今回は、「いろは双紙」のSSを作ってみました。よかったら読んでやって下さい。

 

タイトル:新・めにぅ

 

場所は水簾、時刻は朝から昼にかけて。客席の中央で何やら話をしている。

 

お岩姉さん 「最近、お客がへっとるのぉ」

十戒 「味は落ちてないんですがねぇ」

お春ちゃん 「でも、お客さんは確実にへってますぅ」

義虎 「己はちゃんと新鮮な魚とか捕ってきてる」

お岩姉さん 「でも、客はへっておるからなぁ」

 

ポツリとつぶやく

 

沙鴎 「新しいメニューでも出したら?」

 

皆が、沙鴎ちゃんの方を見る。

 

お岩姉さん 「その案、もろーた!新しいめにぅ出すで!」

お春ちゃん 「でも、新しいめにぅって何を作るんですか?」

十戒 「そこはそれ、新しいメニューならグルメな私におまかせを!」

義虎 「おっ、何かいい考えがあるんか?」

十戒 「はい、異国のメニューを加えるというのはいかがでしょう?」

お春ちゃん 「で、一体何を作るんですかぁ?」

十戒 「んーそうですねぇ、パスタなんてどうです?」

義虎 「羽簾汰?」

お春ちゃん 「パスタというのは、んーとツユを使わないでタレで食べるおそばみたいなものです」

お岩姉さん 「ん、なかなかいい考えだねぇ。それでいこか! じゃぁ材料集めしよか。十戒、材料は?」

十戒 「へい、牛肉とトマト、パスタがあればなんとか。後はここにある材料で」

お岩姉さん 「じゃ、義虎は牛肉を取りに、お春ちゃんはパスタとトマトを買いにね」

お春ちゃん 「はい♪」

義虎 「んじゃ、行ってくるで。黒雲塊移光雷!!」

 

雷と共に消える義虎

 

お春ちゃん 「わ、私も買い物に行ってきまーす」

十戒 「私も行きます」

 

お春ちゃんと十戒も出て行く

 

お岩姉さん 「沙鴎ちゃんは?」

沙鴎 「やることなし」

 

 

 

市場で買い物のお春ちゃんと十戒

 

お春ちゃん 「んーやっぱりここじゃいいトマトは手に入らないかしら」

十戒 「あ、あっちの方で新しい荷物降ろしてる店がありますよ。行ってみましょう!」

お春ちゃん 「あ、本当だ。あれ、いたりあの人かなぁ。そうなら本場の材料が手に入りそうなんだけど」

 

 

牛肉を求めてさすらう義虎は・・・・・・

 

義虎 「なぁ、昔のよしみで頼むわ、肉譲ってくれへんか?」

牛魔王 「お主、ワシの名前を言ってみろ!」

義虎 「なんや、牛肉の事に一番詳しそうだからここに来たんやで。わざわざ遠いところから」

牛魔王 「ほほう、いい度胸だ! ワシと勝負して勝ったら肉を分けてやろう」

義虎 「よっしゃ、勝負や!」

 

牛魔王 「ごらんあれぇい! 風雲豪雨千両遊覧! 罰不唖楼男!!」

(↑何て書いたでしょう?)

義虎 「しんうちとうじょう! 黒雲入道雷鳴遊覧! 悪鬼妖魔神喰!!」

牛魔王 「狂事まとうはここ一番の大道芸無!!」

義虎 「全ては皆々様のおかげ事! いざ、極めて尋常にぃ!!」

義虎・牛魔王 「勝負!!」

 

 

義虎が牛魔王の右突きをかわし、背後に回る。義虎のヘビが牛魔王に噛み付きにいく!

しかし、牛魔王はしっぽでヘビをはたく。

正面を向き合い、牛魔王が頭の角を突き出し、突進してくる。

難なくかわす義虎。すれ違う刹那、しっぽで義虎の足をすくい転ばす。

牛魔王が転んだ義虎の頭を踏み潰そうとするが、間一髪身をかわす。

 

 

牛魔王 「どうした義虎。鈍くなったか?」

義虎 「なに、これからや!」

 

教会の鐘の音のような音が響く。その音を聞いた牛魔王が渋い顔をする

 

牛魔王 「これからか・・・・・・。許せ、義虎。ワシから挑んだ勝負だがこの勝負より大事な時が来てしまった。

次に繰り出す技を受けて立ち上がれたらお主の勝ちだ!」

義虎 「・・・・・・受けてたとうやないか!」

牛魔王 「張拳美鬼沙唖ぁぁぁぁ!」

 

牛魔王が義虎の前から一瞬消える!

義虎が気付いた時には、体が宙に舞っている。

 

義虎 「何やてぇ!?」

 

落ちてくる義虎に何度も体当たりをして義虎の体に回転を付ける。

八回目の体当たりが終わり、義虎に背を向ける。

義虎の体が地面に叩き付けられ、五回ほど転がる。

 

牛魔王 「終劇なり!義虎よ、いま部下に手当てをさせる。しばし待っておれ」

義虎 「その必要はないで・・・・・・」

牛魔王 「何っ!?」

 

振り替えるととりあえず立ち上がった義虎がいる。

 

義虎 「牛魔王、ちょっと回転をつけすぎや」

牛魔王 「・・・・・・そうか、五点着地か!」

義虎 「何や、それ?」

 

※五点着地とは、地面に叩き付けられた際に、うまく転がる事でダメージを五等分に

するとか何とか言うやつです。死んでもいい方は試してみてはいかがでしょう?

止めはしません。奨めもしませんけど。個人的にはやめとけ。

 

牛魔王 「何にしても立ち上がったのだ、約束は守ろう。

ワシはちょっと急がねばならんので部下から受け取ってくれ」

義虎 「ほんじゃ、遠慮なく。で、その急ぎの用件、己も手をかそうか?」

牛魔王 「その心だけ受け取ろう。これはワレら一族の問題。その王としてワシがカタをつける」

義虎 「わかった。ほな、また会おうなぁ」

牛魔王 「義鷹によろしくな」

義虎 「ん、あぁ」

 

雷と共に消える義虎

 

 

水簾・厨房

 

お春ちゃん 「義虎さん遅いですねぇ。こっちの材料はそろったのに」

沙鴎 「もうじき戻ってくるんじゃない?」

 

外に雷が落ちる

 

義虎 「ただいまぁ」

お春ちゃん 「あ、お帰りなさい! 遅いから心配したんですよ」

義虎 「スマンなぁ、ちょっと手間取ってなぁ。ほら、牛肉や」

十戒 「じゃぁ、さっそく作りましょう!」

 

 

こうして苦労して(義虎だけ)作ったミートソースのパスタは大盛況を呼び

水簾は大繁盛したとさ。

しばらくは。

 

終わり

 

 

 

 

あとがき

 

とりあえず、前回レイニーさんのお慈悲で乗せていただけた「大復活祭SS]の

続編にして前のお話である「いろは双紙SS」を書かせていただきました。

「雷の田の字が三つある」ヤツは出なかったので「雷」で勘弁して下さい。

いろいろ不備なところがあると思います。

読んでいただいた方は、文句、直したほうがいい点等の感想を送っていただけると

幸いです。 nishida@gonzo.co.jp

 

あと、この世界にトマトとかパスタってあるのかしら?

 

皆様が、許していただけるならまた書いてみたいと思います。

 

 


うひょ〜〜、斬鉄丸さん、ありがとうございます〜〜!

なんか、冒頭のお岩の気だるそうな雰囲気が伝わってきますなぁ(笑)

貴重な、いろはSSじゃみんな心して読むのだぞ〜!


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