2003 荒川市民マラソン        T.K

3月23日荒川市民マラソンに出場した。このレースはフルマラソンに関しては、
今シーズンの締めくくりとするべきレースで、自己記録更新は勿論の事、少しでも
サブスリーの壁を越える為の高い踏み台を築いておきたいと願って出場するレース
だった。2002年秋からのトレーニングは、前期(12月)ホノルルマラソン、後期(3月)
荒川市民マラソンという2本だてで調整をはかってきた。そんなこともあって、ホノルル
のあとは、このレースに向けて、気合充分で過去の荒川市民マラソンとは違い、
かなり鼻息荒く!という感じで、トレーニングに励んでいたのだが、2月末に風邪を
ひき、その為に1週間の完全休養を余儀なくされ、その後も肺、気管支の状態が
充分ではなく、何とかギリギリ間に合った?という状態での出場となってしまった。
それでも悪い事ばかりではなく、2月中旬、寒さの影響もあり足のアチコチに痛みや
違和感が発生していたのが、完全休養の間に回復し、そういった類の不安は、
全て解消されていた。あとは本番で、走りこみ量(質も?)の不足がどの程度響くか?
あるいは、リフレッシュされた足が爆発するのか!そんな不安半分、期待半分の
気持ちだったが、正直なところ、コースがホノルルや館山よりは楽になるので、
『自己記録更新ぐらいはイケるでしょう!』ぐらいの自信は持っていた。

この大会はスタート時間が9時ということで割りと早い事もあるし、会場が殆ど埼玉?
ということで家から離れている事もあり、例年、前日受付を行って、赤羽に宿を取り、
万全の体制で臨んでいる。今年も同様。 前日は非常に寒く、真冬の気候であった。
暖かければ、浅井えりこさんのセミナーをゆっくり聞いて、会場のブースを見て周り
レースへのテンションを高めていきたいところだったが、あまりの寒さにその気持ちも
萎え、受付終了後、素早く撤収することにした。

赤羽の宿は、スーパーホテル赤羽。駅からも近いし、廻りにコンビニもあり、非常に
使い勝手が良い。料金も二人で(スーパールーム)、8000円程度とお手ごろ。
今年で3回目の利用となる。ホテルにチェックインして、夕食までの間は翌日の
レースに備えて、ストレッチ(というより、ただゴロゴロしていた)。それから、少しでも
エネルギーを蓄えようと思い、菓子パンをちょこちょこ、つまんでいた。
夕食は、大戸屋(和食チェーン店)。この店は結構気に入っていて、最近家の近く
に出来たこともあり、良く利用している。ふんわり玉子と照り焼きつくね定食(ごはん
をとろろにチェンジ)を食べた。夕食後、商店街のダンゴ屋に立ち寄り、翌朝食用の
おはぎ2個とホテルに戻ってからのおやつ用の串ダンゴ2本(あんこ)を購入。
さらにコンビニでやはり翌朝食用のいなり寿司とホテルに戻ってからのおやつ用の
フルーツゼリーを購入。これで一応、食料の調達は終了。
ここで購入したものは、全て予定通りに平らげた。これだけ食べれば、エネルギーの
補給は充分でしょう・・・

翌日は、6時に起床。朝食を食べ、仕度を整えて(レース仕度もだいぶパターン化
されてきて、スムーズに進むようになった?)、7時30分にホテルを出発。会場には8時
過ぎに到着した。(途中、例によって十度の宮を参拝して、完走お守りを頂いた。)
会場では、スタートゲートから100mほどの場所に陣取り、荷物を預けてスタンバイ完了。
スタート地点には、スタート時刻の10分ほど前に着いた。今回のスタート位置は、ゼッケ
ンにより区切られているのだが、2996番という私の番号は、陸連登録者のすぐ後ろの
ブロックということで、スタート位置には恵まれていた。

そしてスタート時刻の9時00分。天気は晴れ。風がなく暖かいという絶好のランニング
日和の中、スタートが切られた。スターティングラインまでのロスタイムは約1分。
特にひどい混雑も無く、わりとスムーズにスタートできた。(強引に割りこんでくる輩も
少々いたが・・・) ここのところ(ホノルル、館山)、フルマラソンでは、後半失速という
パターンが続いていたので、序盤はできるだけ集団の中で息を潜めて、静かに立ち
上がる事を心掛けた。それでも、スタート位置が前だったからか、ソコソコ良い感じの
ペースで走れていて、最初の5kmが23:34(4:43/km)ペースだった。
5kmを過ぎたあたりから早くも集団はバラけ始め、自分でペースを作るような状態に
なった。スタート〜10kmのラップが45:55(4分35秒5/kmペース)

