糊にしか見えてこないけれど、可愛げのない人のなんと多いことか。僕も可愛げのない男だけど。
仕事も出来ない、話すのも上手じゃない。人付き合いもだめ。けれど人間として可愛げがあると、それでも「まあしょーがねえなあ」と許せてしまう。なんとかしてやりてえなあとも思う。後から身につくものではなく、持って生まれたものだから仕方ないのだろうか。それとも後でも人間関係の中で育まれて行くものなのだろうか。
孤独に耐えるというのは辛い。もどかしいほど、辛い。それでも耐えなくてはいけないというのは、如何なる罰よりも苦しいとさえ思う。
疲れた。人を心配し、行動し、裏切られ、誰からも褒められない。卑屈になってもしようがないほどの環境。それを打破するのも自分であるが、いささか僕は疲れてしまった。歯をくいしばって我慢して生きて行く事に疲れてしまった。
どいつもこいつも勝手にしやがれ。
2000.5.24
この年になって、高校生の頃の自分の方が、何倍も努力する事をしていたのかと思う。たった一言で良い、僕の魂を燃え上がらせ、痺れるほどの感動と決意をくれる言葉が欲しい。甘えといえば甘えかもしれない。今僕はそんな言葉を探してさまよっている。
2000.5.27
僕は弱音を吐かない人を偉いと思いつつも、その人を信用出来ない。確かに弱音というのはじっと噛み締めておくべきことなのかもしれない。けれど、それを一体誰が癒して上げる事が出来るのだろうか。僕は弱音を吐く人を弱いとは思わない。むしろ人に言えるほど、心を開いている人なのだと思う。ましてや自分が言われたら、なんとしても助けてあげたいではないか。それを偽善という奴がいるかもしれない。だとしたら、一体何が正義で、善意というのか。僕にはわからない。
歯をくいしばるだけが、男じゃない。
夜Kさん宅へお邪魔する。子供と一緒に遊ぶ。一体どっちが子供なんだか(苦笑)
2000.5.28
珍しく朝から起き、Sさん、Kさんと出掛ける。風も強いし、湿気もある。おまけに陽射しも強く、暑い事このうえなし。昼過ぎに帰宅。その足で出掛け、夕方母の買い物に付き合う。買い物をすませ、帰宅してから今度は花屋に行って、玄関前の花を買う。
夜はYくんと落ち合い、雑談。
これまでの自分をイメージするのはもうやめよう。これからの自分は何をなすべきか。これからの自分は何に怒り、耐え、進んで行くか。それを考えていこう。そうしなければ、いつまでたっても後ろ向きな自分でしかない。
執筆枚数3枚
2000.5.29
今日は取引先に打ち合わせに行く。午後より上司の車で厚木まで。とにかく暑く、上着を着てくるのではなかったと、半分後悔。打ち合わせは予想していたものよりも、もっとハードな内容で、気が遠くなる。しかし、前から分かっていたはずだし、わからなければ電話して確認すれば良いこと。なのにうちの上司たちは一体何をしておったのか。当日に気がつくなんていう馬鹿げた行為を、僕は怒りよりも呆れはてる。帰社後、その状況説明をして慌てふためく上司を見て、余計そう思う。
六月はあっという間に過ぎて行くことだろう。溜息ばかり。
夜Yさんへ電話。土日の疲れが出てきているのか、体が重い。
執筆枚数5枚。
2000.5.31
朝から雨がポツポツと降る。会社では(珍しく)仕事に没頭。煙草を吸うたびにグッタリする。昼は同僚のI、後輩のI君とマクドナルドで昼飯。新横浜のマクドナルドは異常に混んでいて、呆れ果てる。しかしまあ、僕は初めてと言っていいほどガングロなる女性を間近で見た。恐ろしい。夢に出てきそう(半分嘘)。
午後もただひたすらに仕事。先日席替えした場所はみんなから隔離された場所であるため、集中出来るが、会話に参加出来ない寂しさもある。新しい班長、イライラさせるなよ。
夜十時近く、気がつくと会社にはほとんど人がいなかった。仕事にも飽きたので、帰ろうとしたら、明日から新入社員が来るので、机を掃除しないといけない、と女性陣がのたまう。息抜きがてら手伝うと非常に喜ばれる。その後、雨も上がっていたので、一足先に帰宅。母と雑談をしながら夕飯。
ようやく小説が動きだした。へたに書き進めなくて良かった。失敗したら目もあてられなかったし、着地の目測をひどくはずす所であった。執筆枚数6枚。
明日から六月。もう梅雨に入る。それが過ぎると暑い暑い、夏が来る。六月の仕事をやっつけて、少し休みを取って出掛けたい。今月は良く耐えた。
つづく
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