あとがき
一体あの厭世観はどこから来て、自分の中に住み着いてしまったのだろう。普段生活をしている中で私は二十代前半、世間との隔絶化に熱心だった自分を思い返す。さまざまな欲望や、諦観に埋没し、他人を盗み見ようとした時代。そしてそこで見たものや得たものを、いつしかそれを小説に書いてみようと試みたのが、この作品である。そして完結させた今もその試みが成功したか甚だ疑問である。またこの作品を執筆中、私の周りで実に様々出来事が起こり、この作品の内容に少なからず影響を与えた。それがプラスになったか、マイナスになったか。それもまたわからない。
最後は読者の皆さんのご想像に委ねるしかないという私のいい加減さをご容赦していただきたい。
最後に約二年弱という歳月をかけた執筆の中でお会いし、励ましてくださった友人、知人の皆さん、そして最後まで本作品を読みつづけていただいた読者のみなさんに心より感謝申し上げます。
平成十二年六月
深夜 自宅にて
浅井 清孝
追伸
本作品で連載始め、アルバイト仲間の坂口が、途中から下川という名前に変わってしまっている。なんともお恥ずかしい間違いである。訂正は適時加えていく予定である。
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