一応、4分30秒を目安にしていたので、まずまず。ここから徐々にペースが上がって
行くのかな? 上がって行けば、後半粘れば3時間10分くらいでゴール?みたいな事
を考えてはいたのだが、15km、20kmと距離を重ねても、ペースはすっかり落ちつき、
思ったほど上がらない。そう言えば、スタート直後から何となーく、身体が重いような
気もしていた。1km4分30秒というペースにこだわるのであれば、軽くムチを入れて、
ペースアップをはからなければならないが、どうもそういう気分にはならない。あんまり
調子が良くないのかな? でも先はまだ長いし、もう少し我慢してみよう!と思いなおし
て、今のリズムを維持する事に心掛けた。10km〜20kmのラップは45:26(4分32秒6/km
ペース)

今回から荒川市民マラソンは折りかえしが1回になった。20km地点を過ぎ、折りかえし
地点(21.0975km)を廻ったら、気分が変わるかな?と思ったが、後半に入っても状態
は変わらず。コースが平坦というのもあるんだろうが、ペースもまるっきり平坦になって
いた。足の筋肉が同じ動き、同じ回転数を完璧に記憶してしまったようで、同じような
ラップタイムが続く。悪い事ではないが・・・ 途中サムズのメンバー数名とすれ違い、
合図を交した。天気が良く気持ちは良いのだが、あまりにも単調な景色にちょっと飽きて
きた。気分を変えようと思い、サングラスを外してみた。少しだけシャキッとしたような気が
した。これが陽射しによる覚醒効果か? 苦しくなったらまた使ってみよう!
サングラスを頭に掛けたまま暫らく走っていたら、サムズのメンバーひあーるさんを前方
に発見した。聞くところによると、膝を痛めてペースダウンしているとの事。『ヨー!』と声
を掛け、先へ行く。30km付近だったかな? 20km〜30kmのラップは45:57(4分35秒7/
kmペース)だった。

30km地点を迎えて、ちょっとした葛藤があった。体力的な部分で余裕を感じていたの
だが、ペースを上げるべきか、維持するべきか悩んだ。30kmの通過タイムが2:17:18
3時間10分を目指すには、既に2分以上の借金があり、これを取り返すには、リスク
覚悟でペースアップを図らなければならない。2分を残りの12kmで取り返すには、
1kmあたり10秒ペースを上げなければいけない。(1km4分20秒)
これまでのレース(フルマラソン)では、30km地点ともなると、余裕はなく、その時の
ペースを維持するのに四苦八苦するのだが、今回は、前半身体の重め感も手伝って
自然と抑え気味ペースになっていたのが原因?で30km地点で、まだお釣りがあった。

ここでムチを入れて、残り12キロに希望を掛けるか!3時間10分という記録は意識から
消して、確実に自己新を目指すか。迷った。そして出した結論は、後者だった。
ここまではリズム良く走れている。だから敢えてそのリズムを崩してまで、リスクを背負う
べきでは無いと判断したのだ。いくら余裕があると言っても、30kmも走った状態で1km
あたり10秒以上ペースを上げるというのは無謀。それならもう少し力を温存して、35km
の時点でもう一度考えようと思った。そして30kmから35kmの5kmは23分(4:36/kmペース)
で走った。そして35km地点を過ぎた時、自分の選択に間違いが無かったことを確信した。
35kmを過ぎた辺り(土手の上り下りを繰り返した付近)から急に足が重くなり始めたのだ。
30km地点で残っていたお釣りは、ペースを上げることなく使いきっており、あとは気持ちで
足を運び、いかにこれまでのペースを維持するかというギリギリの状態になってきた。
考えても仕方ない事だが30km地点で無理にペースを上げていたら?と考えるとちょっと
恐かった。

ギリギリの状態になりペースの維持を心掛けたが35km〜40kmの5kmは23:47(4:45/km)
にまで落ちてしまった。それでも40km地点を通過したときには、ラストスパートをかけて
みよう!という気持ちが湧いてきた。再びサングラスを外して、日光による覚醒効果?に
期待して、動かせる部分(特に腕)を必至に動かして、ペースアップを試みた。
近づいてくるゴールに勇気づけられ、増えてくる観客の声援に乗せられ、もがいた。
40kmからゴールまでの上がり2.195kmのラップは、10:08(4分36秒9/kmペース)という
ことで何とか元のペースを取り戻せるくらいには、復活した。
ゴールタイムは、3:15:10(グロス),3:14:12(ネット)と言うわけで、3時間10分には遠く
及ばなかったが、自己記録を5分弱更新した。

今回のレースは、結果的に目安としていた3時間10分に4分ちょっと足りなかったが、
最後まで大崩せず、タイムをまとめられたという点では、シーズン最後のレースとして、
良かったのではないかと思う。これが現在の実力なんだと受けとめて、来シーズンは、
今回のタイムをベースとして、さらに高い土台を築き上げ、サブスリーの壁に手が届くよう、
頑張ろうと思う。今回、39km地点を少し過ぎた辺りで、3時間が経過した。サブスリーまで
の距離はおよそ3km。この距離を1レース毎に縮めて行ければと思う。
『あと何回自己記録を更新すれば、サブスリーを達成できるのだろう?』ふと、そんな事を
考えたら、まだまだ時間が掛かりそうだな!と思う反面、サブスリーは必ず達成できる目標
だと思いこんでいる自分があった。 すっかりその気になっている???


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